道中、仲間達はクラウドの事を気遣いつつ
ロケット村に集まりつつある神羅について思考を巡らす
ハイウインド
ヴィンセント「……どうかな、クラウド。
借り物ではない自分を生きるのは？」
ティファ「気分はどう？ 少しなら休んでもいいと思うけど……
無理しないでね。」
ケット・シー「シドさんのロケット村に神羅が集まってきますわ。
はぁ…… 秘密漏らすんて何や快感なってきましたわ。」
シド「ロケット村で何かあるって？
今更宇宙開発再開じゃねえよな……」
バレット「神羅の奴らよう、どうやってメテオとヒュージマテリアを
戦わせるつもりなんだぁ？」
レッドXIII「神羅のやり方ってさ、今さえ良ければ何でもいいって
事だよね。でもね、オイラは５００年くらい生きるから
それじゃ、とっても困るんだ。」
ユフィ「チェッ…… どうしてこんな乗り物なんかあるんだよ……
はぁ…… はぁ……」
ロケット村ではロケットが再び打ち上げられるとあって慌ただしい雰囲気であった
クラウド達はロケット発射台に向かうが神羅兵が立ち塞がる
ロケット村 神羅兵 「テロリストどもが来たぞ！」
警備隊長「ここより一歩も進ませるな！ 総員、突撃ィ～！
ぬうう、行かせはせん！ 行かせはせんよ！」
だがクラウドの前にはもはやかなう相手ではなかった
そしてあらかた片付けた時、シドが追ってきた
シド「待ってくれ、クラウド！ オレ様のロケットから神羅の
クソッタレ野郎どもを叩き出すんだろ？
オレも連れてってくれ！ よっしゃ！
神羅どもに目にもの見せてやろうぜ！」
そしてロケットの前まで行ったが、そこには……
ルード 「……お前達か。……神羅の計画を邪魔する者は、排除する。」
タークスのルードが待ち受けていた！！
が、クラウド達の攻撃に……
ルード 「うっ……… ぐ……… ……やられた。」
そしてロケットに乗り込むと、そこにも神羅兵がいた
神羅兵 「お、お前達！？ 何故ここに？
タークスのルードがいた筈だ！！」
クラウド「残念だったな。奴なら、そこで倒れてるぜ。」
神羅兵 「く～っ、あのタークスがあっさりやられるなんて……
しかし、ここは通さんぞ！」
しかしこの神羅兵もクラウド達の前にあっさりと倒れてしまう
そしてロケットの操縦室に行くと
そこでは乗組員が一生懸命検査をしていた……
シド「おい！ てめえら、何をしてるんだ！？」
乗組員 「おお！ 騒がしいと思ったら艇長、帰ってきたのか！？」
乗組員 「聞いてくれよ、艇長。ロケットを飛ばせるんだぜ！」
シド「あん？ 一体、何の話だ？」
乗組員 「このロケットに、マテリア爆弾を積んでメテオにぶつけて
破壊しちまうんだ。」
乗組員 「俺達のロケットがこの星を救うんだぜ！」
乗組員 「うう～、興奮するぜ～！！」
クラウド「ちょっと待ってくれ！」
シド「うるせぇぞ！！ お前は、黙ってろい！」
シドはクラウドを一喝すると目の色を変えて乗組員に状況を求める
その様子を見てクラウドは思わずあきれる……
シド「ロケットの調子はどうなんだ？」
乗組員 「大体ＯＫだ。」
乗組員 「でも……」
乗組員 「ロケットをオートパイロット装置でメテオにぶつける
計画なのに肝心の装置が壊れてるんだよ。」
シド「壊れてる、だぁ？ 修理は、どうなっている。」
乗組員 「シエラがやってるけど……」
シド「ケッ！ おめでたい奴らだな！ あの女に任せてた日にゃ
１００年経っても終わんねぇぜ！ こいつはオレ様が動かして
やるからオートパイロット装置なんて放っとけ！ ホレ、ホレ！
みんなに伝えてこい！」
乗組員 「わかったよ、艇長。後は、よろしく頼んだよ。」
乗組員達は操縦室から出ていった
クラウド「おい、シド！ どういうつもりだ！？ マテリアの中には
古代からの知識、知恵が封じ込まれているんだ。
俺達はその力を借りてセフィロスの手からこの星を救う。
ヒュージマテリアを失うわけにはいかないんだ。
それは、わかっている筈だろ？」
シド「おお、わかってるぜ。マテリアが大切な物だってのも、
お前さんの考えもよ！ でもな、聞けよ。オレ様はよ、
科学の力だろうが魔法の力だろうがそんなこたあ、どっちでも
いいんだ。いや、オレ様はどっちかってえと科学の力に
賭けてみてえ。地ベタを這いずりまわってた人間が空を
飛べるようになったんだぜ！ そして、ついには宇宙まで
行こうってんだ。科学は、人間が自らの手で生み出し、
育て上げた『力』だ。その科学が、この星を救うかも
しれねえ。科学のおかげで飯を食ってきたオレ様に
とってはよ、これほど素晴らしい事はねぇぜ！
いつまでも神羅がどうのこうのこだわってるんじゃねえ！
オレ様はな、後からああ、やっとけば良かったなんて
考えたくはねえんだよ。」
クラウド「しかし、シド……」
シド「黙れ！！ しかしも、かかしもねぇ！！ さあ、ここはオレ様の
仕事場だ！ 関係ねぇお前達はとっとと出て行きやがれ！」
その時、ロケットが急に揺れだした！！
シド「な、何だぁ？ 何が起こった！？」
パルマー『うひょっ！』
スピーカーからパルマーの声が聞こえてきた
シド「パルマー！ てめぇ、何しやがった！？」
パルマー『オートパイロット装置修理完了だってさ。
だから打ち上げだよ～ん。』
シド「くっ！ シエラの奴、今日に限って早い仕事かよっ！
クソッたれ！ ビクともしねえ！
完全にロックされちまってるぜ。」
パルマー『うひょひょっ！ もうすぐ発射だよ～ん。』
シド「ケッ！ 秒読みはどうした！？ 気分が出ねえぞ！」
パルマー『うひょ～～～！！！ うひょうひょ！！！
発射だぴょ～～ん！』
パルマーの声と共にロケットのエンジンが唸りを上げる！！
周りの建物や木々は爆風のあおりで飛ばされ
ロケットが噴煙を上げながら徐々に浮かび上がる
そして大空高く舞い上がった……
シド「遂に来たぜ…… 宇宙によ……
さてと、こいつの航路はどうなっているのかな…… っと。
やっぱり、メテオに向かうコースをとっているな。」
ティファ「ねぇ、何とかならないの？ このままじゃ、私達……」
シド「ケッ、パルマーの奴、
ご丁寧にもオートパイロット装置をロックしてやがる。
こいつの航路は、変えられそうもねぇな。」
クラウド「……終わりか。」
シド「あん？ 何言ってるんだ？ 若いってによぉ、
簡単に諦めすぎじゃねえのか？ オレ様はよ、はなっから
メテオなんかと心中するつもりはないぜ。見てみな。
こんな時のためにこいつには脱出ポッドが積んであるのさ。
脱出ポッドのロックを解除したぜ。
メテオとぶつかる前にとっとと、おさらばしようぜ。」
ティファ「ねぇ、ヒュージマテリアはどうするの？」
シド「………… マテリアが欲しいんだったら勝手に何とかしろい！
マテリアなら、そっちの梯子を登っていった先に
ある筈だぜ。」
クラウド「……いいのか？」
シド「わからねえ。さっきはあんな事言ったけどよ。オレ様は、
こいつと宇宙まで行きたかった。それだけなのかもしれねえ。
だから、お前達もお前達が考えているように行動すれば
いいんじゃねぇか？」
クラウドはマテリアが保管されている部屋まで行く
ヒュージマテリアは何か機械に安置されていた
クラウド「ヒュージマテリア…… やっと見つけたぞ。」
シド「このコンソールパネルからパスコードを入力すればロックが
解除される仕組みになってるぜ。」
クラウドはパスコードを入力しようとすると
シド「おいクラウド、こいつの使い方は知ってるだろうな。
正しいパスコードを打ち込めばロックが外れて
ヒュージマテリアを回収出来るぜ。」
クラウド「で、どういう順番で打ち込んでやればいいんだ？」
シド「知らねえ。適当に打ち込んでみればいいんじゃないか？」
クラウドは適当にパスコードを入力してみると……
『パスコード確認。正規ユーザーと認め、ロックを解除する。』
シド「おっ、すげぇな！ 一発でパスコードを探り当てやがった！
お前さん、実は知ってたんじゃないのか？
そうでもなきゃ、無理だぜ。」
あまりの強運にシドも驚きを見せた
こうしてマテリアを手に入れ、後は脱出するのみ！！
急いで脱出ポッドへと向かうが、途中で突然爆発が起こった！！
シド「ぐ……っ！ 畜生！ 足が破片に挟まれちまった……！」
クラウド「シド！！」
ティファ「……だめっ！ 重くて、持ちあがれない……」
シド「オレ様に構うな。早く行け！ 急がないと、
ロケットがメテオにぶつかっちまうぜ。」
クラウド「……仲間を見捨てて行ける訳がない。」
シド「この、ばか野郎……
人の事を心配している場合じゃねぇだろうが！」
クラウド「やるだけは、やってみるさ。」
シド「お前はバカだぜ。ほんとのバカだ。
爆発したのは、８番ボンベ…… ８番ボンベねえ……
やっぱりイカレてやがったのか…… シエラ…… 確かにお前が
正しかったぜ。でもよ…… オレ様もこれで終わりだぁ。」
シエラ 「何言ってるのよ、シド。」
突然、シエラの姿が現れた！！
シド「あん！？ シエラ？！」
シエラ 「ついて来ちゃった。今、助けるから。」
シド「ばか野郎のコンコンちき！！ ……すまねぇ。」
シエラの手伝いもあってか、何とかシドを救出する事が出来た
シエラ 「脱出ポッドはこちらです。急いで下さい。急いで。
脱出ポッドを切り離すわよ。」
シド「おい、シエラ！ このヘッポコポッドは動くのか？」
シエラ 「大丈夫。ついさっきまで私がチェックしていたから。」
シド「………… それなら安心だぜ。」
シエラ 「……ありがとう。」
ようやくシドはシエラを認めたのだ……
そしてロケットからポッドが切り離された
シド「これが…… 宇宙…… はぁ…… 本物の宇宙だぜ……
本当に来たんだな…… 神羅２６号…… あばよ……」
シドは念願の宇宙に来た事で感慨深げだ
ポッドはやがて大気圏に突中、ロケットもメテオに向かって航行を続け、
そしてメテオと衝突して大爆発を起こした！！
激突の瞬間、地球上でも激しい光が覆い尽くした！！
そしてしばらくの静寂……
だがしかし、その爆発はメテオの外殻を砕いたに過ぎない……
世界中で人々が落胆するのであった
クラウド達は仲間達に脱出ポッドを回収してもらい
爆発の様子をハイウインドで見ていたが
ハイウインド
クラウド「ルーファウス達の作戦は失敗だ……」
バレット「情けねえ話だがチビ～っと期待しちまったぜ。」
ケット・シー「さんざん邪魔しといて何やけど…… 他に方法がある訳や
ないし…… ボクらがまちごうったんやろか？」
レッドXIII「悩んじゃうよね。」
ティファ「悩んじゃダメ！ 考えるの！」
シド「おう！ ネエちゃんの言う通りだぜ。悩み始めたらキリが
ねえぞ！ どんどんどんどん悪い方へ落ちてっちまうからな。」
バレット「随分前向きじゃねえかよ！ で、何か考えたのか？」
シド「あ～だこ～だ考えたぜ。宇宙からこの星を見ながらな。
脱出ポッドで海をプカプカ漂ってる時まで考えちまったぜ。」
クラウド「俺も…… 考えた。宇宙…… 星…… 海。広くて大きくて……
俺なんかが動き回っても何も変わらないんじゃないかって。」
シド「そうなのかもしんねえな。でもよ、オレ様が考えたのは
違うぜ。でけえでけえと思ってたこの星も宇宙から見ると
小せえ小せえ。真っ暗な中にぽっかり浮いてやがるんだ。
……とっても心細そうによ。おまけに腹の中には
セフィロスっつう病気を抱えてるんだろ？ だからよ、この星は
子供みてえなもんだ。でっけえ宇宙の中で病気になっちまって
震えてる子供みてえなもんだぜ。誰かが守ってやらなくちゃ
ならねえ。ん～？ それはオレ様達じゃねえのか？」
ティファ「シド…… 何だか素敵。」
バレット「おう！ シドさんよぉ！ オレは感動しちまったぜ！ で、
どうするんだ？ どうやってメテオからこの星を守るんだ？」
シド「………………考え中でぃ。」
思わずみんな呆れる……
レッドXIII「あれっ！？ 何か…… 聞こえた？」
何処からか悲鳴に近い音が聞こえる
ティファ「星の悲鳴…… メテオの……？ ……この星の？」
クラウド「なあ、どうして俺達はこれが悲鳴だって知ってるんだ？」
ティファ「忘れたの？ ブーゲンハーゲンさんが教えてくれたからよ。」
クラウド「ブーゲンハーゲン……」
レッドXIII「じっちゃんに会いに行こうよ！ コスモキャニオンへ！
きっと何かためになる事を教えてくれると思うんだ。」
ティファ「ブーゲンハーゲンさん…… 何か教えてくれるかな？」
バレット「ブーゲンジイさんかよ…… よくわかんねえジイさんだよな。
自然主義者かと思ってたら機械に囲まれて
暮らしてるしよう。」
ケット・シー「内緒やけども…… ブーゲンハーゲンさんは昔っから神羅の
お得意さんやったんです。あ、武器と魔晄は絶対に
買いはらへんかったんですけどね。」
ヴィンセント「コスモキャニオンの機械類はほとんどがガスト博士の
贈り物。神羅製の機械に囲まれ星の不思議に想いを馳せる……
あの老人の中では科学と星が共に生きているのだ。」
レッドXIII「早く早く！ じっちゃんに会いに行こうよ！」
シド「関係ねえけどよ、オレ様の知らねえうちにこの船、
改造されてんだよな。スイッチとかレバーが増えててよ。
気になってしょうがねえぜ。」
ユフィ「何？ どっか着いた？
強いウータイのためとはいえアタシ、辛いよ。」
こうして何とかメテオを防ぐ術を見つけようとコスモキャニオンへと進路を取った
コスモキャニオン
ブーゲンハーゲン「ホーホーホウ。
ワシの知識が必要になったらいつでも歓迎じゃ。」
クラウド「ああ、だから来たんだ。」
ブーゲンハーゲン「どうしたらよいか…… 道を見失ったか？
そういう時は各々自分を静かに見つめるのじゃ。何か
忘れている物が…… 何か心の奥に引っかかっている物が
ある筈じゃ。それを思い出せ……
きっとそれがあんた達の捜している物じゃ……」
クラウド「そんな事言われても…… 思い出せない。」
ブーゲンハーゲン「きっとある筈じゃ。よく心を見ろ！」
ティファ「……ダメ。ねえクラウド。みんなにも来てもらいましょう。」
クラウドは頷き、ＰＨＳでみんなを呼ぶ
ブーゲンハーゲン「どうじゃ、捜し物は見えてきたかの？」
ケット・シー「いやぁ～、さっぱりですわ。」
ユフィ「アタシも！ 全然わかんない！」
クラウド「俺は…… エアリスの事を思い出してた。
いや…… そうじゃない。思い出したんじゃない。
忘れていたんじゃない。そんなのじゃなくて……
何て言うか…… エアリスは、そこにいたんだ。
いつも、俺達の側に。あまりに近すぎて、見えなかった。
エアリスのした事…… エアリスの残した言葉……」
ティファ「そう言えば…… 私も…… そうだった。」
レッドXIII「……オイラも。」
バレット「オレもさ……」
クラウド「セフィロスのメテオを止める事が出来るのは自分だけだと
言っていた。」
ティファ「……でも、エアリスはもういない。」
クラウド「エアリスがやろうとした事…… オイラ達には無理なのかな？」
バレット「オレたちゃ古代種じゃねえからな。」
シド「大体、何だってあのネエちゃんはあんな場所へ行ったんだ？」
クラウド「そうだ！！」
シド「な、何でい。」
クラウド「俺達はそんな事も知らないんだ。エアリスは何を
していたんだ？ 何故逃げもせずにセフィロスに……」
レッドXIII「そうか…… あの場所にもう一度、だね？」
ブーゲンハーゲン「ホーホウホウ。
ワシも乗せていってもらおうかのう。」
レッドXIII「じじ、じっちゃんも！？」
ブーゲンハーゲン「何もそんなに驚かんでもいいじゃろ……
ワシだってたまには外の世界に出てみたいんじゃ。
何故かのう、こんな気持ちになったのは久しぶりじゃ……」
レッドXIII「きっと星がさ、星がじっちゃんを呼んでるんだよ！」
シド「ヘッ、星が呼んでるねえ。」
ブーゲンハーゲン「ホーホーホウ。さあ、行こうかの。」
クラウド「そうだ、ブーゲンハーゲン。もう一つ、頼みがある。
俺達の手元にヒュージマテリアってのがあるんだ。
デリケートな物だから何処か静かな場所に……」
ブーゲンハーゲン「ホーホーホウ。それなら、この上がいいじゃろ。
どれ、早速行ってみるか。機械の動かし方を教えるからようく
見ておくんじゃぞ。ここを、こうすると……」
ブーゲンハーゲンは機械のスイッチを操作すると
上にあるプラネタリウムに着いた
ブーゲンハーゲン「ホーホーホウ。これがそのヒュージマテリアか……
これはまた珍しいマテリアじゃの。これほどのマテリアなら
何か特別な知識を秘めているかもしれんのう。」
クラウド「ヒュージマテリア…… 確かに不思議な輝きだ……」
ブーゲンハーゲン「ホーホーホウ。よしよし。それじゃ出発すると
しよう。下の機械の使い方は覚えたな？
マテリアが見たくなったらまたいつでも来るといい。」
そしてハイウインドに乗り込むと
ハイウインド
ブーゲンハーゲン「ホーホーホウ…… 機械の匂いじゃな。
ワシはこの匂いが好きじゃ。もちろん自然の匂いも
好きなんじゃが…… ん？ 上は甲板かな？ では、ワシは甲板で
時を過ごさせてもらおうか。風の匂いに星の営みを感じ、
機械の匂いに人間の知恵と知識の素晴らしさを感じる……
ホーホーホウ、じゃな。ホーホーホウ。
何処へ連れていってくれるのかな？」
ユフィ「クラウド…… はぁ…… うっぷ。
アタシ、考えたんだけどさ…… フゥ…… どうして
マテリアには魔法とか戦いの知識ばっかりなんだろうってさ。
きっと、古代種ってのは戦ってばかりいたんだよ、きっと。
大変…… ウップ…… だったんだろね。」
ケット・シー「エアリスさん、亡くなってしもた事、お母さんに
伝えたんです。エルミナさん、ずぅっと泣いてはりました……
マリンちゃんも……」
レッドXIII「エアリスはね、時々オイラの鼻を撫でてくれたんだ。
子供扱いされて悔しかったけど、でも、ついつい
喜んじゃうんだ。初めて会った時の事、謝りたかったな……」
バレット「エアリス…… 死んじまったんだよな。
精神エネルギーになって星を巡る…… かぁ？
だとしてもよ、やっぱりよ会える訳じゃねえからな……」
ティファ「エアリス…… どんな気持ちであの祭壇にいたのかしら……」
クラウド「きっと、命を懸けてこの星を……」
ティファ「そうかな？ そうなのかな？ 私は違うと思うの。きっと、
死ぬ事なんか考えてなくて、ちゃんと帰ってくるつもり
だったんじゃないかな？ だってエアリス、よく言ってたもの。
また、この次は、今度は…… エアリス、他の誰よりも明日の事
話してた…… 私達には言わなかったけどきっと大変な
人生だったから…… エアリスは『明日』… 『未来』…
誰よりも楽しみにしてたと思う……
……たくさんたくさん夢があったんだと思う……」
シド「エアリスか……
オレ様のハイウインドにいっぺん乗せてやりたかったぜ……」
ヴィンセント「古代種の都…… 古代種…… 我々も遥かな時を経て後、
そう呼ばれる日が来るかもしれない……
フッ…… フハハハ…… 我々次第と言うわけだ。」
みんな、エアリスの事を改めて思い出した
その存在はかけがえのないもの……
その想いを胸に古代種の都へと向かう
古代種の都に着くとブーゲンハーゲンは何かを感じとった
古代種の都 ブーゲンハーゲン「ここは…… おお…… 確かに……」
クラウド「何かわかりそうなのか？」
ブーゲンハーゲン「……ちと時間をくれんか？」
そう言うと祭壇らしきところに向かった
ブーゲンハーゲン「この部屋に渦巻いている古代種の意識はたった一つの
事を訴えているのじゃ。星の危機…… もう人の力でも
終わりのない時間の力でもどうしようもないほどの星の危機。
そんな時が訪れたらホーリーを求めよ、とな。」
クラウド「ホーリー？」
ブーゲンハーゲン「究極の白魔法ホーリー…… メテオと対をなす
魔法じゃ。メテオから星を救い出す最後の望み。ホーリーを
求める心が星に届けば、それは現れる。ホーホーホウ。
メテオもウェポンもすべて消えてなくなるじゃろう。
もしかしたら、わしらもな。」
クラウド「俺達も！？」
ブーゲンハーゲン「それは星が決める事じゃ。星のとって何が良いのか。
星のとって何が悪いのか。悪しき者は消えてなくなる。
それだけの事じゃ。ホーホーホウ。
わしら人間は、どっちかのう。」
クラウド「ホーリーを求める…… それはどうやるんだ？」
ブーゲンハーゲン「星に語りかけるのじゃ。白マテリアを身に付け……
これが星と人を繋ぐのじゃな。そして星に語りかけるのじゃ。
願いが星に届くと白マテリアが淡～いグリーンに
輝くらしいのじゃ。」
クラウド「……終わりだ。白マテリアはエアリスが持っていた……
でも…… エアリスが死んでしまった時に祭壇から落ちて……
だから…… 終わりだ。」
ブーゲンハーゲン「ホーホーホウ！ ホーホーホウ！ ホーホーホウ！
これを見るのじゃ！」
クラウド「！？」
ブーゲンハーゲン「古代文字じゃ。」
クラウド「読めるのか？」
ブーゲンハーゲン「まったく読めん！！」
クラウド「こんな時に冗談は……」
ブーゲンハーゲン「わしは古代種じゃない。こんなもんは読めんわい！
でもな、こんな老いぼれでも目は悪くなっておらん。
よ～くその文字の下を見て見ろい。」
クラウド「チョークでメモが書き殴ってある…… ……【日の光も届かぬ】
……【鍵】。」
ブーゲンハーゲン「きっとここを発見した学者が解読を試みた跡じゃ……
たった二つの単語を解読して力尽きたのじゃろう。」
クラウド「鍵……？ 何のための？」
ブーゲンハーゲン「わからん…… しかし、きっとここの謎を解くための
何かなんじゃろう。謎……
それはやはりエアリスに関係した事かもしれんのう。」
クラウド「そのメモは鍵のある場所を示しているんだな？」
ブーゲンハーゲン「多分…… さあ、その言葉をヒントに鍵を捜してこい。
ワシはここで古代文字の解読を続けよう。」
クラウド「日の光も届かぬ場所に鍵があるんだな？」
ブーゲンハーゲン「鍵が見つかった時、あるいはどうしても行き詰まった
時にはここに戻ってこい。解読が進み新しい事実が
判明しているかもしれんからのう。
日の光も届かぬ場所に鍵がある…… 忘れるんじゃないぞ。」
クラウド達は一旦ハイウインドに戻った
ハイウインド
ティファ「クラウド……」
バレット「どうするよ、クラウド。いい考え、ないのか？」
シド「はぁ…… クラウドよう。どうすんだ？」
レッドXIII「オイラがもっと大人だったら…… 何か良い考えが
浮かぶのかな？ はぅ…… 大人になりたいなぁ。
この旅が終わったら、大人になれるかな……」
ヴィンセント「……心だけではどうにもならない。
……もどかしいな、クラウド。」
ケット・シー「最近、ボク…… 会議に呼ばれへんのです。
スパイしてんの、バレバレですから。」
ユフィ「クラウド…… 煮詰まってんの？ 空なんか…… 飛んでるから
ダメなんだよ。あ、今、アタシを潜水艦に押し込もうって
思った？ それはヤメテ！ 行くんなら、アタシ、
連れてかないで…… ……うう。何言ってるんだ、アタシ……」
日の光も届かぬ……
そう！ 海底だ！！
クラウドはジュノンに停泊してある潜水艇に乗り込み海底を探索する事にした
海底を進むと潜水艦が沈没している
潜水艦 クラウド「これが俺達の撃沈したボス潜水艦か…… ウップ………
思い出したら気持ちが悪くなってきた。」
『……ヒュージマテリア回収完了…… ……損傷はない模様……』
クラウド「……ふぅ…… ひとまず、良かったな。」
そして更に進むと飛空艇が沈んでいる
前にヒュージマテリアを積んで飛び立った神羅のゲルニカであった
ゲルニカ クラウド「これは、神羅のゲルニカ型飛空艇……
何故こんなところに沈んでいるんだ？ 何だ、ここは……
魔晄ジェネレータがあるという事は何かの研究施設なのか？」
クラウドは辺りを探索すると、意外な人物の姿を見つけた
クラウド「タークス！？」
ルード 「……またか。」
レノ 「どうも最近いろいろと縁があるな、と。この飛空艇には、
セフィロスに対抗するために開発された武器やマテリアが
積んであった。」
ルード 「……しかし、ウェポンに襲われて海の底に沈んでしまった。」
レノ 「ここにある物は渡せない。セフィロスは、我々が倒す。
故に、お前達とはここで永遠のお別れになる、と。」
ルード 「邪魔は、させない。」
タークスが襲いかかってくる！！
しかしこちらの必死の攻撃に
レノ 「こいつら、しぶといぞ、と。」
ルード 「……………………」
またもや逃げてしまった
クラウド「この飛空艇には、神羅の新兵器が積んであったのか……
ここはカーゴルームか…… 酷いな…… メチャメチャだ。」
しかしいくつかの武器を見つける事が出来たので
今後の戦いに役立てる事にした
更に探索を続けると海底洞窟を見つけた
それはカルデラ湖に繋がっていた
その湖に流れ込んでいる滝の裏に洞窟を見つけ
中に入ると……
「セフィロス… ヴィンセント……」
ヴィンセント「この声は！？ まさか… ルクレツィア… なのか…？」
奥に女性の姿が見える
「ヴィンセント……？」
ヴィンセント「ルクレツィア！！」
ルクレツィア「来ないで！！！」
駆け寄ろうとするヴィンセントは一瞬止まる
ふたりの間に一体何があったのか……
ヴィンセントは遥か昔の出来事を思い出していた……
そこはニブルヘイム……
数人の科学者と、それを護衛するタークスの若者がやってきていた
彼らは後に神羅屋敷と呼ばれる館で何やら極秘の研究をするために
ミッドガルから派遣されていたのだ
その科学者の中に彼女－ルクレツィアはいた……
やがて、タークスの若者は彼女に惹かれ始める
しかし…… 彼の告白は彼女には受け入れられなかった……
そしてしばらくして、彼女と、彼女の主任の科学者が抱き合っているのを
目にした若者は自らの身を引く事を決意する
『彼女が、幸せなら私は… 構わない……』
だがしかし、彼女達の研究を知ってしまったタークスの若者は
その主任の科学者に詰め寄った
その研究とは…… ジェノバ計画の人体実験……
『反対だ！！ そんな人体実験を何故！』
『私も、彼女も科学者だ！！』
彼らの決意は、タークスの若者の説得では崩せなかった
『しばらくした後、ルクレツィアに赤ん坊が生まれる…
赤ん坊の名は… セフィロス……』
だがやはり人体実験は危険であった……
ルクレツィアの身に突如襲いかかる体の変調……
その事を知った若者は主任に詰め寄る
激しく責められる主任の科学者は突然若者に隠し持っていた銃を発砲する！！
そして若者の身体を以前からの研究のサンプルとして
何やら施してしまう……
辛うじて命を取り留めた若者だが己の身体の変化に正気を失う
『うわああああーーーーー！！！』
その若者とは……
ヴィンセント「この身体は…… 私に与えられた罰…… 私は……
ガスト博士や宝条……
そしてルクレツィアを止める事が出来なかった……
見ている事しか出来なかった…… それが、私の罪……
ルクレツィア… 生きていたのか…」
ルクレツィア「消えてしまいたかった… みんなの側にいられなかった…
死にたかった…… でも、私の中のジェノバが私を
死なせてくれない…… 最近、セフィロスの夢を見るの…
私の可愛い子供…… でも、あの子が産まれてから
私は一度も抱いていない…… 子供も抱けない…
母親だと言う事も出来ない…… それが、私の罪………
ダメ！！ 来ちゃダメ！ ヴィンセント… 教えて？」
ヴィンセント「何を…」
ルクレツィア「セフィロス… あの子は生きているの？
５年前に死んだと聞いたわ。でも、最近よく夢を見るの…
それに、あの子も私と同じ簡単に死ねない体……
ねぇ、ヴィンセント、あの子は……」
クラウドが思わず言いそうになるがヴィンセントはそれを制すと
ヴィンセント「セフィロスは…… 死んでしまったよルクレツィア…」
そしてヴィンセントは静かに洞窟を出ていった……
彼に出来る、ルクレツィアへのせめてもの気持ちであった……
ルクレツィア－神羅の科学者であった。ジェノバ計画に参加し、その身に宿した子供に
ジェノバ細胞を植え付けて古代種の復活を待ち望んだ。
こうして産まれた子供がセフィロスである。
しかし体内に残るジェノバ細胞のため身体に変調をきたし、
死ねない身体となってしまい、世間から身を隠した。
若き日のヴィンセントが好きになった女性である。
ヴィンセントの悲しき再会ではあったが
セフィロスの出生という秘密という貴重な情報を知る事が出来た
そして再び海底を探索し始める
やがて、目的の鍵を海底で見つけた
クラウド「これがそうなのか……」
『……分析結果…… ……取得物の生成年代は特定不能……
……数千年前の物と判別……』
クラウド「古代種の鍵……」
クラウドは古代種の鍵を回収し、再び古代種の都へと向かう
古代種の都 ブーゲンハーゲン「おお！ 見つけたか！ あそこにあるのが
オルゴールじゃよ。あそこで鍵を使うんじゃ。わしが鍵を
差してこよう。お前達はここにいるんじゃ。そして何が
起こるのかをしかと見ておくんじゃ。ホーホーホウ！」
ブーゲンハーゲンはオルゴールに鍵を差すと
水晶で出来たオルゴールが音色を奏で始める
そして突然空から大量の水が落ちてきて先程までいた祭壇を包んだ
ブーゲンハーゲン「さあ、中に入るのじゃ。そこにあるのは希望か……
それとも……」
クラウドは水をかき分けて祭壇に入った
ブーゲンハーゲン「ここはイメージを投影するスクリーンだったのじゃ！
見てみい！ 水のスクリーンに映ったイメージを！」
そこに映っているのは…… エアリス！！
あの悲劇が映し出されてきたのだ
そして刺された時に髪から外れた白い玉－白マテリア……
その色は……
クラウド「……輝いている。」
ブーゲンハーゲン「ホーホーホウ！！ 淡～いグリーンじゃ！！」
クラウド「……エアリス。エアリスは既にホーリーを唱えていたんだ。
……オレがセフィロスに黒マテリアを渡してしまった後……
夢の中のエアリスの言葉…… セフィロスを止める事が
出来るのは私だけ…… その方法が、秘密がここにある……
そう言ってたんだ。それがホーリー……
自分の持っている白マテリアの意味。白マテリアを自分が
持っている意味。自分がすべき事…… エアリスはここで
知った。エアリスは俺達に大きな希望を残してくれた。
けれども、それはエアリスの命…… エアリス自身の未来と
引き替えに…… ごめんよ…… エアリス。もっと早く
気付いてあげられなくて。……一言も言葉を交わす事なく
俺達の前からいなくなってしまったから……
突然だったから、俺は何も考えられなくて……
だから気付くのが遅れてしまった…… でも、エアリス……
俺、わかったよ。エアリス…… 後は俺が何とかする。」
ティファ「俺・た・ち・でしょ……」
シド「あの花売りの姉ちゃんが置いてったでっけえプレゼント……
封を解いてやんねぇと悲しむぜい！」
クラウド「ありがとう…… エアリス。エアリスの声は星の届いていた。
それは白マテリアの輝きを見ても明らかだ…… でも……
ホーリーは？ どうしてホーリーは動き出さない？ 何故だ？」
ブーゲンハーゲン「邪魔しとるもんがいるんじゃよ。」
クラウド「………あいつか…… あいつしか考えられないな。
……セフィロス。何処にいるんだ？」
クラウドが祭壇から出た時、突然ＰＨＳが鳴った
クラウド「何だ？」
ケット・シー『ヒソヒソ……
（すんません。ちょっと、びっくりしたもんですから。）』
クラウド「どうした？」
ケット・シー『ジュノンのキャノンがのうなってたの覚えてますか？
あれ、実はルーファウスが運んだんです。』
クラウド「運んだって？ あんなデカイ物を……？ 何処に……？ 何故？」
ケット・シー『ルーファウスはあれでセフィロスを倒すつもり
なんですわ。あの大砲はヒュージマテリアの力で動いてます。
でもヒュージマテリアはロケット作戦でつこてしもたから。
もうあの大砲はあのままやと使い物にならんのですな。
せやから移動させたんです。マテリアの……
いや魔晄の力が最大限に集中できる場所に……』
クラウド「それで、それは何処なんだ！？」
ヘリコプターの監視の元、キャノン砲が設置されたところは……
ミッドガル！！
ミッドガル ルーファウス「……という訳でリーブ君。
魔晄炉の出力調整は君の仕事だ。」
リーブ 「はぁ……」
スカーレット「キャハハハハハ！ 調整なんていいわよ、リーブ。
出力全開でガーーーーッと行くのよ！」
ハイデッカー「ガハハハハ！ それにしてもさすが社長！ セフィロスを
倒せばメテオも消えるとは目のつけどころが違いますな！」
スカーレット「社長、忘れないでおいてね。ミッドガルの魔晄炉の力で
砲弾を飛ばすのは私のアイディアなんだから。」
ルーファウス「魔晄キャノンの砲弾は本当に北の果てまで
届くのだろうな。」
スカーレット「キャハハハハ！ もっちろん！
でも社長、魔晄キャノンなんて呼ばないで。
この新兵器の名前は…… シスター・レイよっ！」
クラウド達は急いでミッドガルへと向かう事にした
と、その時！！
クラウド「………？ な、何だ！？」
突然、海の中から巨大なウェポンが姿を現し
ミッドガルへと歩き始めたではないか！！
その様子をハイウインドで見ていたクラウド達
と、急に艦内の警報が鳴りだした
ハイウインド
シド「どうしたい！？」
クルー 「怪電波です！」
シド「どっからだ？」
クルー 「この……人（？）から出てます。」
クルーはケット・シーを指差した
ケット・シーは突然暴れだし
ケット・シー「おっ！ のわっ！
ちょっと驚いてコントロールが乱れてしまいました。
しもたなぁ～……
ウェポンが海から出てきてミッドガルに来よるんです。」
クラウド「新兵器で何とかなるんだろ？」
ケット・シー「準備が間に合うかどうか……」
バレット「おい！ マリンはどうなるんだ！？」
ケット・シー「マリンちゃんは安全な場所にいますわ。
エアリスさんのお母さんも一緒です。」
バレットはその言葉に安心したのか、やれやれと頭をかく
ケット・シー「バレットさん！！ 何ですか、今の『ポリポリ』ってのは！
マリンちゃんが安全やったら後はどうなってもええんですか？
前からアンタには言いたいと思っとんたんですわ！
ミッドガルの一番魔晄炉が爆発した時、
何人死んだと思ってますのや？」
バレット「……星の命のためだったんだ。多少の犠牲は仕方なかった。」
ケット・シー「多少？ 多少って何やねんな？ アンタにとっては多少でも
死んだ人にとっては、それが全部何やで…… 星の命を守る。
はん！ 確かに聞こえは、いいですな！ そんなもん誰も
反対しませんわ。せやからって、何してもええんですか？」
バレット「神羅の奴にどうこう言われたかねえ……」
ケット・シー「…………どうせ、ボクは……」
クラウド「やめろよ。」
ティファ「ケット・シー…… バレットは、もう、わかってる。
私達がミッドガルでやった事はどんな理由があってもけして
許されない。そうでしょ？ 私達、忘れた事ないわよね？
あなたの事だってわかるわ。あなたが会社を辞めないのは
ミッドガルの人達が心配だからよね？ ……クラウド？」
クラウド「よし！ 行くぞ！ 俺達の手でウェポンを倒してやる！」
シド「クラウドよう…… あんなバケモノに勝てるのか？
少しは勝ち目ってのがあるんだろうな？」
クラウド「そんな事はわからない！ しかし、だからと言って
放ってはおけない！ ミッドガルへ行ってウェポンと戦うんだ！
さあ、行くぞ！」
バレット「ウェポンかよ…… でけえよな……
いくらミッドガルだって危ねえだろうな。」
ケット・シー「クラウドさん、ほんま頼みます！ 神羅は許せんかも
しれんけどミッドガルの人達には、何の罪もないんや！」
ヴィンセント「……なかなかセフィロスには近づけないな……」
ティファ「好きとか嫌いとか……
気持ちとは関係なくミッドガルから離れないわね。」
レッドXIII「ミッドガルか…… 宝条に捕まって連れてかれていろいろ
実験されて悔しかったな…… でも、そのおかげでみんなと
会えたんだよね…… いろんな人と出会ったり
出会わなかったり…… 不思議だね。」
シド「そういや、昔、試作ロケットが一機ミッドガルの
スラム街だかに落ちたんだよな。
爆発しなかったって聞いてホッとしたの覚えてるぜ。」
こうしてクラウド達はミッドガルへと向かった
眼下には巨大なウェポンがミッドガルを目指しているのが見える
そしてハイウインドから降り、地上で迎え撃とうとするが
ウェポンは何かを捜しているように辺りを見渡している
ティファ「ど、どうしたの？ まるで何かを求めているみたいに……」
クラウド「いや、何かを…… 感じてるんだ。
……そう、殺気を感じている。」
シド「オレ様の船へ！」
その時またＰＨＳが鳴る
ケット・シー『やばい！ はようここを離れるんや！ でっかいのが……
でぇぇぇっかいのが来るで！』
一方、ここはミッドガル
ここでは今当にウェポンへ向けてのシスター・レイの発射準備が終わり
ルーファウスの司令を待つのみとなっていた
ミッドガル ハイデッカー「ガハハハハ！
社長、シスター・レイの準備が整いました。」
スカーレット「キャハハハハ！ いつでもいいわよ。」
ルーファウス「……やれ。」
ミッドガルの魔晄炉がエネルギーをシスター・レイに送り始め
すべてのエネルギーが集められると辺りは突然の静寂が訪れた
そして一閃が煌めき、ウェポンめがけて発射された！！
一方、それを肌で感じとっていたウェポンは砲撃を迎え撃つべく
エネルギー弾を発射し始めた！！
ハイウインド
ティファ「何処に向かって撃ってるの？」
レッドXIII「ミッドガルだ！」
バレット「マリーーン！！」
ウェポンの放つエネルギー弾の遥か向こうから
突然巨大な光がやってきてウェポンを一瞬で貫いた！！
さすがのウェポンもミッドガルの全魔晄エネルギーの直撃にはかなわなかったようで
大地に崩れ落ちる！！
バレット「……すげえ。」
レッドXIII「ウェポンを突き抜けた……」
クラウド「そうか！ 狙いはセフィロス！ 北の果てのクレーターだ！」
ウェポンを貫いた光は勢いが衰える事なく北へと進む
そして北の大空洞を覆っているバリアに直撃する！！
激しい光が辺りを覆い、数刻後にはバリアもろとも姿を消した！！
ミッドガル オペレーター「報告です！ ウェポン、倒れました！！
クレーター、バリアも消えました！」
その報告にホッとするルーファウス
しかし次の報告に表情は再び険しくなる
オペレーター「報告です！
高密度エネルギーがミッドガルに向かってきます！」
何と、倒れた筈のウェポンであったが
最後の力でミッドガルに総攻撃をかけてきたのだ！！
街中はパニックになり、人々が逃げ惑う！！
「うわーー、ウェポンの攻撃だ！」
「逃げろー！！」
もはやシスター・レイのエネルギーは残っていない……
ルーファウスは社長室でウェポンの攻撃を見つめるしかなかった
そして…… 一弾が社長室を直撃！！
神羅ビル最上階－社長室は大きな爆音と共に崩れさった……
クラウド達はただただハイウインドからその様子を眺めているだけであった
ウェポンはミッドガルに最後の一矢を報いると海中にその身を沈め
二度と浮かんでくる事はなかった……
ハイウインド
クラウド「セフィロス…… どうなったんだ？ 大空洞……
あの場所がどうなったか見に行こう。」
ティファ「いよいよ、セフィロスとの対決ね。
あの大空洞の中、どうなってるんだろう。
セフィロスはじっとしてメテオを待っているのかな……」
シド「今度こそ、か？」
ケット・シー「……セフィロス、どないしとるんやろ。」
レッドXIII「セフィロスを倒せば星を救えるんだよね。怖いけど、
オイラ、頑張るよ。早く行こうよ、大空洞へ！」
ヴィンセント「セフィロスを倒す…… 愛しい女性の息子を倒す……
私はまた罪を犯そうとしているのか…… それとも、
見ているだけだった私に出来る、せめてもの償いか……」
バレット「最初はよ、ビラ貼りだったぜ。アバランチの初めの頃はな。
それが、どうだよ。セフィロスと戦うだぁ？
何か、遠くに来ちまった。そんな感じがするぜ。」
ユフィ「パイロット…… どんな奴？ 揺らさないでくれたら後で
ユフィちゃんがサインしたげるって伝えて……」
ハイウインドは一路北の大空洞へ！！
ハイウインド
クラウド「セフィロスのエネルギーバリアがなくなっている……
シド！ 飛空艇ごとあの中に行けるか？」
シド「あ～ん？ オレ様の弟子がパイロットなんだぜ？
何処だって行けるに決まってるじゃねえか！」
クラウド「そうだな、悪かった。」
バレット「おいケット・シー！ 今度は何だ？」
突然ケット・シーの様子がおかしくなる
ケット・シー「ちょっと待ってくれ！ スカーレット！ ハイデッカー！
どうなってるんだ？」
ケット・シーの本体はミッドガルでハイデッカー達に問い詰めていた
ミッドガル ハイデッカー「わからねえ。社長と連絡がとれない！」
リーブ 「社長やない！ シスター・レイの方や！」
スカーレット「キャハハハハ、何だよリーブ、
おかしな言葉を使うねぇ？」
リーブ 「そ、そんな事はどうでもいいんや！
魔晄炉の出力が勝手にアップしてるんや！」
スカーレット「ちょ、ちょっとマズイよ、それ！
あと３時間は冷やさないとダメ！ リーブ、止めなさい！」
リーブ 「それが出来ないんだよっ！ 操作不能なんや！」
リーブはＰＨＳで部下に確認をとるが
『何者かが本体操作に切り換えています！
こちらからは操作出来ません。』
リーブ 「本体？ 誰が！？ おい、本体を呼び出してくれ！」
ハイデッカー「ん？ どうしてお前が指示するんだ！！」
リーブ 「細かい事はどうでもいいんや！！」
リーブは自分で魔晄炉本体を呼び出そうとする
魔晄炉は何者かが直接操作しているのであった
その者とは……
魔晄炉 宝条 「クックックッ…… セフィロス、待ってろよ。
もうすぐたっぷりと魔晄を送ってやるからな。」
リーブ 『止めろ、宝条！ キャノン、いや、
それどころかミッドガル自体が危ないんだ！』
宝条 「クックックッ…… ミッドガルの一つや二つ安いものだ。」
リーブ 『宝条！ 宝条……！！』
宝条 「セフィロス…… 見せてくれ。さあ…… もうすぐだ。
クックックッ…… 科学を超えて行け…… お前の存在の前では
科学は無力だ…… 悔しいが認めてやる。その代わり……
見せてくれ。クックックッ……」
ハイウインド このやり取りを聞いていたバレットは憤慨し
バレット「おい！ ケット・シー！ 何とかしろ！」
ケット・シー「どうしようもない。宝条が勝手にやってる事だ……？
…？ …？ ア、アレッ！？ いや… 事なんや……」
バレット「もう、とっくにバレてるよ。リーブさん！
今更正体隠してもしょうがねぇだろ？」
クラウド「魔晄炉、止められないのか？」
ケット・シー「……止められへんのや。」
バレット「お前、神羅の人間なんだろ？ どうして無理なんだよ！」
ケット・シー「…………」
シド「てめえ、ここまで来て、
オレ様達を裏切ろうってんじゃねえだろうな！」
ケット・シー「信じろ…… と言っても無駄か……」
シド「この大バカ野郎！ オレ様の言ってる事がわからねぇのか？
神羅もクソも関係ねえ！ 男なら…… いや人間ならこの星を
救ってやるんだ！ って気にならねぇのかよ？」
ケット・シー「アカンのや！
魔晄炉を止めたら大変な事になるんやで！！」
シド「何でだ？ パルプを閉めればいいんじゃねえのか？」
ケット・シー「そや、魔晄炉の汲み出しパイプのパルプを閉めるのは
簡単や…… でもな魔晄炉はエネルギーが地中から抜け出す道を
開けたんや。一度開けたら出るモンが枯れるまで塞ぐ事は
無理なんや…… どんどん湧き出るエネルギーを
無理に塞いでしまうとやな……」
バレット「爆発か！！」
ケット・シー「壱番魔晄炉が爆発した時とは桁違いの大きさや！」
バレット「くそっ……」
ケット・シー「それよりキャノン砲や。ミッドガルに行かなアカン！
それが先決なんや！！」
クラウド「宝条を…… だな。」
一方ミッドガルにいるケット・シーの本体リーブは
ミッドガル リーブ 「クラウド達が来てくれるそうや。邪魔しないでくれよ！」
ハイデッカー「ガハハハハハ！ バカな事を言うな！
お前に命令される覚えなどないわ！
治安維持部門は総力をあげてあいつらを撃退してやる！
あ、あいつらのせいでオレは…… オレはなぁ！」
リーブ 「そんな個人的な事を……」
ハイデッカー「社長は死んだ！ オレはオレのやり方でやる！
ガハハハハハ！」
スカーレット「キャハハハハ。ハイデッカー！ 例の新兵器、使うわよ！」
スカーレットとハイデッカーは部屋を出ていく
リーブはやってきた神羅兵に取り押さえられてしまう
リーブ 「おい！ 待て！！ クラウド、みんな！ すまん…… でも！！」
ハイウインド
ケット・シー「でも！！ でも、来てくれるよな！」
クラウド「もちろんさ！」
シド「オイ！ 船は、テメェに任せるぜ！」
パイロット「ミッドガルに進路を取ります！」
ティファ「大丈夫だよね。クラウドがいる…… みんなも一緒だものね。
私達…… 何でも出来るよね。こんなに頑張ってるんだもの。」
シド「行ったり来たり忙しいじゃねえか！ こんなに
こき使われたんじゃ水着の女神さんもヒイヒイ言ってるぜ。」
バレット「行ったり来たり…… 振り回されるよな。でもよ、オレは
ミッドガルの連中には返しきれねえ借りがあるからよ……」
ケット・シー「何度も何度もすんません。も～ちょい、ボクがしっかり
しとったらこんな事にはならんかったのに……」
レッドXIII「宝条はどうしてこんなに事件ばかり起こすんだろう。
静かに研究だけしてればいいのにさ。」
ヴィンセント「宝条…… 不幸な男。科学的センスのなさ……
つきまとう天才ガスト博士との比較……
ルクレツィアは宝条を守ろうとしてあいつを選んだ……
今ならわかる…… わかるが…… しかし……」
ユフィ「ミッドガル…… 行くの？
あ、アタシ、何処でもいい。早く降ろして。」
パイロット「ミッドガルに到着しました！」
バレット「クラウド、着いたと言ってもミッドガルは、厳戒態勢だ！
スラムからは侵入出来ねえぜ。」
ティファ「スラムからの交通機関は完全封鎖みたいよ……
シド「オイオイ、何のためのハイウインドだ？
オレ様達は、今何処にいる！？」
バレット「あ？ 何処って、ここは……」
シド「地上がダメでも空があるじゃねぇか！」
クラウド「よし！ パラシュートでミッドガルに降下するぞ！！」
仲間達は一斉に甲板へと走り出す！！
クラウド「行くぞ！！」
そして次々とミッドガルに降下していく
こうして厳戒態勢の中、見事に潜入に成功した
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