西に進むと険しい山道が待ち受けていた
コレル山に続く山道である
険しい山の中に魔晄炉が建つ山-コレル山
以前は有数の石炭の産地として知られていたが
エネルギーが石炭から魔晄に移り、神羅が魔晄炉を建造した
放置されている炭坑列車のレールが以前の面影を僅かに残している
途中、旅人らしい人が休んでいて
コレル山 旅人 「ふぅーっ!! おっ!
あんた達はちゃんと話しかけてくれるんだな。」
クラウド「何の事だ?」
旅人 「少し前にすれ違った黒マントの奴がよ、人が親切に、この先は
危険だって教えてやってんのに無視しやがってよう。」
クラウド「セフィロス……」
エアリス「ここにも、黒マントね…」
レッドXIII「ふーむ… 行く先々にねぇ…」
バレット「…………ああ」
ユフィ「ああ、かったりぃ!!」
ティファ「先を急ぎましょ。」
この道をセフィロスが通ったらしい
クラウドは頑張って山道を登り始めた
途中、橋が上がったままになっており先に進めない
エアリス「あっ!! クラウド! ちょうど良かった!」
ティファ「この橋が繋がらないと先に進めないみたいなの。
あそこの小屋にスイッチがあるらしいんだけど…
モンスターが多くて疲れちゃったから……」
エアリス「ね、クラウド。ちょっと休もっ。」
クラウド「そうだな…… 先を急ぐぞ!」
バレット「……ふう。」
レッドXIII「……何だ?」
ティファ「疲れちゃったね…」
ユフィ「疲れたよっ!」
エアリス「クラウドと一緒が良かったなっ!」
女性陣は休ませておいてクラウドは離れた小屋に向かっていった
エアリス「きゃ~、クラウド!! 頑張って~!!」
ティファ「クラウド!! 頑張れー!!」
女性達の声援に励まされ、何だか元気が出てきたクラウド
小屋に辿り着くと
クラウド「痛てっ!! 狭いな、ここ…… さっ、気を取り直して…
んっ、これかな。これを動かせば…… 何かが起きる筈だ。」
スイッチを動かすと橋が下がり、エアリス達は橋を渡り始める
そして更に行く途中、ふと小鳥の鳴き声に立ち止まった
それは鳥の巣で、2羽の雛が親の帰りを待っているのであった
エアリス「きゃっ、可愛いっ!」
ティファ「うん!! ……可愛いね。」
バレット「ひゅ~!!」
レッドXIII「はぅっ… はぅっ…」
ユフィ「おおっ! お宝!!」
クラウド「どうするか… ……俺達には関係ない。無視だな。」
ティファ「うん! クラウド、偉い偉い。」
エアリス「クラウド……」
ユフィ「ええ、まじぃ?」
何とか山道を越えて行くと小さな村に着いた
かつての炭坑の村-北コレル
数年前まではコレルは炭坑で賑わっていたが
魔晄炉建造後、事故が起きた際に神羅により焼き払わた
その時から逃げ延びた人々がテントなどで暮らしている貧しい村である
コレルはバレットの故郷でもあるが彼はあまり故郷について話そうとはしない
何か因縁があるのであろうか……?
またここには神羅の巨大遊戯施設ゴールドソーサーへのロープウェイもあり
そこへの連絡口にもなっている
北コレル コレルに着いた一行を村人達はけげんそうな目で見つめた
そしてその視線の先-バレットに対し急に殴り掛かってきた!!
村人 「ケッ! また、バレット様に会えるとは思っても
みなかったぜ。」
村人 「フン! また、何処かの街を追い出されてきたんだろう?
何せ、貴様は死神だからな。」
村人 「どの面下げて、戻ってきたんだ? 見てみろ!
お前のせいで北コレルは瓦礫の街になっちまった……」
村人 「何とか言ったらどうなんだ!
自分がやった事を忘れたんじゃねぇだろうな?」
バレット「…す、すまん…」
村人 「チッ、面白くねぇ!
こんな木偶の棒に構ってるとロクな事がねぇな!」
村人は呆れて去っていく
バレット「聞こえただろ… オレのせいで、この街は……
壊れてしまったのさ……」
そう言うとバレットは走り出していく
クラウド達はバレットを追って、ロープウェイ乗り場まで来た
エアリス「バレット、どうしたの?」
バレット「すまねえな。」
クラウド「何があったんだ?」
バレット「この辺りにオレの故郷があった。」
レッドXIII「あった、とは?」
バレット「今はもう無い。砂の下に埋もれちまったらしい。
……たった4年で。」
エアリス「だからって、どうして、さっきの人達あんな酷い事言うの?」
バレット「オレのせいだからだ。全部オレのせいなんだ。」
そうしてバレットは4年前の出来事を話し始めた……
バレット「……オレの故郷、コレルは古くからの炭坑の村だった。
埃っぽくて、長閑で貧しくて…… そんなちっぽけな村だった。
『魔晄炉』という名を初めて耳にする、あの時までは……」
その日、神羅の魔晄炉建設に対して村では集まりが開かれていた
村長 『どうする? 反対してるのはダインだけだが……』
ダイン 『俺は絶対反対だ。コレルの炭坑を捨てるなんて
出来ない相談だからな! コレルの炭坑は、
俺達のじいさん達、親父達が命がけで守ってきた物だ。
俺達の時代になって捨てる事なんて出来ない!』
バレット『でもよ、ダイン。今の時代、石炭なんて誰も使わない。
時代には逆らえないんだ。』
スカーレット『そう、時代は魔晄エネルギー。
大丈夫ですよ、ダインさん。魔晄炉完成のあかつきには
我々神羅カンパニーがみなさんの生活を保障します。』
バレット『な、ダイン。オレは女房のミーナにこれ以上苦しい生活を
させたくないんだ。』
ダイン 『そんなの俺だって同じなんだ!
でも、それでも俺には炭坑を捨てるなんて出来ないんだよ!』
村長 『ダイン…… わかってくれ。』
ダインは渋々承知した……
バレット「こうしてコレル魔晄炉は建設され…… 完成した。
オレ達は豊かな生活を夢見ていた。しかし…………」
ある日、村が全焼するという大惨事が起きた……
バレット「オレとダインが村を離れているほんの僅かな時間の出来事
だった。コレル村は神羅の軍によって焼き払われて
しまったんだ。大勢の村人達も…… オレ達の家族も……
みんな…… 一緒に……」
クラウド「神羅の軍? 一体何のために!?」
バレット「魔晄炉で爆発事故が起こったんだ。
神羅はその事故の責任をコレル村のオレ達に押しつけた。
反対派の仕業だと言ってな。」
ティファ「酷いっ!」
バレット「ああ、確かに。でもよ、オレは神羅以上に自分を
許せなかったんだ。オレさえ魔晄炉に賛成しなければ……」
ティファ「自分を責めちゃだめよ。その頃は、
みんな神羅の甘い言葉に踊らされていたんだから。」
バレット「だからよ、だからこそオレは自分に腹が立つんだ!!
甘い言葉に乗せられた挙げ句、女房を…… ミーナを失い……」
「オーイ、あんたら! 『ゴールドソーサー』に行くなら
早く乗っておくれ。料金は、必要ないからね!!」
時間なのか、ロープウェイの係員が催促する
ユフィ「アタシは先に乗っておくよ。」
バレット「ダインは親友だったぜ。ガキの頃からよう……
全部、オレのせいなんだ……」
ティファ「私、知らなかったわ。バレット、何も言わなかったから……」
エアリス「神羅のやる事はみんな不幸にしてしまうのね…」
レッドXIII「…………」
みんなバレットの話で暗くなってしまっている
クラウドは少し状況を明るくしようと
クラウド「乗ろうぜ。」
ロープウェイに乗り、ゴールドソーサーに行く事を提案した
バレットは黙ってついてきた
ティファ「早く乗らなきゃ!」
こうしてコレルを後にし、巨大遊戯施設ゴールドソーサーへと向かうのであった
砂漠に浮かぶ、世界最大の遊戯施設-ゴールドソーサー
『黄金の皿』の名の通り、砂漠に建造されたその外観は
巨大な黄金色の樹に幾枚もの皿が繋がり
贅沢と娯楽の巨大空間を形成している
その施設は目玉であるチョコボの仮想レーシング場を筆頭に
バーチャルリアリティ溢れる娯楽施設でいっぱいである
元々神羅が創った物ではあるが
今では全世界に娯楽の街として名を馳せている
たくさんの賑やかな音に出迎えられ、ゴールドソーサーに着いた
クラウドはチケットを買って中に入った
ゴールドソーサー
エアリス「うわ~! 楽しまなくっちゃ!
そんな場合じゃないのはわかってるけど、ね。
ね、バレットも元気出して!」
バレット「……そんな気分にはなれねえ。
オレの事は放っておいてくれ。」
エアリス「そ~ぉ? 仕方ないね。行こっ!」
ティファ「ヒソヒソ……
(エアリス! ちょっと酷いんじゃない?)」
エアリス「ヒソヒソ……
(こういう時、変に気を使わない方がいいよ。)」
ティファ「ヒソヒソ……
(そうかな……)」
エアリス「大丈夫よ! 私達、遊んでくるね。」
バレット「勝手にしろ! チャラチャラしやがってよ!
オレ達はセフィロスを追ってるんだぞ!
それを忘れるんじゃねえ!」
そう言うと何処かへ行ってしまった
エアリス「……怒っちゃった。」
ティファ「あ、でも、大丈夫みたい。何だかいつものバレット。
少し元気出たみたい。」
しょうがないのでクラウド達も気分転換に中を見る事にした
エアリス「いろ~んな事忘れて楽しめると、いいね。」
ティファ「セフィロスが来てるかもしれないから気を付けなくちゃね。」
ユフィ「アタシと!?」
レッドXIII「……私と行くのか?」
誰と行こうかと悩んでいると
エアリス「クラウド! ひとりで行かないで私と行きましょ!」
エアリスが一緒について来た
そしてどのアトラクションしようかと歩いていると
クラウドが突然立ち止まった
エアリス「どうしたの?」
クラウド「シッ!」
クラウドの視線の先には
クラウド「神羅兵… こんなところまで…」
神羅兵 「よし、散れ!!」
合図とともに神羅兵は散っていく
彼らの目的はクラウド達なのか
それともセフィロスなのか……
クラウドは神羅兵に見つからないよう歩いていると
突然声を掛けられた
男 「そこの少年。」
クラウド「少年……」
男 「どうだね? 楽しんでいるかね?
ん、そうか、楽しんでいるか。
良かった、良かった、な、少年よ。」
クラウド「俺は、クラウドだ。少年と言うのはやめてくれ。」
ディオ 「ん? 私か? 私は、ここゴールドソーサーの園長
ディオという。気軽に『ディオちゃん』と呼んでくれ。」
クラウド「………(聞いちゃいないな)。」
ディオ 「そうだ、少年。『黒マテリア』を知っているか?」
クラウド「知らない。」
ディオ 「ははははははは、少年! 嘘はいけない。
この私の目はごまかせないぞ。」
クラウド「何故俺に聞いた?」
ディオ 「少し前に、少年くらいの少年が来て『黒マテリア』はないかと
聞いていったのでな。
同じくらいの少年なら知っているのかと思ってな。」
クラウド「その男は黒いマントの……」
ディオ 「その通りだ。
それに手の甲に『1』のタトゥーをしていたぞ。」
クラウド「その男、何処へ行った!?」
ディオ 「はははははは、そんな事はさすがの私も知らんよ。では。
おお、そうだ少年よ。良かったら、闘技場に寄ってみてくれ。
君なら気に入ってくれると思うよ。私のコレクションの数々も
飾ってある事だし。はははははは。」
そう言ってディオは何処かへと行った
しかし『黒マテリア』とは何なのだろう
新たな謎がまた現れた……
ディオ-ゴールドソーサー園長。筋肉隆々のたくましい身体にパンツ一丁という豪快な
格好をしている男である。性格も豪快そのもので、
他人には流されずに自分の流儀で生きていく男である。
彼は珍しい物をコレクションするのが趣味で、
彼の部屋には世界各地から集めた数々の物を目にする事が出来る。
さて幾つかのアトラクションを見ていると
今度は白い大きな縫いぐるみを来たものに声を掛けられた
「ヘイ・ユー!! 暗~い顔してますな~
どうですか~? みなさんの未来占うで~
明るい未来、愉快な未来! あっ、悲惨な未来が出たら
堪忍してや~! あらら、すんません! ボクは、
占いマシーンです。名前は……」
その縫いぐるみは『ケット・シー』と名乗った
クラウド「占うのは未来だけか?」
ケット・シー「バカにしたらあかんで!
失せ物、失せ人何でもございや!」
クラウド「セフィロスという男は何処にいる?」
ケット・シー「セフィロスですな! ほな、行きまっせ!!」
ケット・シーは占い始めた
そしてその結果をクラウドに見せたが
クラウド「……中吉。活発な運勢になります。周りの人の好意に甘えて
ひと頑張りしておくと夏以降にどっきりな予感。
……何だこれは?」
ケット・シー「あれっ? もっぺんやりましょか。」
再び占いを始めるが
クラウド「忘れ物に注意。ラッキーカラーは青? ……もういい。」
ケット・シー「待って~な、もっぺんやらせて!」
ケット・シーは頼み込んでまた占う
クラウド「……何だと!?」
エアリス「な~に?」
クラウド「求めれば必ず会えます。しかし最も大切なものを失います。」
ケット・シー「ええんか、悪いんかようわからんなぁ……
こんな占い初めてですわ。気になりますな~
ほな、行きましょか。」
エアリス「何言ってるの?」
ケット・シー「占い屋ケット・シーとしてはこんな占い不本意なんです。
きっちり見届けんと気持ちが収まらん。
みなさんと一緒に行かせてもらいますわ!」
エアリス「どうするの、クラウド。」
ケット・シー「どないに言われてもついてきます!」
クラウド「お、おい!」
ケット・シー-Cait Sith デブモーグリに乗った自称占いマシーン。その名の通り
デブモーグリは縫いぐるみ、そしてそれを上から操るのが猫の形をした
メカである。これらには人が入っている訳ではなく、
外部からコントロールしている仕組みとなっている。
操っている人は関西弁を話し、占いが出来る以外不明だが、
その占いの腕前はあまり当てにならないらしい……
ケット・シーは強引にクラウドについて行く事になった……
こうして新たに仲間に加わった大きな縫いぐるみ-ケット・シーを連れ
先程のディオの言っていた闘技場へと向かってみた
クラウド「!!」
クラウドの目の前に神羅兵が立っていた
しかし、その者は突然倒れた
クラウド「ん!? 死んでる……」
エアリス「え!? どうして?」
クラウドはそれには答えず、奥にある闘技場を眺めた
そして突然、そこに向かって走り出す
エアリス「クラウド!? 何処、行くの?」
エアリス達も慌てて追いかけていく
闘技場に着くとそこは一面、神羅兵の死体でいっぱいであった
クラウド「セフィロスが殺ったのか! これは…… 違う………
銃で撃たれている…… セフィロスは銃など使わない…」
「う、うう。」
奥で僅かに息のある人のうめき声がする
クラウド「おい、何があったんだ!」
被害者 「ウ… ウ… 片腕が銃の男……」
エアリス「ま、まさか!?」
バレット……!?
クラウド達はまさかと思っていると
「そこまでだ! 大人しくしろ!!」
警備の者と一緒にディオがやってきた
ディオ 「お前らが殺ったのか!?」
クラウド「ち、違う、俺達じゃない!」
ディオ 「私の見込み違いという訳か…」
ケット・シー「はよ逃げな、やばいで。」
クラウド「お、おい!」
ディオ 「捕らえろ!!」
クラウド達は逃げだそうとするが、逃げた先は行き止まりであった
ディオ 「ここまでだな。」
クラウド「待て、話を…」
ケット・シー「クラウドさん…」
しかしディオは聞き耳を持たず
合図をすると大きなロボットが現れクラウド達を捕らえた
ディオ 「あと、ひとりだな。」
「はい。」
クラウド「おい! 少しは、こっちの話を聞け!!」
ディオ 「聞く事はない。下で、罪を償うのだ!! やれ!」
「はい。」
ロボットは、クラウドを掴んだまま下の砂漠へと落ちていった……
入ったら二度と出られない、砂漠の流刑地-コレルプリズン
ゴールドソーサーの真下に位置する砂漠の監獄である
周りは砂漠、そしてその砂漠も蟻地獄のようににすり鉢状になっており
入ったら自力では逃げられない造りとなっている
ここは罪を犯した者が永久に閉じ込められる流刑地となっているのだ
が、希に赦されて出られるというが、果たして……
コレルプリズン
エアリス「大丈夫?」
クラウド「ここは?」
ケット・シー「砂漠の監獄…… コレルプリズンやな。」
クラウド「砂漠の監獄?」
ケット・シー「そや、砂漠の流砂に囲まれた自然の監獄や。
一度入ったら、出る事は叶わんって、聞いてます…
けど、確か何か特例があったような…」
エアリス「あっ!! バレット!!」
向こうに見えるのは確かにバレットの姿である
クラウド「バレット…… あんたまさか本当に……」
バレット「来るな! これはオレの…… オレが片を付けなくちゃならねえ
事なんだ。ほっといてくれ……」
バレットは走り去っていく
ケット・シー「ヒョーッ! あの人も、みなさんのお知り合い?
何や危なそうな人やなぁ~」
エアリス「クラウド、どうしよう? バレット、いつもと違うよ。」
クラウドは黙ってバレットの後を追いかけ始めた
バレットはどうやら1軒の民家に入ったらしい
クラウドが入ると突然バレットが現れ
バレット「来るなと言ったじゃねえか!」
そして右手の銃を構え狙いを付けた
ケット・シー「ちょ、ちょっとタンマ! 話、しましょ!
な、話せばわかるって!」
しかしバレットは耳を貸さずに撃ち始めた
が、その銃弾に倒れたのはクラウド達の後ろに隠れていた見知らぬ男であった
バレット「お前達を巻き込みたくなかった……」
エアリス「それ、クラウドのセリフ!
『危険だ、巻き込む訳にはいかない』とか何とか、ね。」
そこにティファ達も入ってきた
ティファ「そうそう。それに私達、もう思いっきり巻き込まれちゃって
るんだから。上でバレットを見かけて慌てて追いかけて
来たんだから。さあバレット、きちんと説明してね。」
バレット「お前達……」
レッドXIII「闘技場の事件は片腕が銃の男の仕業だと聞いた。
……あんたか?」
バレット「もうひとりいるんだ…… 片腕に銃を持つ男。
4年前、あの日から……」
そうしてバレットは4年前の悲劇を話し始めた……
バレット「あの日…… 建設中の魔晄炉を見物に行った帰り道だった……」
村の方から村人が駆けつけてくる
村人 『バレット! ダイン! 大変だ! 村が襲われた!
神羅の兵だ!』
バレット『何っ!!!』
慌てて村の方を見ると、一面に炎を帯びて真っ黒な煙に包まれている……
バレット『何てこった……』
ダイン 『おい、バレット! まだ終わっちゃいねえ!
みんなが、待ってる!! 俺達の村へ帰るぞ!』
村人 『バレット! ダイン! 村を頼んだぞ…』
と、その時神羅兵がやってきて村人を撃ち殺した!!
バレット『チッ!! おやっさん!!』
神羅兵はバレット達にも銃口を向けた
ダイン 『おい、バレット! 急ぐんだ!』
バレット『クッ……!!』
バレットは何とか銃撃をかわすが、さすがに怒りがこみ上げてくる!!
ダイン 『バレット!! ここは堪えろ!!』
そこへ神羅の重役、スカーレットがやって来た
スカーレット『キャハハハハハ!!
下手な鉄砲はいくら撃っても当たんないんだよ!!』
バレット『うるせえ!!』
スカーレット『キャハハハハハ!!! ほら、遊んでないで援護しな!!』
ダイン 『危ねえ!!』
スカーレットの放った銃弾がダインの足を貫き
ダインは崖から落ちそうになる!!
慌ててバレットがその手を掴んだが
バレット『ダイン!! 離すんじゃねえぞ!! いいか!!
村へ帰るんだろ!!』
ダイン 『ああ…… 離すわけねえ…… 俺達の村に帰るんだ…
……みんなが待ってる… エレノアが… マリンが……
俺達の帰りを……』
必死に頑張るふたりの手に、神羅兵の銃弾が容赦なく浴びせられ
ダインは崖から落ちてしまった……
スカーレット-神羅の兵器開発部門統括。紅一点で他の重役よりも若く見えるが、
実際は結構年増と見られる。
軍需産業中心の神羅の頃から兵器開発に携わり、
その手腕は高く評価されている。
性格は蛇のように残忍で、嘘を平気でつく。自分の才能を高く評価し、
無能な連中は同僚であろうと軽蔑している。
バレット「オレの右腕はもう使い物にならなかった。
……しばらく悩んだけどよ。オレは右腕を捨て、この銃を手に
入れた。オレからすべてを奪っていった神羅に復讐するための
新しい右腕…… その時の医者から聞いたのさ。
オレと同じ手術を望んだ男がもうひとりいるって事をな。
ただし、そいつは左腕が銃になっている。」
クラウド「…………」
エアリス「でも…… それならダインもあなたと同じ、でしょ?」
ティファ「そうよね。神羅に騙されたんだもの。
きっと、一緒に神羅と戦ってくれるわ。」
バレット「……わからねえ。わからねえが、オレはダインに謝らなくちゃ
気がすまねえ。だからよ、ひとりで行かせてくれ。」
クラウド「好きにするばいい。と、言いたいところだがダメだな。
ここで、あんたに死なれると夢見が悪そうだ。」
エアリス「バレット、ここで終わりじゃないよ。」
ティファ「星を救うんでしょ?」
バレット「へっ! ティファ、もうわかっただろ? 星を救うなんて
カッコつけてるがオレは神羅に復讐したいだけなんだ。
自分の気がすむようにしたいだけなんだよ!」
ティファ「……いいじゃない、別に。私だって似たようなものだわ。」
エアリス「わかりやすいよ、その方が。バレットらしいもん。」
クラウド「と言うわけだ、バレット。さて、バレットと俺と……」
こうしてバレットとダインを捜しに行く事にした……
さてここコレルプリズンのリーダー格の男が近くにいるらしい
何とかここを出れないものかと聞いてみる事にした
部下 「新入りか? なら、コーツ様に挨拶をしておくんだな。」
コーツ 「見ねえ顔だな。ん? 上へ行きてえのか?」
クラウドが頷くと
コーツ 「おめえ、ここがわかってねえな。ここはゴールドソーサーの
ゴミ捨て場。てめえらもグズなんだよ。シャバへ
戻りてえんならチョコボレースで優勝するしかねえ。だがな、
てめえらみたいな新顔がすぐ出られるほど甘かねえよ。
ま、ボスの許可でも取れたら別だがな、取れるわきゃねえか?
はははっははっ。」
コーツ-コレルプリズンの表のボス。
流刑人をチョコボレースに出すための許可は彼が半分は握っている。
仕方がないのでそのボスとやらに会いに行く事にする
クラウドはボスを求めて砂漠を歩いていると
何処からか銃の音が聞こえてくる
バレットはクラウドを制してその音のする方へと歩いていった
バレット「……ダイン。……お前なのか?」
ダイン 「懐かしい声だな…… 忘れようにも忘れられない声だ……」
バレット「いつか会えると信じていた…… オレと同じ手術を受け、
何処かで生きていると…… 聞いてくれダイン。お前に……」
近寄るバレットの足元に突然銃弾を撃ち込むダイン
ダイン 「声が…… 聞こえるんだ。」
バレット「……?」
ダイン 「聞こえるんだよ、エレノアの声が。
お願いだから…… バレットを恨まないでってさ。
だから、あんたを追っかけるのはやめといた……」
バレット「……自分の愚かさは知っている。許してくれとは言わない。
でもよ…… こんなところで何をしてるんだ?
関係ない人間を殺してどうなる? 何故だ?」
ダイン 「……何故!? 理由を聞いてどうする!? それで殺された
人間は納得するのか? 神羅の言い分を聞けばコレル村の
人間は了解するのか!? 理由なんてどうでもいい!
与えられるのは銃弾と不条理… 残されるのは絶望と無の世界…
それだけだ!!」
バレット「…………」
ダイン 「それでも聞きたいか? ……なら教えてやろう。
俺はな、壊してしまいたいんだよ。この街の人間を。
この街のすべてを。この世界のすべてを!
この世界にはもう何もない。コレル村、エレノア……
マリン……」
バレット「マリンは…… マリンは生きている。」
ダイン 「……?」
バレット「あの後、オレは村に戻った。もう逃げられない… そう思った。
だからせめて、最後はミーナの側にいたいと思った。
そこであの子を…… お前の娘、マリンを見つけた。」
ダイン 「……」
バレット「マリンはミッドガルにいるんだ。一緒に会いに行こう、な?」
ダイン 「そうか…… 生きているのか……
わかったよ、バレット。
やはりお前とは戦わなくてはならないな。」
バレット「何だと!?」
ダイン 「エレノアがひとりで寂しがっている。
マリンも連れていってやらないとな。」
バレット「ダイン…… 正気か!?」
ダイン 「マリンだって母さんに会いたがっているだろ?」
バレット「やめろ、ダイン! オレはここで死ぬ訳にはいかねえんだ!」
ダイン 「そうかい。俺はあの日から命は捨ててるぜ。」
バレット「やめてくれ! お前とは殺りたくねえ!」
クラウド「バレット!」
バレット「クラウド、手を出すな! これは、オレの問題だ!!」
こうしてバレットとダインの悲しき銃撃戦が始まった
バレットはやりきれない思いでダインに銃を向ける
こうしてしばらく銃声が続いた後……
ダイン 「うっ!」
ダインは倒れ込んだ
思わずバレットが駆け寄ろうとするが
ダイン 「来るな!! ……俺はあの時片腕と…… 一緒に、
かけがえのない物を失った…… 何処で……
食い違っちまったのかな……」
バレット「ダイン…… わからねえよ。オレ達……
こういうやり方でしか決着をつけられなかったのか?」
ダイン 「言った筈だ…… 俺は…… 壊してしまいたかったんだよ……
何もかも…… この狂った世界も…… 俺自身も……」
バレット「マリンは! マリンはどうなるんだ!」
ダイン 「……考えてみろ…… バレット…… あの時マリンは
幾つだった……? 今更…… 今更俺が出ていったところで
あの子には…… わかる筈もない…… それにな……
バレット…… マリンを抱いてやるには俺の手は……
少々汚れ過ぎちまったのさ……」
バレット「……」
ダイン 「バレット…」
ダインはバレットにペンダントを投げてよこした
ダイン 「そのペンダントをマリンに… エレ… ノアの… 女房の……
形見……」
バレット「わかった……」
ダイン 「……そうか…… マリンが…… もう…… 4つ… か……
バレット…… マリンを…… ……泣かせる… な… よ……」
バレット「ダイン……?」
ダインは崖の方に向かって歩いていった
バレット「ダイン!」
バレットが駆け寄るが、ダインの姿は崖から消えた……
バレット「ダイーーーン!! ……ダイン。お前と同じなんだ……
オレだって…… オレの手だって…… 汚れちまってる……
うおぉぉーーーー!!!」
砂漠の砂が舞う中、バレットの叫びがこだまする……
ダイン-バレットの親友。昔からの炭坑を守ると主張するが、
バレットを始めとするコレル村の人々からの説得で魔晄炉建設を認める。
その後の神羅の攻撃により左腕を負傷。崖から落ちた後遺症で足も悪くする。
家族は妻エレノアと生まれたばかりの娘マリンがいたが、
エレノアはマリンを守るように神羅兵に殺される。
以後左腕を銃とした彼は神羅に復讐するためコレルプリズン周辺で攻撃を始め
やがてはコレルプリズンのボスとして君臨するようになったのだ。
バレットはダインから預かったペンダントを握りしめ
コーツのところへと戻った
ここから出るためである
コーツ 「何か用か?」
バレット「上へ行きてえ。」
コーツ 「だからよ、ボスの許可を取ってチョコボレースに……」
バレット「ダインは訳があって話が出来なくなった。
その代わり、これを貰ってきたぜ。」
コーツ 「ゲッ……」
バレット「上へ行きてえ。」
コーツ 「わ、わかったよ。……ダインを殺ったのか?
いや、そうなんだろうな。そんな物持ってるんだからな。
そうか…… ダインが死んだか。これで、ここも少しは
落ち着いた土地になるぜ。何しろダインは誰かれ構わず……」
バレット「てめえに何がわかるってんだ!!」
コーツ 「わわわ、わかった! いや、何にもわかってないです。
す、すいません。」
クラウド「それじゃあ、ここから出してもらおうか?」
コーツ 「ん? あんた達何か、勘違いしてないか? 前に、少し言ったと
思うが、ここから出る手段は、ただ一つ。ゴールドソーサーで
行われているチョコボレースで優勝するしかねぇ。
それに、一度に上に行けるレーサーはたったひとりだ。」
バレット「何だと!」
コーツ 「だーーっ! いくら、脅してもダメだ!! このルールだけは
変える訳にはいかねぇ。ここの規律がメチャクチャに
なっちまう!! これは、譲れねぇ!
ひ、ひとりは上に送ってやる。
後は、そいつがディオと取引するなり、なんなりしな。」
バレット「ちっ! しょうがねぇ。クラウド、お前行ってこい。
オレ達は、下で待ってるからよ。さっさと、
チョコボレースとかいうのに勝って、こっちも何とかしろ!」
エアリス「うん、クラウド。頑張ってね。」
コーツ 「は、話は、まとまったか? じゃあ、後はマネージャーか。
チョコボレースの登録や調達をする役目なんだが……」
「は~い、話、聞かせてもらっちゃった。」
コーツ 「エストか?」
ひとりの女性が入ってきた
エスト 「あたしがマネージャーやるわ。」
コーツ 「まぁ、文句はねぇが…… こいつはエスト。見た目は変だろ?
でも、チョコボレースのマネージメントで右に出る奴は
いねぇ。」
エスト 「しっつれいな言い方ね。まぁ、いいわ。
よろしくクラウドさん。」
コーツ 「よし、クラウドさんとやら。柱のエレベーターから上に
送ってやる。詳しい事はエストから聞きな。」
エスト-チョコボレースのマネージャー。
その仕事において誰も彼女にかなうものは誰もいないという。
こうしてクラウドはチョコボレースに出走すべく
エストとエレベーターに乗り込んだ
エスト 「そう、そんな事があったの。
わかったわ、ディオ園長には私から話をしておくわ。
あなたは、取りあえずレースに集中して。
そうそう、さっきの話の続きだけど、チョコボレーサーには
いろんな人がいるの。犯罪者だけのレースってわけじゃ
ないのよ。名声のために戦い続けている人。お金のために
戦う人。レースのみ生き場所を感じている人…
あなた、みたいな人を含めてね。あっ、そうだ。
チョコボの騎乗方法教えておくわね。」
こうしてエストからいろいろと教えてもらい、レーサーの控え室へと着いた
そこには数人のレーサーがもうすぐ始まるレースのため集まっていた
ひとりの男がクラウドに気付き、話しかけてくる
控え室 男 「新入りかい?」
エスト 「こんにちは、ジョー。」
ジョー 「やぁ、エスト。今日も美しいね。」
エスト 「ふふ、ありがと。紹介するわ、クラウド。彼はジョー、
現役チョコボレーサーのトップを行く人よ。」
ジョー 「以後お見知りおきを、クラウド君。
しかし、エストが直についているという事は……」
エスト 「そ! 期待の新人ってところかしら。何てったって、
下に来てたった1日でここにいるんだから!!」
「何!!」
エストの言葉に、周りにいたレーサーも顔を向ける
ジョー 「なるほどな…… 一体、下で何をした?
いや…… ここで過去を聞くのはタブーだったな…
面白いよ…… 君とはまた、会えそうな気がする。
では、また会おう、クラウド君。」
エスト 「じゃあ私はチョコボの手配をしてくるわ。
しばらくここで待っててね。すぐ、戻ってくるから。」
こうしてエストはチョコボを手配しに行った
ジョー-チョコボレースのトップを走る最強のレーサー。カウボーイの格好をし、
真っ黒いチョコボ-トウホウフハイを駆る姿は誰も追いつけないと言う。
しばらくしてアナウンスが鳴り響いた
「間もなく、レースがスタートします。次のレースに出場の
チョコボレーサーはパドックまでお越し下さい。
繰り返します……」
レーサー達は席を立ち、パドックへと向かっていく
エスト 「クラウド。はい、お待たせ。クラウドも次のレースに登録して
おいたわ。まぁ、私が用意したチョコボなんだから、
簡単には負けないわよ。それじゃあ、頑張ってきてね。」
こうしてクラウドはコレルプリズンから出るべく
チョコボレースへと挑むのであった……
仮想の空間にて開催される夢のレースーチョコボレース
チョコボとは元々野生の大型で、飛ぶ事が出来ない鳥である
しかし走力は抜群でトップスピードは車に勝るとも劣らないと言われる
チョコボの大きさは人が乗れるくらいあり
これにまたがってゴールドソーサーに設置された
仮想空間で行われるチョコボレースは毎回大好評という
クラウドは不慣れな騎乗ではあったが
持ち前の運動神経と勘で何とか勝利を収める事が出来た
エスト 「おめでとう!! これで晴れて自由の身よ。あっ、そうだ。
これ園長からの手紙。勝ったら渡すようにって。」
渡された手紙には……
ディオ 『少年なら自らの力で、勝利を手に入れこの手紙を読んでくれて
いると信じている。ダインの事はエスト君から聞いた。
少年が勝つ事が出来たなら私の権限で、君の仲間の自由も
約束しよう。おっと、お詫びと言っては何だが、プレゼントを
用意した。旅の役に立ててくれたまえ。
これでも、多忙な身の上。手紙という形で失礼した。では。
ディオちゃん より。』
クラウド「プレゼント?」
と、その時PHSが鳴り出した
エアリス「クラウド!? ね、凄いのよ! 今ね、園長の使いとか言う人が
来て『バギー』を置いていったの。これがあれば砂漠も川も
楽々よ。じゃ、クラウド。外で待ってるね。」
何と、ディオ園長は凄い物をくれたのだ!
クラウド(ん? 手紙に続きがある。)
ディオ 『P.S.
この間、私はセフィロスに会ったぞ。少年達の年代では、
彼のファンもいるだろう。サインでも貰ったらどうだ?
彼は、ここから南の川を越えてゴンガガエリアに
向かったようだぞ。』
クラウド「セフィロス……」
エスト 「じゃあ、お別れね。」
バギー-ディオ園長所有のバギー。その性能は浅瀬を渡り、砂漠を越える事が可能。
スピードはあまりないが、それに有り余るパワーを秘めている。
こうして外に出てみると立派なバギーがあった
クラウド達はこれで砂漠を越え、南の川を越えて
セフィロスが向かったというゴンガガへと向かった
魔晄炉があった、ジャングルに潜む村-ゴンガガ
神羅が魔晄炉を建設した村であったが、数年前事故を起こし
村人達の多くが犠牲となった村である。
神羅はその事故に対しては巧妙な情報操作を行ったため
他にはあまりその状況は伝わってはいないが
その悲惨さは今も村に残された傷跡が物語っている
村に入ろうとすると
ゴンガガ クラウド「……誰かいる。」
そこにはあの黒服の男達-タークスがいた
レノ 「なあ、ルード。あんた、誰がいいんだ?
何赤くなってるのかな、と。ん? 誰がいいのかな?」
ルード 「………………ティファ。」
レノ 「な、なるほど…… と。辛いところだな、あんたも。
しかし、イリーナも可哀想にな。あいつ、あんたの事……」
ルード 「いや、あいつはツォンさんだ。」
レノ 「そりゃ初耳だな、と。だってツォンさんはあの古代種……」
クラウド「あいつら何の話してるんだ?」
イリーナ「ホント、くだらない! 先輩達、いつでも誰が好きとか嫌いとか
そんな話ばっかりなんですよ。ツォンさんは別ですけど。
あ! いけない!」
イリーナは突然思い出したかのように
イリーナ「先輩達! 来ました! あの人達、ホントに来ましたよ!」
レノ 「そうか…… 出番だな、と。ルード……
あの娘がいても手を抜くなよ、と。」
ルード 「……仕事はちゃんとやるさ。」
イリーナ「じゃ、先輩達。後はよろしくお願いします。
私はツォンさんに報告に行きま~す!」
レノ 「久しぶりだな、と。七番街の借りを返すぞ、と。」
クラウド「邪魔だ…… 何処か行け。」
レノ 「なめられるのは嫌いだな、と。」
ルード 「これ以上、先には進ませない。」
タークスが襲ってきた
しかしクラウド達の攻撃に
レノ 「逃げるが勝ちだぞっと。」
ルード 「………………」
あっさりと逃げ去っていった
エアリス「……どうしてわかったのかな? 私達、ここに来る事。」
クラウド「尾行されたか…… いや、そんな気配はなかった。
と言う事は……」
ティファ「スパイ!? ……まさか。」
クラウド「スパイがいるなんて考えたくもない……
俺はみんなを信じるよ。」
ところで、この村には魔晄炉があったのだが
数年前、コレルと同じように事故を起こしそのままになっていたのだ
クラウド「壊れた魔晄炉……」
そこに神羅のヘリコプターがやってきた
中から出てきたのは
クラウド「神羅の兵器開発部部長スカーレットのお出ましか。」
身を隠すクラウド
スカーレットはタークスのリーダー、ツォンを引き連れ
何やら調査に来たようである
スカーレット「……フンッ! ここもダメだわ。チンケな魔晄炉には
チンケなマテリアしかないみたいね。ここの魔晄炉は
失格ねえ。私が捜してるのはビッグでラージでヒュージな
マテリアなのよ。あなた知らない?」
ツォン 「……存じません。早速調査します。」
スカーレット「お願いね。それがあれば究極の兵器が作れそうなのよ。」
ツォン 「それは楽しみですね。」
スカーレット「宝条がいなくなったおかげで私の兵器開発部に予算が
た~っぷりとまわってくるの。」
ツォン 「羨ましい限りです。」
スカーレット「でもね、せっかく完璧な兵器を造ってもあのバカの
ハイデッカーに使いこなせるのかしら。」
ツォン 「…………」
スカーレット「あら、ごめんなさい! ハイデッカーは
あなたの上司だったわね! キャハハハハ!」
ツォン 「…………」
スカーレット「行きましょ!」
クラウド「ビッグでラージでヒュージなマテリア? 究極の兵器?
完璧な兵器? 神羅め、今度は何を始めるつもりなんだ……」
悩むクラウドの前で、ヘリコプターは飛んでいった
Transcript from: http://members2.jcom.home.ne.jp/ffstory/ff/index.html
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