ミッドガル ケット・シー「ハイデッカーがみなさんを狙ろてますんや。
そやから外は危険です。地下を通りましょ！」
ケット・シーは地下への入り口にクラウドを誘った
既にそこには他の仲間も集まっていた
バレット「オレが言うと変だけどよ…… ミッドガルに来ると
家に帰ってきたって気がしちまうんだよな。ケッ、だぜ。」
ティファ「私達、ミッドガルの地下には詳しくなっちゃったね。」
レッドXIII「オイラ、宝条にはいろいろ恨みがあるからね！
早く行こうよ！」
ユフィ「変な匂いするよ、この街は。早くおしまいにしちゃおうよ！」
ヴィンセント「長き時が過ぎても騒動を巻き起こすのは
宝条という訳か……」
シド「おう！ サクサクッと行こうぜ！ サクサクっとよっ！」
ケット・シー「ここが入り口ですわ。ほんま、頼んます！
魔晄キャノンまで、はよう来てや！」
こうして地下から潜入する事にしたが
途中で何者かが待ち受けていた
「あ、来ちゃった！」
その声は……
イリーナ「どうするんですか、先輩！
もう、命令なんて無視していいと思うんですけど。」
レノ 「……イリーナ。甘えるなよ、と。」
ルード 「俺達はタークスだ。」
イリーナ「……わかりました。そうですよね。」
ルード 「さて…… 仕事だ。」
レノ 「あんまり気乗りはしないが、と。」
イリーナ「私達に与えられた命令はあなた達を発見次第……
……殺す事。もう会社はボロボロだけど命令は命令なの。
タークスの意地と心意気！ 受け取りなさい！」
クラウド「……」
イリーナ「な、何をしている！ 行くわよ！」
クラウドは今更彼らと関わる気はなかったが
ここまできた間柄だし、決着をつけてやろうと
クラウド「わかった、ケリをつけよう。」
レノ 「だな。お前らとは、妙な関係だが…… 決着をつけねばな、と。
……タークスとして！」
さすがに彼らは戦いのプロである
これが最後の戦いとわかってか、今までとは桁違いの攻撃を繰り出してくる
イリーナ「まずは、これをお見舞いよ！ これでも、食らえっ！！」
しかしこちらも負ける訳にはいかない
全力で反撃を繰り返すと……
イリーナ「きゃあーっ！ 痛いわ、痛いわ。」
レノ 「そろそろ、お開きにしますか、と。」
彼らはそう言い残して去っていった
彼らなりの礼儀でもあろう……
クラウドは深追いする事もなく、見逃してやった
さて地下へと入ったクラウドだがそこは列車のトンネルが入り乱れるところで
なかなか目的地まで着けないでいた
ユフィ「早く早く早く早く～っ！」
ティファ「私は大丈夫！ 早くキャノン砲を！」
シド「どっちだ……！？ え～い！ くそキャノンが～っ！！」
バレット「ここは任せろ！ キャノンへ急げ！」
レッドXIII「匂うよ！ キャノンは、こっちじゃない！」
クラウド「行き止まりか！」
ケット・シー「ちゃうちゃう！ シスター・レイはこっちやない！」
仲間達と手分けしてようやくトンネルを抜けて地上に出たが
バレット「な、何だ？ ありゃ～！！」
ティファ「う、嘘でしょ……」
大きな地響きと共に巨大なロボットが姿を現した
そしてコクピットから姿を見せたのは
ハイデッカー「ガハハハハハハハ！！ 来たな来たな！」
スカーレット「キャハハハハハハ！！ やっぱり来たよ！」
ハイデッカー「よ～くも今までコケにしてくれたな！」
スカーレット「私の可愛い兵器達をたっくさん壊してくれたわねえ！」
ハイデッカー「ガハハハハハ！
だが、対ウェポン用兵器のこいつはどうかな！」
スカーレット「お前達では役不足だがこの私の絶対の自信作！
このプラウド・クラッドの破壊力！ 見せてあげるよっ！」
巨大兵器プラウド・クラッドが襲ってくる！！
対ウェポン用の兵器だけあってその破壊力はすさまじかった
しかし、クラウド達の全力の攻撃に
スカーレット「バカな！？ このプラウド・クラッドが……！？」
ハイデッカー「うおおお……！！」
プラウド・クラッドは大爆発を起こし
神羅のブレーンのふたりは炎と共に散った
いつの間にやら雨が降り出してきていた
彼らへのせめてもの餞であろうか……
ケット・シー「こっちや、クラウドさん！」
ケット・シーの呼び声にはっとする
そう、目的地はもうすぐだ
ヴィンセント「グッ！ 宝条……！」
バレット「おっ！ こいつは……
こりゃあいいぜ。待ってろよ、宝条……！」
バレットは途中で武器を拾い
ヴィンセントは宝条への積年の恨みを晴らそうと気乗りする
そして魔晄キャノンに宝条はいた
クラウド「宝条！ そこまでだ！！」
宝条 「ああ…… 失敗作か。」
クラウド「名前くらい覚えろ！ 俺はクラウドだ！」
宝条 「お前を見ると私は…… 私は自分の科学的センスのなさを
痛感させられる…… 私はお前を失敗作だと判断した。だが、
セフィロス・コピーとして機能したのはお前だけ……
クックックッ…… 自分が嫌になるよ。」
クラウド「何でもいいからこんな事は止めろ！」
宝条 「……こんな事？ おお、これか？ クックックッ……
セフィロスはエネルギーを必要としているようだからな。
私が少しばかり力を貸してやるのだ。」
クラウド「何故だ！ 何故そんな事を！」
宝条 「何故何故とうるさい奴だ。フム……
科学者に向いているのかもしれないな。
エネルギーレベルは…… ８３％か。時間がかかりすぎだ。
息子が力を必要としている。……理由はそれだけだ。」
クラウド「……息子？」
宝条 「クックック…… あいつは知らないがな。
クックック…… クァックァックァッ！！ セフィロスの奴、
私が父親だと知ったらどう思うかな。あいつは私の事を
見下していたからな。クァックァックァッ！！」
クラウド「セフィロスがあんたの息子！？」
ヴィンセント「……！」
宝条 「クックック…… 私の子を身ごもった女をガストの
ジェノバ・プロジェクトに提供したのだ。クックッ……
セフィロスがまだ母親の胎内にいる頃にジェノバ細胞を……
クァックァックァッ！！」
ヴィンセント「き、貴様……！」
クラウド「あんたがこんな事をしているのは……
セフィロスへの罪滅ぼし……」
宝条 「ヒーッヒッヒッヒッ！ 違う違う！ 科学者としての欲望だ！
ヒーッヒッヒッヒッ！」
ヴィンセント「……私は…… 間違っていた。眠るべきだったのは……
貴様だ、宝条……！」
宝条 「私は… ヒッ、ヒック！ 科学者としての欲望に負けた。
この間もな、負けてしまった。自分の身体にジェノバ細胞を
注入してみたのだ！ ヒーッヒッヒッヒッ！ 結果を……
ヒーッヒッヒッヒッ！ 見せてやろう！！
クァックァックァッ！！」
宝条は研究材料のモンスターを使って襲いかかる！！
クラウドはそれらを蹴散らすと
宝条 「クッ… では魔晄ジュースの効果はどうかな？」
宝条は怪しげな液体を飲むとその身体をおぞましいモンスターへと変えた
さすがにジェノバ化した宝条は予想を超えた強さであった
しかし、積年の恨みを込めた一撃が宝条を襲う！！
そして……
クラウド「……」
ケット・シー「よう来てくれました。」
ヴィンセント「宝条…… 永遠に眠れ……」
ティファ「セフィロスが…… 宝条の息子だったなんて……」
レッドXIII「父親か……」
ユフィ「何か、かわいそ……」
バレット「とにかくよう…… これでキャノン砲は止まった訳だ……」
シド「チッ、けったクソの悪い……！」
こうして宝条の野望は潰えた
ハイウインド
ケット・シー「神羅は………… 終わりました。」
クラウド「メテオが落ちてくるまであと……」
レッドXIII「あと７日って、じっちゃんが言ってた。」
クラウド「なあ、レッドXIII。コスモキャニオンの人達に会いたいか？」
レッドXIII「…………うん。」
クラウド「マリンに会いたいだろ？」
バレット「そんな事聞くなよ。」
クラウド「俺達がセフィロスを倒して…… そしてホーリーを
解き放たないと７日後にはこの星そのものが死んでしまう。
俺達がセフィロスを倒せない…… それは…… 俺達が死ぬと
言う事だ。メテオで死んでしまう人達より何日か先に、だ。」
バレット「戦う前から負ける事考えるんじゃねえ！」
クラウド「違う！ 俺は…… 何て言うか…… みんなが何のために
戦っているのか。それをわかって欲しいんだ。星を救う……
星の未来のため…… 確かにその通りなんだと思う。
でも、本当は、本当はどうなんだろう？ 俺にとっては、
これは個人的な戦いなんだ。セフィロスを倒す。過去との
完全な決別。それが星を救う事に繋がっているんだ。俺、
考えたんだ。やっぱり俺達は自分のために戦っているんだ。
自分と…… 自分が大切にしている誰か？ 何か？ そのために
戦う。そのために星を救う戦いを続けているんだ。」
バレット「確かに…… 星を救うってのは、何となくカッコいいよな。
でも、オレに出来たのはあの、魔晄炉爆破だ…… 今と
なっちゃあ、あんなやり方はいけなかって事は良くわかる。
仲間達や関係ない大勢の人間を不幸にしちまった……
……最初は神羅への復讐だった。
オレの故郷を奪ったよ。でも、今は…… そうだぜ。
オレはマリンのために戦ってるんだ。マリンのために……
マリンの未来のために…… そうか……
オレはマリンのために星を救う戦いをしてるのか……」
クラウド「会いに行けよ。その気持ち、確かめてこいよ。みんなも、
一度船を降りてそして自分の戦う理由…… それを確かめて
欲しいんだ。そうしたら、帰ってきて欲しい。」
シド「誰も戻って来ないかもしれねえぜ。メテオでどうせ
死んじまう。無駄なあがきは止めようってよ！」
クラウド「俺は自分が戦う理由を知っている。紛れもなく、星を
救うために戦う。でも、その中には個人的な…… とても
個人的な俺の想いがあるんだ。みんなは…… どうだ？
俺はみんなにも、そういうものを見つけてきて欲しいんだ。
見つからなかったら仕方がない。理由なしでは戦えないだろ？
だから、帰ってこなくても…… 仕方がないよ。」
そうしてみんなは一度船を降りた
残ったのは、クラウドとティファだけだった
クラウド「ティファはどうする？」
ティファ「忘れちゃったの？ 私…… 独りなんだもん。
何処にも行くところがないんだもの。」
そうしてクラウドとティファは一旦飛空艇を着陸させた
ティファ「みんな、行っちゃったね……」
クラウド「ああ、俺達には帰るところも待っていてくれる人も
ないからな。」
ティファ「そうだね…… でも…… きっと、みんな……
戻って来てくれるよね？」
クラウド「さあ…… どうかな……？
みんなそれぞれ、かけがえのない大切なものを抱えてるし……
それに今度ばっかりは、相手が相手だ……」
ティファ「うん…… それでも私…… 平気だよ。例え、誰も戻って
こなくても。クラウドと一緒なら…… クラウドが、
側にいてくれるなら…… 怖くても…… 負けないよ、私……」
クラウド「………… ティファ……」
ティファ「私達…… これまではずっと遠く、離ればなれだったんだね。
例え、どんなに近くにいても…… でも、ライフストリームの
中でたくさんの悲しい叫びに囲まれた時、クラウドの声が
聞こえたような気がしたんだ…… クスッ……
クラウドは知らないって言うかもしれないけど……
でも、胸のずっと奥の方であなたの声が私の名を呼んでる……
そんな気がしたんだ……」
クラウド「ああ…… あの時俺にもティファの叫ぶ声が聞こえたよ。
ティファの声がライフストリームの意識の海から俺を
呼び戻してくれたんだ。約束したもんな。
ティファに何か遭ったら必ず駆けつけるって。」
ティファ「ねえ、クラウド…… 私達の声を、星達も聞いてくれると
思う？ 頑張ってる私達の姿を見ていてくれると思う？」
クラウド「さあな…… でも…… 誰が見ていようといまいと、
とにかく、出来る事をやるだけさ。自分自身を信じて……
ライフストリームの中でティファにそう教えられたよ。」
ティファ「うん…… そうだね……」
クラウド「なあ、ティファ…… 俺…… ティファに話したい事がたくさん
あったんだ…… でも、今こうしてふたりでいると本当は何を
話したかったのか……」
ティファ「クラウド…… 想いを伝えられるのは言葉だけじゃないよ……」
クラウド「ティファ………」
ふたりは肩を寄せあい、一晩を過ごした……
クラウド「……… もうすぐ、夜明けだな……」
ティファ「う、うん……？」
クラウド「ゴメン。起こしちゃったか……
もうすぐ夜が明けるよ、ティファ。」
ティファ「うん…… あの…… お、おはよう…… クラウド。
もう少しだけ…… このままでいさせて……
二度と来ない、この日のために…… せめて、今だけは……」
クラウド「ああ…… いいよ。これは、俺達ふたりに許された
最後の時間かもしれないから……」
こうして夜が明けた
ふたりは他の仲間をじっと待っていたが……
ティファ「………」
クラウド「そろそろ時間だ。」
ティファ「でも、まだ……！？」
クラウド「いいんだよ、ティファ。昨日、ティファも言ってただろ？
少なくとも俺達は、
独りぼっちで行かなきゃならないって訳じゃない。」
ティファ「うん…… そうだね！」
クラウド「よし！ それじゃ、行こうか！」
ハイウインド
ティファ「……ふたりきりだと飛空艇、広すぎるね。
やっぱり、ちょっとだけ寂しいな。」
クラウド「心配するな。大丈夫だ。俺がみんなの分も大騒ぎしてやる。
それに、パイロットは俺だ。
今までみたいに安心して乗っていられないからな。
寂しがっている暇なんてないぞ、きっと。」
ティファが嬉しそうに頷いた時、突然何処からか物音がした
ティファ「あれっ！？」
クラウド「動き出した……」
ふたりが慌てて操縦室に行くと、そこには……
クラウド「バレット！ シド！」
バレット「お、おう…… もう、いいのか？」
クラウド「レッドXIII！」
ティファ「どうして声、掛けてくれなかったの！？」
レッドXIII「だって…… ねえ、シド。」
シド「なあ、レッドXIIIよう。
邪魔しちゃ、後でな～に言われっかわかんねえもんなぁ……」
ティファ「…………見てたの？」
ティファはあまりの恥ずかしさに赤面し、床にうずくまってしまう……
そして他にも現れたのは
クラウド「ヴィンセント！」
ヴィンセント「何だ、その驚いた顔は。私が来てはいけなかったのか？」
クラウド「いつも醒めてたから…… 関係ないって顔してただろ？」
ヴィンセント「醒めて？ フッ……
私はそういう性格なのだ。悪かったな。」
そして機内に怪電波が流れてきた
それと共にケット・シーの縫いぐるみが動き出した
バレット「帰ってきたみてえだな。神羅の部長さんがよ。」
ケット・シー「あの～ ボクも、本体で来ようと思たんですけどいろいろ、
やらなあかん事があって…… ほんで、ミッドガルの人達
ですけど一応避難してもろてますのや。すんませんけど、
この作りモンのボディで頑張らせてもらいます。」
バレット「さて…… 全員揃ったな。」
レッドXIII「ユフィ、いないよ。」
バレット「アイツは…… 来ねえだろ、きっと。
でもよ、オレ達のマテリアを盗んでいかなかった。
それだけでも良かったんじゃねえのか？」
ユフィ「ひっどいな～！！」
ユフィが突然現れてバレットに抗議する
ユフィ「船酔いに負けないでここまで来たんだよ！
最後の最後に抜けちゃって、美味しいとこ
ぜ～んぶ持ってかれるなんて絶対イヤだからね！」
クラウド「お帰り、ユフィ。」
ユフィ「おろ～…… クラウド優しいねえ。何かあった？
ま、いっか。じゃ、アタシは通路の指定席で待機……
ウッ！ ……ウップ！」
クラウド「みんな、ありがとう。」
バレット「お前のために戻って来た訳じゃねえ！ オレの大切なマリンの
ため。それと同じくらい大切なオレの…… オレの気持ち……
ってのか？ オレはよ………… 今、ここにはいねえ……」
レッドXIII「……ここにはいないけどオイラ達にチャンス、
残してくれた……」
シド「このままって訳にはいかねえよな。」
クラウド「……エアリス、最後に微笑んだんだ。その笑顔、俺達が何とか
しないと張り付いたまま、動かない。みんなで行こう。
エアリスの想い…… 星に届いた筈なのに邪魔されて
身動き出来ないでいる…… エアリスの想い、解き放つんだ！」
シド「気が変わったって奴、いねえよな？」
クラウド「頼む、シド。」
シド「ヘヘ…… ここに、ずっと気になってたレバーが２本
あるんだが…… ちょっと試させてくれよな。
じゃ、何だ。クラウドさんよ、いっちょ決めてくれ。」
クラウド「俺達の最後の戦いだ！ 目標は北の大空洞。
敵は…… セフィロス！！ 行くぜ、みんな！」
クラウドの声と共にシドはレバーを動かす
それと同時にハイウインドは艇内から巨大なエンジンが出現し
唸りをあげて高速発進する！！
クラウド「もうすぐ北の大空洞だな！ セフィロス！ 待ってろよ！」
シド「おう！ 突っ込むぜい！」
と、その時突然警告のランプがけたましく発する！！
クラウド「どうした、シド！」
シド「あががががが！ コントロール出来ねえ！
すげえエネルギーだ！」
どうやら先程のエンジンのあまりの出力にシドのコントロールが効かないらしい
が、その時クルー達が姿を見せ、シドを支援する！
シド「何だ、てめえら！ 実家へ帰れって言ったじゃねえか！」
クルー 「そうです！ ここがボク達の家でっす！！」
シド「ケッ…… カッコつけやがって。わかったぜ、おめえら！
オレ様をしっかり押さえやがれ！！ 行っくぜ～！！」
新生ハイウインドは唸りをあげて空を駆ける
が、その前にクラウドはどうしても行きたかった場所があった
それは……
ミッドガル クラウドはエアリスと初めて出会った教会に来ていた
エアリスとの想いを確かにするため……
教会に足を踏み入れると何か不思議な感じがする
そしてその目の前にエアリスの姿が……
クラウドは目を疑い、そして近寄ろうとする
が、その姿はすぐに消えてしまった……
側で花の手入れをしていた女の子にもその姿が見えていたらしく
「お姉ちゃん？ あれっ、お姉ちゃんは？」
今のは幻であったのだろうか……
それとも、何かを伝えたかったのであろうか……
クラウドはエアリスの想いのためにも必ずメテオを止める事を決意する
また、前に一緒に旅したブーゲンハーゲンの体調が思わしくないと聞き
コスモキャニオンに駆けつけた
コスモキャニオン
「おおナナキ、大変なんだ。あの旅から帰られてからというもの
ブーゲンハーゲン様、あまり元気がないんだよ。
お前も早くブーゲン様のところへ行っておくれ。」
レッドXIIIは急いでブーゲンハーゲンの元へと走っていく
レッドXIII「じっちゃん！！」
他の仲間もレッドXIIIついていこうとするが
クラウドは黙って引き止めた
レッドXIII「じっちゃん！！」
ブーゲンハーゲン「何だ…… ナナキか。まだこんなところに……
いる…… のか？」
レッドXIII「じっちゃんをこのままにしてなんか行けないよ……！
この谷を、コスモキャニオンのみんなを守るのがオイラの……
セトの息子の使命だ！」
ブーゲンハーゲン「……聞くのじゃ、ナナキ。もうお前にもわかって
おるじゃろう。お前に使命というものがあるとすれば、
それはこの谷を守る事では…… ない。枯れてゆく山の木々を
見る事。産まれくるチョコボの産声を聞く事。
人間の一生などよりも遥かに長い時の流れを見つめ続ける事。
それはこの谷に残っているよりずっと多くの事をお前に
教えるじゃろう…… そして、お前の見たものはやがて
ライフストリームの一部となり受け継がれていくんじゃ。
わしらの子供達に…… お前の子供達に……
だから、ナナキよ…… クラウドと行け……
その目で…… 耳で……」
レッドXIII「…………」
ブーゲンハーゲン「ホーホー…… ホウ。ホレ…… そんな顔するな。
わしの事なら、大丈夫じゃよ。広い世界を見てくるんじゃ……
もしかしたらホレ、
可愛いガールフレンドが見つかるかもしれんしの？」
レッドXIII「じっちゃん……」
ブーゲンハーゲン「そうそう…… これを持っていくといい。
今のお前ならよく…… 似合うじゃろ。ホーホー……」
そう言うとブーゲンハーゲンは事切れた……
やがてコスモキャンドルで待つクラウド達の前にレッドXIIIは姿を見せた
クラウド「レッドXIII…… ブーゲンハーゲンは……」
レッドXIII「………… ……じっちゃん、また旅に出るって！」
クラウド「旅……？」
レッドXIII「この前の飛空艇がよっぽど気に入ったらしいんだ。
じっとしてられないって飛び出して行っちゃったよ！
お土産まで貰ったんだ、ホラ！
あれ？ お土産って帰ってきてから貰うんだよね？
ハハハ、変なじっちゃん！ ハハハ…… ハハ…… ハ……」
クラウド「そうか…… それじゃまた、何処かでヒョッコリ会うかも
しれないな。」
レッドXIII「ウン…… そう…… そうだね…… ありがと、クラウド……」
こうして様々な想いを乗せ
新生ハイウインドは一路北へ！！
そしてセフィロスのいる大空洞のクレーターに突っ込んだ
ハイウインド
ヴィンセント「クラウド…… 船を大空洞へ。空を駆け巡る時間は
終わったのだ。今は地の底が我々の戦場……
天の光でなく、地の底こそが明日への扉……」
バレット「へへ…… へへへへ…… 時、迫るってやつだな？
何だか、身体が震えてるぜ…… へへ…… 気持ち悪いぜ……」
ティファ「ね、クラウド…… 『大丈夫』って言って？」
クラウド「大丈夫だよ、ティファ。」
ティファ「あ、本当に大丈夫って気がした…… ありがと、クラウド。
私、大丈夫。もう、怖じ気付いたりしないわ。」
ケット・シー「ボク、忘れません。何があっても……
この旅の事、みなさんの事、絶対、忘れへん！」
レッドXIII（オイラはセトの息子ナナキ…… 何も怖くない怖くない……
大丈夫大丈夫。オイラは勇者セトの息子ナナキ……
セフィロスなんか怖くない……）
ユフィ「クラウド…… この書類にサインして。」
クラウド「何だ？」
ユフィ「戦いが終わったら、マテリアはぜ～んぶ、
ユフィさんの物です。そう書いてある書類。
よく読んで、サイン、頼むよ。」
クラウド「……だめだ。書類は読まない。字を読むと気分が悪くなる。
船酔いが酷くなるからな。」
ユフィ「はぅ…… それ、よくわかるから何も言えないよ……
クソッ…… 作戦失敗。後でレッドXIII、からかって……
憂さ晴らし、しちゃお。」
シド「おめえよ『ＬＯＶＥＬＥＳＳ』って芝居見た事あるか？
ホントかぁ？ ま、いいけどよ。あの芝居はよ、オレ様が
ガキの頃から毎年夏にやってるんだよな、確か。
んでよ、オレ様は一回だけ見た事があんだけどよ……
ありゃ、パイロットの面接にミッドガル行った時だったな。
暇潰しに話題の『ＬＯＶＥＬＥＳＳ』でも
見るかってなもんよ。自慢じゃねえが、
オレ様は芝居何ぞにゃ全然興味がねえ。自分でも
予想してたけどよ、ガーガー寝ちまったぜ。隣にいた客に
イビキうるさいって起こされたのがラストシーンでよう……
だからオレ様はあの芝居の最後の辺りだけは覚えてるぜ……
主人公のネエちゃんが恋人に聞くんだよな。
『どうしても行くの？』
そしたら男がよ。
『約束だから。大好きな人達が待ってるんだ。』
『…………わからない。わからないけど……
でも、絶対に死なないで。』
『もちろん…… ここに帰ってくるよ。約束なんかなくても
待っていてくれる人がいる事、俺は知ってるから。』
オレ様はよ、そのセリフ聞いて思ったぜ。
ケッ、何言ってやがんだいってな。でもよ…… 今はよ……
今は、よくわかるぜ…… オレ様は後一仕事終わったら
船を降りるんだ…… そうするぜ。」
こうして大空洞へと足を踏み入れた
そこは摺り鉢状になっており、自らの足でしか踏み込めない場所であった
大空洞 クラウド「滑り降りるしかなさそうだな。」
そうして奥へと進んでいくが、途中
クラウド「道が別れているな。ここは二手に別れるか。」
シド「どっちにすんだい、クラウド？」
クラウドはまず自分の進む道を決めた
バレット「そうか。それじゃ、オレは……」
ティファ「じゃあ、私は……」
レッドXIII「よし、オイラは……」
ユフィ「アタシはね～……」
ケット・シー「ほんなら、ボクは……」
ヴィンセント「ならば、私は……」
シド「よっしゃ！ オレ様は……」
こうして仲間達も行く道を決め
クラウド「死ぬなよ、みんな。奴の……
セフィロスの元に辿り着くまで……！」
シド「一足お先に、オレ様がセフィロスの野郎をぶっちめて
やるぜ！」
ユフィ「あ～あ～。『マテリア・ハンター ユフィ』
最終回『マテリアよ永遠に……』って感じ。」
ヴィンセント「終わるのだな。これで……」
レッドXIII「この星のあらゆる生命、いや、この星のすべての命運は
オイラ達に、かかってるんだね。」
ケット・シー「みなさんに、会えてほんまに良かったわ……！」
バレット「さーて、バレットさん、最後の大仕事だぜ！」
ティファ「生きて帰ろうね…… 絶対に！」
クラウド「これで…… これで終わりにするんだ！」
こうして別れたクラウド達……
更に深く進んでいくと、やがて道が合流しており
先に別れた仲間達ともそこで再び出会う事が出来た
クラウド「ここが、星の中心……？」
ティファ「いよいよね。」
ユフィ「遂に、来るとこまで来たって感じ？」
レッドXIII「遂にここまで来たね。」
ヴィンセント「フッ…… お前達と付き合うのも悪くはないな。」
バレット「よし、最後の大暴れだ！」
ケット・シー「ほな、チャッチャッと行きましょか。」
シド「ウダウダしてねぇでさっさと行こうぜ！」
クラウド「よし、行こうよ、みんな。」
シド「カーーッ！ またかよっ！
止めてくれよ、その気の抜けた言い方。
『行くぜ！！』くらい言えねぇのかよ。」
クラウドは悪い悪いと頭をかき
クラウド「行くぜ！！」
その言葉にみんな頷く！！
その時異様な気配が感じられた
バレット「何だ？」
レッドXIII「凄い数だ……」
シド「チッ！ みなさん総出でお出迎えかよ！」
バレット「クラウド！ おめぇは先に行け！」
クラウド「俺もここで戦う。」
バレット「バ～カ！ こんなところで全員ウダウダしてても
しょーがねぇだろ。」
シド「だな、バレットの言う事ももっともだぜ。
クラウド、お前さんは先に行ってろ。残ったこっちも
すぐ追いつくからよ！」
ティファ「ま、本番前の準備運動ってところかしら？」
ケット・シー「何やえらい準備運動やなぁ…」
ユフィ「へへ、アタシはへっちゃらだよ。
（下でセフィロス相手にするより楽かもしれないし。）」
ヴィンセント「フッ、暇潰しにはもってこいだな。」
レッドXIII「来る！ もう、隣のフロアまで来てる！」
バレット「クラウド！」
クラウド「みんな！ 後でまた！」
ティファ「うん、後でまた会いましょう。」
バレット「ああ、後でな。」
シド「ヘッ！ 後でな。」
こうしてクラウドは先に星の胎内に入り込んだ
そして奥で待ち受けていたのは
星の胎内
クラウド「ここは……？ ジェノバ…！？ 来る！！」
それは２０００年前にこの星にやってきたジェノバ本体であった！！
今まで出会ったジェノバよりも遥かにその強さを凌駕する
しかしクラウドは苦しみながらも奮戦し、ジェノバを何とか倒した！！
ジェノバが倒れると突然床が崩れだした！！
そしてライフストリームが噴出する中、クラウドは下へと落ちていった
落ちていくクラウドの目には白い光が入り込む
クラウド「ひ…… かり…… 光だ…… これが…… この光が……
ホーリー？」
バレット「イテテテ……」
クラウド「バレット！？」
バレット「何だオイ…… 結局みんな揃っちまったのか……」
その時、クラウド達は衝撃波を受けた
クラウド「ウグッ……！！ ……セフィロスッ！！」
バレット「グッ…… これが…… 本当のセフィロスの力だってのか！？」
シド「か、体が…… 言う事を効きやがらねえ…… ウオッ！？」
レッドXIII「前足が…… 後ろ足が…… 尻尾がちぎれそうだ！！」
ケット・シー「アカン…… やっぱり桁違いや……」
ユフィ「ア、アタシもうダメ…… かも……」
ティファ「クラウド…… クラウド……」
クラウド「ウ…… ウ…… ……こに…… ある…… そこに……
あるんだ……」
ティファ「クラウド……？」
クラウド「……ホーリーが…… ホーリーがそこにある……
ホーリーが輝いてる…… エアリスの祈りが輝いてる……！」
ティファ「ホーリー…… エアリス……」
クラウド「まだ終わりじゃない…… 終わりじゃないんだ！！
行くぞ、みんな……！」
ティファ「……負けないっ！！ エアリスがいる…… みんながいる……
クラウドがいてくれる！ 私達にはまだ出来る事がある……！
私、諦めない！！」
バレット「ウオオォッ！！ エアリスだけじゃねえ……
ホーリーはアバランチの…… マリンやダインの……
この星の人間の祈りだ！」
レッドXIII「オイラは見届ける。みんなのこれから……
この星のこれから……
今ならわかるよ、じっちゃん。それがオイラの使命だ！
ライフストリームを…… 星の命を、枯れさせはしない！！」
ケット・シー「間違いに気付くんが…… ちぃ～と遅かったんかも
しれん…… それでも、まだ…… まだやり直せる筈や！
全部元には戻せんかもしれんけどな！
一番大事なモンを守る事は出来る筈や！！」
シド「へ……！ こんな穴蔵の底でいつまでも這いつくばって
いられるかよ…… オレ様はよ…… オレ様にはよ！
まだまだ、やりてえ事があるんだよ！」
ユフィ「や…… やっぱりくるんじゃなかったかも……
もう、マテリアなんか…… マテリアなんか……
やっぱり欲しいッ！ アレもコレもみんなみんなアタシのもの！
アンタなんかにやるもんか！！」
ヴィンセント「あの時に凍りついた私の時間が、
今再び動き始める……！
セフィロス、今度がお前が時の狭間で眠りに就く番だ！！」
クラウド「エアリスの想い…… 俺達の想い……
その想い伝えるために…… 俺達は…… 来た…… さあ、星よ！
答えを見せろ！ そしてセフィロス！！ すべての決着を！！」
遂にセフィロスとの決着を付ける時が来た！！
セフィロスの姿は片翼がもがれた堕天使の姿をしている
思えばそれは２０数年前の出来事が発端であった
２０００年前の地層から発見したジェノバをガスト博士が古代種と判断した時から
今回の悲劇が始まったのだ……
ガスト博士と助手であった宝条は古代種を甦らせようと
ジェノバ・プロジェクトを発動する
ジェノバ・プロジェクトとは胎児にジェノバ細胞を植え付ける事により
誕生時からジェノバの能力を持った人間を作ろうという計画である
この研究に自らを捧げたのがヴィンセントが愛したルクレツィア
彼女はこの研究が人類のためになると信じて進んで参加したのだ
だがしかしジェノバは古代種ではなく
古代種を壊滅に追いやった『空から来た厄災』なのであった
ジェノバ細胞はやがて母体とその胎児に影響を及ぼし始める
こうして産まれてきたのがセフィロス……
神羅に育てられたセフィロスは
やがてソルジャーとしてエリートの道を歩むが
ふとした事件から自分が仕組まれた子供だという事を知る
セフィロスは自我を失い、そして選ばれし者と思うようになり
この星に君臨しようと暴走する
それが５年前のニブルヘイム……
一度はクラウドに止めを刺されながらも
身体に宿るジェノバ細胞のため完全には死なず
ライフストリームにて力を増大し
古に伝わる黒魔法メテオを使ってこの星のエネルギーを我が物にしようとする
そしてあらゆる手を使い、黒マテリアを手に入れメテオを発動
それが星を破滅するかもしれないとわかっていても、せざるを得ない彼の心情……
それはもしかしたら自らの存在を消したいという事ではないだろうか……
クラウド達の前に現した彼の姿……
それは堕天使の姿……
それは自らを神としながらも
それが不完全な物、選ばれし者ではないという事なのであろうか……
クラウドはセフィロスと対峙しながらふとその事を考えていた
もしかしたら消したいのは自分自身なのではなかろうかと
確かにセフィロスは許さざる事を今までやってきた
自分の目的のために邪魔する者は排除し、
そしてクラウドを始めとするセフィロス・コピーを利用して黒マテリアを手に入れる
セフィロスのためにどれほどの悲劇が生まれたのか……
しかし彼もまた、悲劇の主人公であるのだ……
そう思うとセフィロスの姿は哀れでしかならない
クラウドはこの星を救おうと命を投げ出したエアリスの事
そして自らや仲間達、今まで出会った人達
そしてこの星のために出来る唯一の事－それはセフィロスを倒す事
それがセフィロスにとって望んでいる事だと感じ取り
セフィロスに全力で向かっていくのであった……
そしてどれほどの時が経ったのか……
気が付くとセフィロスの姿が昇天していくのであった……
クラウド「俺達に出来るのはここまでだな。」
バレット「ちょっと待てよ！ ホーリーは！？ 星はどうなる？」
クラウド「それは…… わからない。後は星が決める事だろ？」
ティファ「……そうね。私達、出来る事は全部やったものね。」
クラウド「さあ、みんな。もう、考えてもしょうがない。不安なんかは
ここに置き去りにしてさ。胸を張って帰ろう。」
こうしてみんな帰路につく
クラウドもそれに続こうとした時
目の前が一瞬白くなる……
ティファ「どうしたの？」
クラウド「……感じる……」
ティファ「えっ……」
クラウド「あいつは…… まだいる。まだ……」
ティファ「クラウド！？」
クラウド「わ、笑ってる……」
ティファ「クラウド！」
クラウドの意識は遠のく……
そして意識だけが星の更に胎内に進んでいった
その奥で待ちかまえているのは…… セフィロス！！
セフィロスは長剣正宗を構え、クラウドを見据える
クラウドもまた剣を構えてセフィロスと対峙する
クラウドは不思議と力が湧き出るのを感じていた
そして全身全霊を込めてセフィロスに向かっていくのであった
気が付けばクラウドの一方的な勝利であった
セフィロスは一瞬笑ったかと思うと
その身体が光り出し、消滅した……
クラウドはそれをただ呆然と眺めるしかなかった……
一体セフィロスは何のため再びクラウドに姿を見せたのか
そして何故クラウドに笑みを浮かべながら倒されたのか……
それはクラウドの中に潜む
セフィロス・コピーからの完全なる離脱なのであろうか……
それとも……
いつの間にかクラウドの周りには
セフィロスの意識であったライフストリームが漂い始めた
クラウド「……ライフストリーム？」
ライフストリームはやがて上へと昇っていく
クラウドはその先に手を差し伸べる
すると、そこから何処かで見たような手が差し出された
クラウドはその手に向かって懸命に手を伸ばす
そして手を掴みそうになった時、クラウドは意識を取り戻した
そこは先ほどいた場所で、今にも崩れそうに揺れている
そしてティファがクラウドを懸命に呼んでいたのだ
ティファが手を伸ばしクラウドを掴もうとするが
クラウドのいる地面が突然崩れ始める
そしてティファの地面もまた崩れ、ティファは落ちてしまう！！
クラウドは必死に近付き、ティファを間一髪抱き留め
そして片腕で崖にしがみついた
クラウド「……わかったような気がする。」
ティファ「えっ？」
クラウド「星からの答え…… 約束の地…… そこで……
会えると思うんだ。」
ティファ「うん、会いに行こう。」
クラウドは何とか崖を登り
クラウド「そうだ、みんなは？」
バレット「おーーーい！」
クラウドが上を見上げるとバレットが手を振っている
ティファ「良かった！ みんな無事みたい。」
バレット「どうやら向こうも無事らしいな。でもよ、、、
これからどうするんだ？」
レッドXIII「もうじきホーリーが動き出すんだろ？
そうなったら、ここは……」
シド「あ～あ、、運命の女神さんよぉ、、何とかなんねェのかよ～」
その時上の部分が崩れてきた！！
それはハイウインドの大空洞に向かっての決死のダイブであったのだ！！
そしてみんながハイウインドに乗り込んだちょうどその瞬間
ライフストリームが発動し、ハイウインドともども大空洞から噴き出した
あまりの衝撃に甲板に叩きつけられる仲間達
ハイウインドの外装はみるみる剥がされ、このままでは地面に墜ちてしまう！！
シドは必死に緊急用のレバーを掴もうと腕を伸ばす
シド「ちくしょー！！」
ハイウインドが墜落しようとする刹那、シドの腕がレバーに届き
間一髪でハイウインドは息を吹き返す
一方、ミッドガルの人々はカームに避難していた
そこにはマリンの姿もあった
マリンはふと、何かの気配を感じた
それは……
マリン 「お花のお姉ちゃん？」
マリンは窓を開け外を見ると
目に入ったのはミッドガルに迫った巨大なメテオの姿であった
メテオとの引力でズタボロになっていくミッドガル……
そこに向かって一筋の光がやってくる
その光はメテオに対して敢然と立ち向かう
……ホーリー……
が、メテオの力はすさまじくホーリーの壁を突き抜けようとする
その影響でミッドガルの破壊はますます酷くなる
その様子をクラウド達はハイウインドから眺めていたが
バレット「おいおいおい！ ミッドガルはどうなるんだ？
まずいんじゃねえのか？」
ケット・シー「みんなスラムに避難してもろたんやけど、
このままやったら、もう……」
レッドXIII「きっとホーリーが遅すぎたんだ。メテオが星に近づき
すぎてる。これじゃせっかくのホーリーも逆効果だ。
ミッドガルどころか星そのものが……」
レッドXIIIの言う通りあまりにメテオが接近しているため
ホーリーの力を持ってしても余計に破壊を増大させるだけであった
星はこのまま破滅の道へと行ってしまうのか……
ティファ「あれは！？」
不意にティファが叫んだ
ティファの視線の先では淡い緑色の光のうねりが突然湧き出てきたのだ
それは次々と地表の至るところから姿を現しその量を増加させていく……
バレット「何なんだ……？」
クラウド「……ライフストリームだ。」
その出来事はカームにいる人々にも感じられた
マリン 「来る。」
大量のライフストリームがメテオ、そしてホーリーに集まり
メテオを食い止めようとする
その瞬間もの凄い光が世界を覆った……
エアリスの願い……
それは一度はセフィロスによって妨害され叶わう事と思われたが
クラウド達の協力がそれを再び実現させたのだ
しかし遅すぎたその願い……
星に近付きすぎたメテオにはもはや効果無しかと誰もが感じた瞬間
星そのものがエアリスの願いに呼応してきたのだ
そしてライフストリームの出現……
最後の最後で星がメテオに対する抵抗……
エアリスの願い、そして星の運命は……
Five hundred years later
５００年後……
荒野を３頭の獣が駆ける
２頭の子供に１頭の大人の獣
褐色の肌に羽飾り、燃え盛る尻尾、そして何より肩に刻まれたXIIIの刻印
そう、５００年は生きると言われるレッドXIII－ナナキの姿であった……
レッドXIIIはやがて崖を駆け登り、大きく見下ろせる場所まで着いた
そして眼下の景色に向かって吠える
それはミッドガルの成れの果てであった……
メテオの影響により壊滅に追い込まれたその跡には
たくさんの緑が生い茂っていた
そしてその周りを鳥達が舞っている
そこにはもう人間の姿はない
緑が、そして動物達が溢れる自然豊かな土地に生まれ変わったのだ
あのメテオとホーリーの衝突で人々はどうなったのであろうか
それは５００年生き続けたナナキにしかわからない
ただ一つ言える事
それは星の枯渇が防がれた事
そしてメテオの衝突も……
エアリスの願いはあの時確かに叶えられたのだ
星からメテオを救う事は……
最終的な運命を星に任せて……
ＦＩＮＡＬ ＦＡＮＴＡＳＹ VII
－完－
Transcript from: http://members2.jcom.home.ne.jp/ffstory/ff/index.html
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