さて、近くに大きな砦があった
古びた魔晄炉に巣を作り、卵を温めるコンドルの住む山-コンドルフォート
既に廃用となった魔晄炉にコンドルが住み着いたのは少し前の事であった
そして卵を温め始める……
その山に住む人々はコンドルの営みを静かに見守っていたが
神羅が魔晄炉に出来たマテリアを回収しようとして
コンドルとそこに住む人々の排除のため、軍を派遣してきたのだ
以来この山の男と神羅軍との間で戦闘が繰り広げられている
コンドルフォート
男 「ここは長い間神羅軍と闘ってきた戦場。今もじっくりと腰を
据えて彼らと闘っている。もしあんたらの旅に余裕が
あるならば我々に協力してくれ。でも無理にとは言わん。
急ぎの用があるのならそちらを済ましてからの方が
良いだろう。」
クラウド「ジュノンの街は何処にある?」
男 「そうか… ジュノンの街はここを海沿いに北へ、ずっと行った
ところだ。小高い丘の影になっているから気を付けてな。」
クラウド「協力してもいいが」
男 「そうか! それなら上に登って詳しい話を聞いてくれ。」
山の中は洞窟上になっていた
途中、リーダーらしき老人がいた
老人 「ほう、珍しいな。こんなところまで登ってくるとはな。
……変わった目をしているな。まあ、関係ないか。
ここはもうすぐ神羅との戦場になる。
巻き添えにならないうちに、降りなさい。」
ティファ「神羅ですって?」
バレット「神羅だって? こんなところへ何しに来るんだ。」
エアリス「どういう事? 戦場って。」
レッドXIII「神羅か……」
ユフィ「ここも、神羅かよ。」
老人 「あなた方も、神羅とは何かあるらしいな。せっかく、ここまで
登ってきたんだ。ちょっとだけ話を聞いていかないか?」
クラウド「…… いいだろう。」
老人 「この山の上に何が乗っているかわかるかな?」
バレット「ん? 何かあったか?」
エアリス「おっきな、鳥さん。」
クラウド「魔晄炉と、コンドルだな。」
老人 「確かに、山の上にあるのはコンドルと魔晄炉だ。神羅は、
魔晄炉の上にコンドルがいる事が気に食わないらしい。」
エアリス「ど~して?」
ティファ「魔晄炉の上にコンドルがいちゃダメなのかしら?」
バレット「ちょっと大きな鳥だろ?
何でまた武力まで使って排除しようとするんだ?」
レッドXIII「理由がわからないな。」
ユフィ「きっと、魔晄炉の中にすんごいマテリアでも
あるんじゃない?」
老人 「どうやら、この上の魔晄炉には何やら、特別なマテリアが
あるらしい。そこへコンドルが来たので神羅は、慌てて軍を
送ってきた。軍の目的は、コンドルとこの山に住む私達の
排除だ。今、コンドルは、数年に一度しか生まない卵を
温めている。私達は、神羅の手からコンドルの営みを
守ってやりたい。」
クラウド「新しい命か……」
バレット「オレがやってやるぜ! 神羅から守ってやるぜ!」
ティファ「コンドルの卵、生命の営み、星の命、守らなくちゃ。」
エアリス「コンドルの卵、守らないと、ね?」
レッドXIII「卵を守るために魔晄炉を守るのか…」
ユフィ「特別なマテリアか、へへへ、面白そうだね。」
老人 「残念ながら、私達には直接、神羅と戦うだけの能力はない。
兵を雇って、一緒に戦ってもらっている。
どうだろう、一緒に戦ってもらえないか?」
クラウド「……」
ティファ「クラウド……」
エアリス「クラウド、何、迷ってるの?」
バレット「何を迷う! オレ達がやるんだよ!」
レッドXIII「どうするかは君が決めたまえ。」
ユフィ「上手い事いきゃその特別なマテリアってのを拝めるかもよ。」
クラウド「…… わかった。」
ティファ「クラウド、ありがとう。」
エアリス「そうよね。頑張りましょ。」
バレット「おうよ! オレ達が何とかするぜ。」
レッドXIII「わかった。協力しよう。」
ユフィ「よ~っし。マテリアゲットね。」
山の頂上付近には、先程の男がいた
男 「引き受けてくれてありがとう。あんた達も見るかい?」
クラウド「何をだ?」
男 「コンドルだよ。でっかいぜ。いいから見て見ろよ。」
山の頂上では巨大なコンドルが卵を一心不乱に温めている姿があった
男 「どうだい? 凄いだろ。」
クラウド達はこの偉大なる自然の摂理に目を奪われ
そして改めて守ってやると誓った
幸いまだ神羅は攻めて来る気配は見受けられなかったので
セフィロスを追い、ジュノンへと向かう事にした
かつては有数の漁村であったが、神羅の要塞と化してしまった街-ジュノン
海に面し交通の便の良さから漁村の上に神羅が次々と要塞を築き上げ
その汚染ですっかり漁業が寂れてしまったのだ
神羅はここに空港、港、そして海底魔晄炉
さらに海に面する巨大な大砲などを擁し、軍事面での砦である。
ここでは元々の漁村をアンダージュノン
そして大砲を境に右の街がアルジュノン、左がエルジュノンと呼ばれている
アンダージュノン
クラウド「何だ、この村は? やけに寂れているな……」
クラウド達は着くとやけに寂れた状況に驚いた
どうやら上に建造されたジュノンの街のため
この村の漁業がダメージを受けているらしい
海岸に行ってみると確かに上の街を支える柱が縦横無尽に立ち並び
漁業など出来る場所もない
と、波打ち際に女の子が戯れている姿が映った
「ねぇ~! イルカさ~ん!!
私の名前はね、プ~リ~シ~ラ! ハイ、言ってみて。」
少女はクラウドに気付くと
プリシラ「あなた達誰なの? もしかして神羅の人間!?」
エアリス「違うの! 私達、神羅とは無関係なのよ。」
ティファ「違うわ、安心して。」
クラウド「……と言う訳なんだ。」
プリシラ「信用出来ないわ! ここから出ていって。」
クラウド「参ったな……」
その時!!
エアリス「あれは何っ!?」
ユフィ「おわっ、大変だ!」
プリシラ「イルカさんが、危ない!」
海から巨大なモンスターがイルカに襲いかかる!!
慌ててプリシラがイルカに近寄るが、逆に弾き飛ばされてしまう!!
クラウド「おい、助けるぞ!」
クラウド達は何とか倒したが
プリシラの意識は戻らない
クラウド「参ったな… もしかして死んでしまったのか?」
クラウドがどうしていいかわからずにいると
「プリシラ!!」
プリシラの祖父が驚いて飛んでくる!!
「ダメだわい…… 呼吸しとらん…… オッ、あれじゃ!
若いの、人工呼吸じゃ!!」
クラウド「人工呼吸って!?」
ティファ「クラウド、どうするの?」
クラウド「あ、いや、あの、女の子だし……」
エアリス「クラウド、早くっ!」
ユフィ「クラウド、やれ~っ!」
「何だ? 知らんのか~?
教えてやるから、こっちに来なさい。」
クラウド「……仕方ない。」
「とにかく息を大きく吸い込んで限界までに息を止める。
そして、その息を口移しするのじゃ。早くするんじゃ!」
クラウドは言われたとおり一生懸命人工呼吸をした
その甲斐あって何とかプリシラは意識を取り戻した
プリシラ「う、う~ん。」
「ほほっ! 大丈夫かプリシラ?」
老人はプリシラを抱えて走っていく
プリシラ-アンダージュノンに住む幼い女の子。
近くの海岸に棲むイルカが唯一の友達である。
神羅に対しては何か毛嫌いするものがあるらしく、
見知らぬ人には警戒心が強くなる。
クラウドのファーストキスを奪った張本人でもあり、
以後クラウドに対して好意を寄せ始める。
後を追っていくと、老人はプリシラを寝かしつけたらしく
「すまんな、クラウド君。
プリシラは、少し休ませなくちゃいかんのじゃ。」
そしてプリシラの祖母が声を掛けてきた
「ちょっと、お入り。」
プリシラの祖母は家にクラウド達を入れると
「話は聞いたよ。プリシラが世話になったね。
あんた達も疲れただろ? 休むんならここを使っておくれ。
ゆっくりしていっておくれ。」
ティファ「休んでく?」
クラウド「そうだな…… ひと休みしよう。」
せっかくの機会なのでこの家で休ませてもらった
さすがに疲れていたらしく、すぐに眠りに就いたが
また、例の声が聞こえてきた……
『……そう言えば。』
クラウド「また、あんたか? ……あんた誰だ?」
『……そのうちわかるさ。 ……それより5年前。』
クラウド「5年前…… ニブルヘイム?」
『あの時…… ニブル山に行った時、
ティファがガイドだったよな。』
クラウド「ああ…… 驚いたな。」
『でも、それ以外、ティファは何処にいたんだろう?』
クラウド「……さあな。」
『せっかく久しぶりに会えるチャンスだったのに。』
クラウド「……そうだな。」
『どうしてふたりきりで会えなかったんだろう?』
クラウド「……わからない。はっきり覚えてないから……」
『なあ、ティファに聞いてみろよ。』
クラウド「……ああ。」
『さあ、起きろ!』
「ねえ、起きて。起きてったら、クラウド!」
いつの間にかティファがクラウドを起こしていた
クラウド「ティファ…… 俺とセフィロスがニブルヘイムに行った時、
ティファは何処にいた?」
ティファ「……会ったでしょ?」
クラウド「それ以外の時間だ。」
ティファ「う~ん…… 5年前なのよ。覚えてないわ。
ね、それより外の様子が変なの。早く来て、クラウド。」
ティファに連れられて外に出ると、既にみんなが集まっていた
そして村の上、ジュノンの方では何やら騒がしい音が響いてくる
ティファ「ねっ、何だか様子が変でしょ? 急に、騒がしくなって。」
バレット「何だか上の方が騒がしいな。」
レッドXIII「この騒がしさは神羅と何か関係があるのかもな?」
ユフィ「何だい、この音楽は? うるさくって頭に来るよ!
エアリス「女の子が目を覚ましたらしいの。」
クラウドがプリシラの家に目をやると、プリシラが姿を現した
クラウド「もう、大丈夫なのか?」
プリシラ「あのぅ…… 助けてくれてありがとう……
神羅の奴らと間違えちゃってごめんね……」
クラウド「構わないよ。」
バレット「この音楽は何だ? 随分賑やかじゃねえか。」
プリシラ「これは神羅の新しい社長の歓迎式のリハーサルだと思う。」
バレット「ルーファウス!? これは挨拶に行かなくちゃな。」
プリシラ「ここはね、じいちゃんばあちゃんが、子供の頃にはとても
綺麗な海岸だったって。でも神羅が上の街を造ってから
日も当たらなくなっちゃったし、海も汚れちゃって……
そんな話を聞いて育ったから私、
神羅が憎らしくてしょうがないの。」
エアリス「ルーファウスもここから海を越えるつもりなのかな? あれっ?
それじゃ、セフィロスはもう、海を渡っちゃったって事?」
レッドXIII「クラウドよ、ルーファウスに止めを刺さなかったのか?」
バレット「何とかして上の街に行きてぇな。柱でもよじ登るか?」
プリシラ「ダメダメ! 柱の下は高圧電流が流れてるの。無闇に近づいたら
危険よ。でも…… イルカさんの力を借りれば何とかなるかな。
ちょっと来て。」
プリシラは海岸へ走っていく
ティファ「高圧電流の柱ねぇ……
こういう事は、クラウドが上手くやってくれるのよね。」
エアリス「そうね、あの子の事はクラウドに任せましょ!」
レッドXIII「任せたぞ、クラウド。」
クラウド「オッ、オイ! ちょっと、待てよ!」
女性陣はクラウドのファーストキスに嫉妬でもしたのか
クラウドに危険な役をやらせようとする
クラウドは仕方なく海岸に行くとプリシラが待っていた
プリシラ「お兄ちゃん、ちょっと見ていて。」
プリシラは持っていた笛を吹くとイルカがその音に合わせてジャンプする
バレット「見せてもらったぜ、イルカのジャンプ。
凄いもんじゃねぇか!」
プリシラ「凄いでしょ!
このホイッスルを吹くとイルカさんがジャンプしてくれるの。
ハイ! ホイッスルをお兄ちゃんにプレゼント。」
クラウド「プ、プレゼントって…… どうしろって言うんだ!?」
プリシラ「海に入ってホイッスルを吹くとイルカさんが柱の上まで
ジャンプさせてくれるわ!」
クラウド「柱の上までジャンプだって!?」
プリシラ「柱の上の方に、棒が突き出ているの。位置を合わせてジャンプ
すれば棒に乗って、上の街まで上れる筈よ。」
バレット「クラウド、頑張れよ! お前が上手くやったらオレ達も
行くからよ! おっと、それにPHSを預かっておいたぜ。
濡れたら壊れるからな。」
プリシラ「イルカさんとジャンプしてみる?」
クラウド「やってみる。」
こうしてクラウドはイルカとジャンプする事により
上の街-ジュノンに着く事が出来た
着いたところは、ジュノンの特徴である巨大砲の右側に位置している事から
アルジュノンと呼ばれているところである
クラウドはエアポートに来たらしく、巨大な飛空艇が目に映った
そしてその脇を抜け、街に入っていった
ジュノン 神羅兵 「エホッ! エホッ!」
神羅兵 「新社長っ!! 歓迎っ歓迎っ!!」
神羅兵 「急げっ! 急げっ!!」
エアポートから入ったところは神羅兵の兵舎であった
ルーファウスがもうすぐ到着するらしく、兵士は急いで持ち場に走っている
そこに、隊長らしき者がクラウドの姿を見つけ……
隊長 「こらっ! ま~だ、そんな格好をしているのか!
こっちゃ来い! ほれっ!! 部屋に入らんかっ!」
どうやらクラウドの事を兵士と間違えたらしい
隊長は、クラウドを控え室に連れていくと
控え室 隊長 「今日は新社長ルーファウス様をお迎えする
大切な日だってのに! ほらっ、着替えろ!
制服はロッカーに入ってる。早く着替えろ!」
クラウド「神羅兵の制服だ。 懐かしいな…」
隊長 「無駄口叩くな! はよせいっ!」
クラウド「神羅の制服か… 初めて袖を通したとき誇らしく思ったっけ。
いつからだったか…
こいつを着るのがたまらなく嫌になったのは。」
クラウドは懐かしながらも着替えると
隊長 「ほ~う! 似合っとるじゃないか!
お前、お迎えの仕方は覚えてるだろうな!
……忘れたって顔だな。しょうがない! 教えちゃる!
自分と同じようにやるんだぞ。」
突然、親切な神羅兵が手伝いにやってきた
神羅兵 「隊長!! 自分らが手伝うであります!」
神羅兵 「見本であります!」
神羅兵 「歌うであります!」
隊長 「おうっ! 見せてやれぃ!!」
神羅兵 「まずは行進!! 歓迎パレードであります!」
神羅兵 「ではっ! 自分の歌声に合わせるであります!
静粛に~!! ア~ッ~! ア~ッ~! こりゃこりゃ!
さんはいっ!
ル~ファウス~
ル~ファウス神羅~
わ~れらが~ 神羅カンパニ~
あ~たらしい社長~
おっ~ おっ~ 神羅~
おっ~ おおっ~ 神羅カンパニ~
ニュ~エイジ~ 時代を築く~
ルーファウス新社長~
おっ~ おっ~ 神羅~
おっ~ おおっ~ 神羅カンパニ~
ニュ~エイジ~ 時代を創る~
これからも、神羅がいちばん~」
神羅兵 「行進始め~!! おいっちにっ! いっちにっ!
隣の兵士と歩調を合わせて厳かに勇ましく歩くであります!
みんなの歩調が合ったら銃を掲げるであります!」
隊長 「わかったか!」
クラウド「完璧です!」
隊長 「よろしい! 本番でも頑張るんだぞ!」
神羅兵 「ルーファウス様、到着です! 準備完了です!」
隊長 「さあ、本番だ! 失礼のないようにな!」
何故かルーファウスの歓迎パレードに参加させられる事になったクラウド……
神羅兵 「歓迎パレード、開始します!!」
こうして歓迎パレードが始まった!!
ルーファウスはオープンカーでジュノンの街の人々に手を振り
盛大なパレードが街を包む
しかし……
隊長 「いか~ん!! 誰もおら~ん。 遅刻した~!?
こらっ! 新入り!! お前がもたもたすっから!!」
神羅兵 「隊長!! 近道するであります!」
隊長 「うむ! それはいい作戦だ。こっちゃ来い!!
よしっ! 先行けっ!」
近道すると、ちょうどパレードが通過するところであった
神羅兵 「まずは、自分が行くであります! 新入りさんは、
よ~く見て自分の真似をすればいいでありますよ!
後ろから、サササッとパレードの空いている場所に
忍び込むであります!」
隊長 「いいか! このパレードは全世界の神羅TVに生中継されて
おる! 無様な格好をさらせばジュノン軍隊全体の恥とな~る。
そこんとこ、肝に命じて行動せい!
んだば!! 自分が合図したら列に忍び込~め! さり気なく、
後ろから! 列を乱すな! 前から行こうとしてもダ~メだぞ!
よしっ!! 駆け足準備!! とっつげき~!!
それっ!! 1……!
それっ!! 2……!
それっ!! 3……!
それっ!! 4……!
それっ!! 5……!
それっ!! 6……!
それっ!! 7……!
それっ!! 8……!
それっ!! 9……!」
クラウドは隊長の命令通り必死に頑張った
一方、それを見ていた裏方の人間は……
TV番組プロデューサー「何だったんだ!? あの兵士は?」
AD 「さあ?」
TV番組プロデューサー「数字は上がったのか?」
AD 「最高です!!」
TV番組プロデューサー「でかした!
あの兵士宛に心付けでも送ってけ。」
さて、パレードも無事に済み
クラウド達はルーファウスのいる場所まで何とか辿り着いた
そこにはルーファウスとハイデッカーの姿がある……
隊長 「うっし! 間に合った。おっおっ! ルーファウス様!
ほれ! 静かに並んどれ! 1歩たりとも動くなよ!」
ルーファウス「ご苦労。飛空艇はどうしたんだ?」
ハイデッカー「大陸間移動可能な飛空艇はまだ準備中なんですよ。
もう3日待っていただければ。ガハハハハハ!」
ルーファウス「空軍のゲルニカもか?」
ハイデッカー「……ガハハハハハ!」
ルーファウス「その笑い方はやめろ。
もう親父の時のようにはいかないからな。」
ハイデッカー「ガハ……」
ルーファウス「船の準備はいいのか?」
ハイデッカー「それはすぐに、はい。」
ルーファウスはその言葉を聞くとすぐに船に向かっていった
ハイデッカーは面子まる潰れのようで
クラウド扮する兵士に向かって殴り掛かっていく
ハイデッカー「こらっ!」
そして急いでルーファウスを追いかけていった
クラウドは何故殴られたのかよくわからなかったが
神羅兵 「災難だったな。」
神羅兵 「ハイデッカーはイライラしているからな。」
神羅兵 「黒マントの男が街を彷徨いてるのに発見出来ないんだ。」
クラウド「黒マントの男?」
神羅兵 「2、3日前に現れたんだ。
そいつに兵士達が何人か殺されてなぁ。」
神羅兵 「その後、行方不明さ。あの英雄セフィロスだって噂だぜ。」
隊長 「こら~っ! 速やかに解散せ~っ!」
兵士達は指定の持ち場に去っていくがクラウドはどうしていいかわからないでいると
隊長 「おいっ! お前っ! 軍隊をなめとるんか?」
クラウド「興味ないね。」
隊長 「たるんどる!! お前は休み時間な~し!!
こっちゃ来~い!」
クラウドは再び兵士控え室に連れてこられた
控え室 隊長 「軍隊をなめちょるな!! 本日!!
次の指令は港でルーファウス様のお見送りだっ!
時間まで、みっ~ちり指導しちゃる!」
神羅兵 「手伝うであります!」
神羅兵 「同じくであります!」
隊長 「よ~っし!! 自分の号令に合わせてお見送りの決めポーズを
するのだ! 本日の号令はフォーメーション名になっちょる!
よっ~く、覚えとけっ! それでは行くぞっ!
ジュノン軍隊式お見送り始め! サークル!」
神羅兵 「おっす!!」
隊長 「トライアングル!」
神羅兵 「おっす!!」
隊長 「スクウェア!」
神羅兵 「おっす!!」
隊長 「クロス!」
神羅兵 「おっす!!」
隊長 「レフトターン!」
神羅兵 「おっす!!」
隊長 「ライトターン!」
神羅兵 「おっす!!」
隊長 「うっし! お前もやってみそ!」
クラウドは何故このような事をやっているのだろうと思いながらも頑張ってみた
隊長 「どうだ! わかったか?」
クラウド「完璧であります!」
隊長 「よ~し! 本番でも頑張んだぞっ!」
神羅兵 「隊長!! 本日のスペシャルポーズは?」
隊長 「んっ? ……決めてない。よしっ!、新入り!! 特別にお前に
決めさせてやる! 得意の決めポーズ、やってみろ!」
クラウド「そうだな… 俺の得意なのは。」
クラウドはいつも戦いの後にやる、剣を振り回すポーズをしてみた
神羅兵 「おおっ~!」
神羅兵 「かっこいいであります!」
隊長 「よしっ!! 本日のスペシャルはこれに決まり!
よ~くっ! 練習しとけっ!」
神羅兵 「はっ!!」
神羅兵 「はっ!!」
隊長 「では! 港に集合!! 遅れるな~!! すわっ! 解散っ!!」
クラウドは隊長達を追って港に向かった
アルジュノンを抜け、エルジュノンに行くと
途中の宿屋で見た顔があった…
ミッドガルの列車にいた神羅課長の姿である
神羅課長「全くけしからんよ!
出張先は豪華ホテルだって聞いてたのに…」
神羅課長-表向きはエリートコースで頑張っているやり手の課長。しかしその実体は
会社にいいように使われている哀れなサラリーマンである。
ストレスも相当溜まっているようで、
いつかブチ切れるのではないだろうか。
どうやら会社の不手際に腹を立てているらしい
さて、港に着くと
隊長 「よ~し、時間だっ! 整列っ~!」
神羅兵 「ルーファウス…… 様、到着よ!」
気のせいか…… 今の神羅兵の声…… どこかで聞いたような……
それに…… 何か女性の声だったような……
一瞬そんな気がしたが、ルーファウスが入ってきたためすぐにポーズに集中した
隊長 「いざっ本番!! ジュノン軍隊式お見送り~!
軍人らし~く、元気良~く、さんはいっ!」
隊長のかけ声に合わせ、きちっとポーズを決めるクラウド
と、向こうの物陰に褐色の獣らしき姿が……
あいつは確か…… と考えている時、隊長の声が高くなる
隊長 「すわっ! 最後は決めるぞ!! スペシャ~ル!!」
慌てて得意のポーズを決めるクラウド
ルーファウス「楽しませてもらった。今後も頑張ってくれたまえ。」
ハイデッカー「ガハハハハハ!! 特別ボーナスだぞ、お前ら!!
ルーファウス社長のご好意だ! 肝に命じとけ!」
ルーファウス「セフィロスがここに来たという噂が広まれば
クラウド達も現れる筈だ。」
ハイデッカー「見つけ次第捻り潰します!」
ルーファウス「邪魔をされてはかなわんからな。」
ハイデッカー「お任せ下さい! ガハハハハハ!」
ルーファウス「やめろと言った筈だが……」
ハイデッカー「ガハ……」
ルーファウスが先に船に入ると、ハイデッカーは叱られた怒りをあらわにした
そして船に走り込むと隊長を始めとした神羅兵はやれやれと肩をなで下ろす
隊長 「よーしっ! 解散!」
神羅兵 「危なかったな。」
神羅兵 「ハイデッカーはイライラしてるからな。」
神羅兵 「何でも本社の宝条が会社を辞めると言い残して
行方不明になったらしいんだ。」
神羅兵 「ハイデッカーはその捜索も任されたらしいからな。」
隊長 「こらーっ! 解散だと言っとろうが~!」
神羅兵は一斉に持ち場に戻っていく
ただひとり、先程の聞き覚えのある女性の声をした神羅兵は
その隙に船に忍び込んでいくのが見えた
あれは…… まさか……
と考えていると
隊長 「後片付けが残っちょる! はよせいよ!」
そう言って隊長も持ち場に戻っていく
クラウドは何を片付けるのだろうと考えていると
先程見えた褐色の獣がこちらを呼び止める
レッドXIII「おい、急げ。後はお前だけだ。」
クラウド「どうやって来たんだ?」
レッドXIII「イルカに乗せてもらった。お前が柱を登った後、
プリシラが思い付いたんだ。悪く思うな。」
クラウドはやれやれと思いながら急いで船に乗り込んだ
クラウド「俺達は新たな大陸に向け、海を渡る。
神羅の軍服に包まれながら……」
こうしてクラウド達を乗せた運搬船は出航した
クラウドはさてどうした物かと思案していると、ひとりの兵士が近寄ってくる
その兵士は意外な言葉をクラウドに囁いた
運搬船 「フフフ…… 私。エアリスよ。ね、クラウド。
ジュノンで飛空艇、見た?」
クラウド「……噂には聞いていたけどあれほど大きいとは
思ってなかったな。」
エアリス「すっごいよね~ ね、私、あれに乗れるかな?」
クラウド「いつか俺が乗せてやるよ。……期待しててくれ。」
エアリス「うわ~! 楽しみにしてるからね! 一緒に乗ろうね、飛空艇。
約束、約束!」
そして、気分の悪そうな船員もいる
ユフィ「ウ~…… これだから…… 船はイヤなんだ。
ちょっとクラウド。『鎮静剤』持ってないの?」
クラウド「ホラ、使えよ。」
ユフィ「ありがと…… うえ~、苦い。
他の連中? さあ、その辺に隠れてんじゃないの?
そんなのアタシが知ってるわけ…… ウ…… プ……」
そして甲板に上がるとちょっと胸が目立つ兵士がいる
「ハッ! 異常無しであります。ソルジャー殿!
なーんて。わかる? ティファよ。どう、ビックリした?
……でも、ホントはね。こんな軍服嫌い。軍服も、兵隊も、
戦争もみんなみんな嫌い。大切な物を、大切な人をみんなから
奪ってしまうから…… 早く、無くなるといいね。
ね、クラウド。」
クラウド「ああ……」
ティファ「うん、そうだよね! それでは、張り切って見張りを
続けるであります! フフフ……」
また、何故かフラフラしている兵士もいる
「………… ……私だ。レッドXIIIだ。
ちょっとフラフラするが、何、ばれる事は無いだろう。
人間というものは大抵、物事の外側しか見ないからな。
この服を着るだけで何処から見ても立派な人間だろう?
二本足で立つのも難しいものだな……」
さて、後残るはバレットの姿だが
エアリス「ね、クラウド。バレット見なかった?
無茶な事、ひとりでしてなきゃいいけど……」
クラウドはバレットを捜して船先に行くと
でかい図体をした水兵が操縦席を覗いている
それは、セーラー服を身にまとっているバレットだ
バレット「見ろよ、クラウド。ルーファウスとハイデッカーだぜ。
こんなに近くにいるってのに手が出せねえなんて……
ウヌヌ…… グヌヌヌ…… 何だあのヤロ……
呑気にガハガハガハガハ笑いやがって……
あいつらのせいでビッグスは…… ウェッジは……
ジェシーは……! ウヌヌ…… グヌヌヌ……!
グヌヌヌヌ……!! ガ~ッ!! 我慢出来ねえぜ!
いっその事、ここで一気に片を付け……」
と、その時緊急放送が入ってきた
「緊急連絡!
不審人物を発見の報告有り! 作業のない各員は艦内を調査。
発見次第通報の事!
繰り返す。
不審人物を発見の報告有り! 作業のない各員は艦内を調査。
発見次第通報の事!」
バレット「しまった、見つかったか!? いや、オレ達じゃねえようだ。
となると…… ティファ達か!? こうしちゃいられねえ。
行こうぜ、クラウド!」
クラウドとバレットが甲板に向かうと
ティファ「みんな大丈夫!?」
バレット「大丈夫か!?」
エアリス「あれ?」
ティファ「みんないる…… わね。」
バレット「待てよオイ。て事は不審人物ってのはまさか……」
「セフィロス!?」
思わず全員で叫んだ!
ティファ「本当なの!?」
バレット「オレだってわからねえよ!」
クラウド「……確かめよう。」
レッドXIII「それが最も論理的な行動だな。さて、誰が行く?」
ユフィ「ア、アタシはいいよ、別に。セフィロスとかって興味ないし。
それに…… ウ…… ウプ……」
クラウド「………… セフィロスが…… ……よし、行こう!」
クラウド達は船底に行くと、人が倒れている
「……機関室に…… 不審…… 人物…… いや…… 違…… う……
あれ…… 人間じゃ…… 人間なんかじゃ…… な……」
そして機関室には
クラウド「セフィロス…… なのか?」
クラウドが声を掛けた人物はこちらを向くと倒れた
クラウド「違う…… セフィロスじゃない!」
「……長き眠りを経て…… ……時は…… 時は…… 満ちた……」
ユフィ「あ…… あれ、あそこ!!」
バレット「見ろクラウド!!」
ティファ「クラウド、あれ!!」
クラウドの目の前にセフィロスの姿が浮かび上がった
クラウド「セフィロス! 生きていたんだな!」
セフィロス「…………誰だ。」
クラウド「俺を忘れたっていうのか! 俺はクラウドだ!」
セフィロス「クラウド……」
クラウド「セフィロス! 何を考えている! 何をするつもりだ!」
セフィロス「……時は…… 満ちた……」
クラウド「何!? 何を言ってるんだ!? もっと……」
突然、セフィロスが浮かび上がりクラウド達に体当たりをかます!!
そしてそこに残された物体が襲いかかる!!
クラウドは必死に戦うとその物体は小さくなって蠢いていた
エアリス「これ、見た事あるね……」
レッドXIII「これは神羅ビルから消えた……」
クラウド「……ジェノバだ。ジェノバの腕だ。」
ユフィ「ウエ…… ただでさえ気持ち悪いのにこんなもん
見せられるなんて……」
ティファ「ジェノバ…… こんな物を持ち歩いていたの?」
クラウド「やっぱりセフィロスだった。」
エアリス「時は満ちた…… そんな事言ってたね。」
クラウド「……時は ……満ちた?」
ティファ「こんがらがってきちゃった……
クラウド、今までのところをまとめてみてよ。」
クラウド「……やってみるから、途中で口を挟まないでくれよ。
セフィロスはこの星の支配者になるために約束の地を目指すと
言い残し姿を消した…… それが5年前だ。
そのセフィロスが現れ、プレジデント神羅を殺した。
俺達はたった今セフィロスと会った。そしてセフィロスは
ジェノバを持ち歩いている。……これはわかる。
あいつの目的は母なるジェノバと共に約束の地へ、だからな。
……大体そんなところだな。」
「操作作業員。コスタ・デ・ソル入港5分前。
接岸準備を開始せよ。」
船内放送が鳴り響く……
ユフィ「ホッ…… やっと着いた…… 早く隠れ…… ウップ。」
レッドXIII「これ以上ここにいるのは賢いとは言えないな。」
エアリス「いけない。も一度身を隠しましょ。」
クラウド「生きていた…… セフィロスが…… 約束の地……
本当にあるのか……?」
そうしているうちに船は目的地に着いた
常夏の地、コスタ・デ・ソルである
照りつける日差しと潮風が心地よいリゾート地-コスタ・デ・ソル
ここは神羅の保養所として常に賑わっている
また西の大陸の玄関口としての役割もあり
人々の行き来も多い街である
コスタ・デ・ソル クラウド達は誰もいないのを確認して下船した
バレット「カッ~!! 暑いな、ここは! だがよ、せいせいしたぜ!
これで、ちっこいセーラー服とおさらばだからな。
いいか!! こっからは一般人として行動しろ!」
エアリス「あら残念、バレットの水兵服。可愛かったのに、結構。」
バレット「……可愛いだと」
ティファ「うんうん。バレット、あのセーラー服、パジャマにしなさい。
ね、クラウドもそう思うでしょ?」
クラウド「そうだな。ああ…… マシュマロ被った熊みたいで
ぴったりだったな。」
バレット「何っ!! 余計な世話だ!
オレはこの一張羅がいちばん落ち着くんだ。」
レッドXIII「ゼェゼェ…… すまないが、少し急いでくれないか。
ここは暑い、私の赤鼻が乾いてしまう。」
ユフィ「あたしもっ!!」
クラウド「わかった。小休止の後、出発する。
あまり、遠くへは行くな。」
バレット「チッ! すっかりリーダー気取りだな。」
レッドXIII「自慢の毛並みが乱れてきたようだ。
涼しいところで休んでいるよ。」
ユフィ「捜さないでくれよっ!」
ティファ「泳ぎに行っちゃおうかな。」
エアリス「そうしよっか? んん……?
クラウド君、今何か想像しちゃったかな?
クールな顔が崩れてますよ~ さ、行こ行こ!」
こうして仲間達は一足早く休みに行った
クラウドは何をしようかと考えていると、水兵がやってきて
水兵 「邪魔しないでくれよ。ルーファウスさんが社長就任以来初の
到着なんだ。今回は珍しく仕事の用事みたいなんだけどね。
でも、羨ましいよなあ。
僕とそんなに年も変わらないのに社長だもんなあ。」
また、別の水兵が灯台のところで何やら困っていた
水兵 「参ったなあ… 神羅の課長さん、降りてこないんですよ。
出張で来てるのにねえ。仕事忘れちゃって、
遊んでばっかり。」
神羅課長「ウォォォ!!! こんな会社、辞めてやるっ!!
辞めてやるっぞう!! ハイデッカーのバカヤロウッー!!
ルーファウスのかっこつけやろうー!!
ああ、気持ちいい……」
どうやら例の神羅課長らしい
彼はかなりストレスが溜まっているようだ
さて、クラウドが港から出ていった後
ヘリコプターが港へとやってきて着陸し
下船するハイデッカーとルーファウスを待ち受けていた
水兵 「長時間の船旅、お疲れさまです!!」
ルーファウス「ウム…… ご苦労……」
ハイデッカー「ガハハハハ!! スキッフの準備を急げ!」
水兵 「ハッ!!」
ルーファウス「セフィロスが乗っていたらしいな。」
ハイデッカー「……はっ。」
ルーファウス「クラウド達も乗っていたらしいな。」
ハイデッカー「……はっ。」
ルーファウス「どちらも取り逃した…… 大失態だな、ハイデッカー君。」
ハイデッカー「面目ない…… です。」
ルーファウス「いつから返事と謝る事しか出来なくなったのだ… 君は。」
水兵 「スキッフ発信準備完了致しました!!」
ルーファウス「……何とかしたまえ。期待している。」
そう言うとルーファウスは到着していたヘリコプターで出発した
失敗を責められてイライラしていたハイデッカーは周りの水兵に八つ当たりをする
さて、クラウドが街に行くと仲間達は思い思いに羽を伸ばしていた
レッドXIIIは物陰に隠れて普通の犬のように振る舞っている
レッドXIII「ガルルル……」
ユフィは何故かマテリア屋でバイトをしていた
ユフィ「お客さん、注文はカウンターでお願いします。ああっ!!
気持ちいいっ! 一度言ってみたかったこのセリフ!
あ、クラウド! ちょっとだけ、稼がせてよ。
ここはマテリアも売ってんだ。ね、何か買ってってよ!」
ブッチ 「いやあ、バイトで可愛い娘が入ってくれたんで
大助かりです。」
店の主人もユフィの働きぶりに感心している
しかし…… ちょっと目を離した隙に
ブッチ 「やられました…… 雇ったばかりのバイトの女の子。
店の売り上げと商品のマテリアを持ってとんずら
しちゃいましたよ。世の中、上手い話は無いもんですなあ。」
さすが…… 抜け目がないユフィ
宿屋 宿屋に行くとバレットが洗面所で何やら唸っている
バレット「う~ん! んんっ~! マリ~ン! 元気かぁ…?
父ちゃん、これ着て会いに行くからなぁ。」
どうやら水兵服が結構気に入ったみたいだ
しかし、宿屋の従業員には
「あの大きな水兵さんの連れの方だろ?」
クラウド「何の事だ。どうしたんだ?」
「聞いてくれます? いきなり! 大きな水兵さんがドカドカと
やって来てトイレ占領しちまって、それっきりずっ~と、
唸ってるんだ。参っちゃうよ。はぁ……
あっ! あんたさ! 連れに、可愛い女の子がいるでしょ。
さっき、捜しに来てたけど。いいのかい? ほっといても。」
クラウドはエアリスを捜しにビーチに行くと
ビーチ エアリス「あっ! クラウド!!」
ティファ「あれ、見て!」
クラウド「ん……? あいつは宝条… あの男、宝条か?」
ティファ「ね、話つけてきてよ。」
エアリス「やな予感するね。」
宝条はビーチで水着の女性達に囲まれながら優雅に寝そべっていた
女 「あら!! 何か御用?」
クラウド「そこの男に用がある。」
女 「(何よっ、偉そうに。)
ねぇ、宝条博士~ 怖い人が、用があるって~」
宝条 「今忙しい。」
女 「……だって~ 残念でしたぁ~」
宝条 「いや、待ちたまえ。君は確か、私の記憶にある……
ああ、そうそう。思い出しましたよ。
久しぶりだなクラウド君。」
クラウド「宝条……」
宝条 「たまにはこういうのもいい物だね。」
クラウド「……何をしている。」
宝条 「見ての通りだ。日光浴。」
クラウド「真面目に答えろ!」
宝条 「ふん…… 私の目的は君と同じだと思うが。」
クラウド「セフィロスか?」
宝条 「君達は会えたのか? そうか…… ふむふむ。」
クラウド「何だ?」
宝条 「いや、ちょっとした仮説を思いついたのだが……
君は、何かに呼ばれているという感じがした事はないかな?
または、どうしてもある場所へ行かなくてはならないという
気持ちになるとか……」
クラウド「俺はセフィロスがいる場所なら何処へでも行く!
あいつを倒すために! 決着をつけるためにな!」
宝条 「なるほど…… これはイケるかもしれないな。ソルジャーか……
クックックッ。ん、私の実験のサンプルにならんか?」
クラウドがふざけるなとばかりに構えると
宝条 「ん… 何だ? 剣でも抜くか?」
レッドXIII「ゼェゼェ…… やめろ、クラウド。」
バレット「お、おいっ! こいつを殺るのはまずいんじゃねえのか?」
宝条 「クックックッ…… おや、特に君は……
古代種の娘ではないか。」
エアリス「私、エアリス。名前くらい覚えなさいよ。ねえ、宝条博士、
教えて欲しいの。私、自分が古代種なのは知ってる。
母さんに聞いたから。」
宝条 「母さん? ああ、イファルナか。元気にしてるのか?」
エアリス「知らないの? 死んじゃったよ。」
宝条 「……そうか。」
エアリス「……ねえ、博士。ジェノバは古代種なの?
セフィロスは古代種なの? 私と同じ血、流れてるの?」
宝条 「…… ボソボソ……… 西へ…………………」
エアリス「ボソボソ作戦? って事は、何か隠してる!」
宝条 「………………」
レッドXIII「ガルルル……!! ……ゼェハァ……」
ティファ「ねぇ! 答えなさいよ!!」
クラウド「……だめだ。無駄だよ。」
仕方なく宿屋に戻るとエアリスが先に休んでいた
宿屋 エアリス「フゥ…… 何だか、疲れちゃったね。わからない事、多くて…
ちょっとだけ、不安なんだ。ね、クラウド? 私の事、
どう思ってる?」
クラウド「わからないよ。どうもこうもわからないよ。」
エアリス「…………そうだよね。私もね、わからないの。自分の事。
私、どの辺が古代種なの? 古代種って何処がどうなるの?
変だよね。わからないよ… はぁ… 堂々巡り。こういうのって
答、あるのかなあ。難しいよね、いろいろ。
先に休ませてね。」
さてティファは偶然この街にいたスラムから旅立った若者ジョニーと
出会って会話に花が咲いていた
スラムから旅立ったジョニーは今では彼女も出来
ふたりはここコスタ・デ・ソルで同棲をしているのである
ティファ「そうそう! そんな事も、あったね~」
ジョニー「でさ、でさ! そん時…」
ティファ「ウフフフ!」
ジョニー「イヒヒヒ……!」
ティファ「やだ~! そうなの~」
ジョニー「そうそう。でね……」
ティファ「うんうん!」
クラウドが訪れると
ティファ「クラウド…… ごめん、今日はふたりにさせてね!
久しぶりだし、たまには息抜きもね。
あんまり遅くならないようにするから。ね、心配しないで!」
クラウド「ああ… 明日には出発だからな。」
ティファ「うん、わかった。」
ジョニー「そういう事だから…… 悪く思うなよ。」
ジョニーとティファの会話はしばらく続いていた
クラウドはちょっと嫉妬気味であった
さてひと休みした後、ビーチの再び行くと宝条の姿は既に無かった
クラウドは宝条の言っていた西に向かう事にした
Transcript from: http://members2.jcom.home.ne.jp/ffstory/ff/index.html
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