クラウドは目の前に広がる草原を踏みしめ、北東へと進んだ
しばらくして街が見えてきた
海沿いに位置する、美しい石畳が広がる小さな街－カーム
ミッドガルの近くにあるため、辺りは荒野が広がりつつあるが
この街では高い塀で囲み、それを感じはさせない
この街のシンボルは街の中央に建つ時計塔で
他にもクラシカルな建物が並び、見る者に安らぎを与えている
カーム エアリス「カームに着いたね。」
ティファ「宿屋でみんなが待ってるわ。行きましょう、クラウド。」
エアリス「じゃあ、先、行ってるね。」
クラウドも後を追って宿屋に行くと
バレット達が先に部屋を予約していたらしく、そこへと向かった
エアリス「クラウド、遅い～っ！」
バレット「遅いじゃねぇか！」
クラウド「すまない。待たせたようだな。」
エアリス「これで、みんな揃ったわね。」
バレット「さあて…… 聞かせてもらおうじゃねえか。
セフィロス、星の危機。お前が知ってる事のすべてを。」
クラウド「……俺はセフィロスに憧れてソルジャーになったんだ。
幾つかの作戦をセフィロスと一緒にこなすうちに
俺達は親しくなった。」
バレット「親友ってやつか？」
クラウド「どうかな…… 年も離れていたしセフィロスは自分の事を
ほとんど話さなかった。」
ティファ「………」
クラウド「戦友…… かな。俺達は信頼しあっていた。あの時までは……」
エアリス「あの時？」
しかしクラウドはその問いにはすぐに答えず
クラウド「戦争終結後のソルジャーの任務は神羅に反抗する人達を……
憂鬱な仕事が多かったな。
……あれは５年前。俺は１６歳だった……」
クラウドは５年前の事を思い出す……
そこは、車に乗って移動中のクラウドとセフィロス達の姿であった……
クラウド『凄い雨だな。』
そしてクラウドは気分の悪そうな同行中の兵士に
クラウド『おい、気分はどうだ？』
『……大丈夫。』
クラウド『俺は乗り物酔いなんてなった事ないからな。
良くわからないんだ。』
そしてもうひとりの兵士にも
クラウド『準備はＯＫ？』
セフィロス『おい、お前。もう少し落ちつけ。』
クラウド『新しいマテリア、支給されたんだ。早く使ってみたくて
落ち着かなくてさ。』
セフィロス『……子供か、お前は。』
クラウド『なあ、そろそろ今回の仕事教えてくれよ。』
セフィロス『……今回の任務はいつもとは違う。』
クラウド『それは嬉しいね！』
セフィロス『どうしてだ？』
クラウド『俺はあんたみたいになりたくてソルジャーになったんだ。
それなのにクラス１ＳＴに昇格したのと同時に戦争が
終わってしまった。俺がヒーローになるチャンスが減って
しまった訳さ。だから、そういうチャンスがあるなら俺は
絶対にモノにしてみせる。
な、どういう気分だ？ 英雄セフィロスさん？』
セフィロス『……お前、今回の任務が知りたかったんじゃないのか？』
クラウドは思わず頭をかく
セフィロス『今回の任務は老朽化した魔晄炉の調査だ。異常動作を
起こしているうえに凶暴な動物が発生している。
そいつらを始末しつつ原因を見つけ出し、排除する。』
クラウド『凶暴な動物…… 場所は何処だ？』
セフィロス『ニブルヘイムの魔晄炉だ。』
クラウド『ニブルヘイム…… ニブルヘイムは俺の生まれ故郷なんだ。』
セフィロス『そうか…… 故郷か。』
と、その時車が大きく揺れた
『へ、変な動物が！！ トラックに突っ込んで来ました！』
セフィロス『モンスターのお出ましか。』
セフィロスはクラウドを連れ外に出ると
襲ってくるモンスターを恐ろしく刃の長い刀であっと言う間に切り裂いた
セフィロス－Sephiroth 神羅のソルジャー。先の戦争の活躍で英雄と称される。
無双の剣士としてその名を世界に轟かせ、
超重量長剣正宗を振るい数々の武功を上げてきた。
しかし彼の過去は不明で、その出生は謎に包まれている。
また５年前の事件で死亡と公式記録に記されている。
カーム クラウド「セフィロスの強さは普通じゃない。
世間で知られているどんな強さよりも…… 凄かった。」
エアリス「あれ～？ クラウドの活躍は？」
クラウド「俺か？ 俺はセフィロスの戦いぶりに見とれていたな。」
ティファ「………」
クラウド「……そして俺達はニブルヘイムに着いたんだ。」
ニブルヘイム
セフィロス『どんな気分なんだ？ 久しぶりの故郷なんだろ？
どんな気分がするものなんだ？
オレには故郷がないからわからないんだ……』
クラウド『ええと…… 両親は？』
セフィロス『母の名はジェノバ。オレを生んですぐに死んだ。父は……』
と、急にセフィロスは笑いだし
セフィロス『オレは何を話してるんだ……
さあ、行こうか。魔晄の匂いがするな。』
バレット「ちょっと待った！！」
バレットがクラウドの話を遮った
カーム バレット「な、あれじゃねえか？ セフィロスが言ってた母親の名前……
ジェノバ…… 覚えてるぞ！
神羅ビルにいた首無しの化け物だな！」
クラウド「その通りだ。」
ティファ「ちょっとバレット。クラウドの話、ちゃんと聞かせて。
質問は後よ。」
バレット「でもよぉ、ティファ……」
ティファ「さあクラウド、続けて。」
エアリス「幼馴染みの再会ね！」
クラウド「……ティファには驚かされたな。……村はひっそりしていた。
みんな、モンスターを恐れて家に閉じこもっていたのかな？
いや、俺達を恐れていたのか……」
ニブルヘイム
セフィロス『魔晄炉への出発は明朝。今日は早めに眠っておけ。
見張りはひとりでいいからお前達も休んでおけよ。
そうだったな……
家族や知り合いと会ってきても構わないぞ。』
そう言うとセフィロスは一足早く宿屋に入っていった
また村人が宿屋の側にやってきた
村人 『英雄セフィロスが来るってんでカメラの用意して
待ってたんですよ。
セフィロスとモンスターのツーショットが欲しいんです。』
クラウド『危険だから家に入ってろ』
村人 『はいはい……
（偉そうに）
おろっ？
（こいつは確か……）
あんた…… クラウド君？ ふ～ん…… そっかぁ、
そうなんだぁ。』
クラウドは宿屋の隣の家に入ったが……
村人 『はい、いらっしゃい。あれっ？ あんたは……』
と、その時クラウドの目の前が白く光る
クラウド「……ここへは行ったのかな？ ……覚えてないな。」
バレット「焦れったいぜ！ 関係ないなら先を聞かせろ！」
そしてクラウドはある家に入っていくと
クラウド「ここは…… 俺の家だ。５年前の事件とは関係ないな。」
バレット「でもよ、興味あるぜ。」
エアリス「私も！ 久しぶり、だったんでしょ？」
バレット「聞かせろよ！ 家族と会ったんだろ？」
クラウド「やれやれ…… 家族と言っても…… 親父は…… 俺がまだ
子供の頃に死んでしまった。だから母さんが…… この家には
母さんがひとりで住んでいた。ああ、俺、母さんに会ったよ。
母さんは…… 元気な人だった。全然変わってなかった。
その何日か後には死んでしまったけど…… あの時は……
本当に元気だった。」
そう言ってクラウドは母親との再会を思い出す……
クラウド『あの……』
『は～い？ クラウド！？ お帰りなさい、クラウド！』
クラウド『ただいま、母さん。』
クラウドの脳裏にまた白い光が走る……
どうやらここのところは記憶が曖昧になっているらしい……
『どれどれ…… 晴れ姿、母さんにもよ～く見せておくれ。
ふ～ん。惚れ惚れしちゃうねえ。
これ、ソルジャーさんの制服かい？』
クラウド『…………母さん、俺。』
そうしてまた白く光る
『本当に立派になってぇ。そんなんじゃ、あれだね。
女の子も放っとかないだろ？』
クラウド『……別に。』
『……心配なんだよ。都会にはいろいろ誘惑が多いんだろ？
ちゃんとした彼女がいれば母さん、
少しは安心出来るってもんだ。』
クラウド『……俺は大丈夫だよ。』
『あんたにはねぇ……
ちょっとお姉さんであんたをグイグイ引っ張っていく、
そんな女の子がピッタリだと思うんだけどね。』
クラウド『……興味ないな。』
再び白い光が覆う
この時、クラウドは覚えていたかどうか定かではないが
この場面、クラウドがエアリスの家で見た夢と同じ場面なのであった
『ちゃんとご飯は食べてるのかい？』
クラウド『大丈夫。会社が面倒見てくれてる。』
『そうなのかい。あんた、料理なんて出来ないだろ？
一体どうしてるのかと思ってたんだよ。』
再び、白……
『ねえ、クラウド。』
『でもねぇ、クラウド。』
『そうだろ、クラウド。』
『母さんはね、いつだって、あんたの。』
白い光が続き、断片的に記憶が蘇る……
クラウド「…………もう、やめよう……」
クラウドは自宅での話をやめた……
そして、家を出たクラウドは隣の家に入っていく……
ティファ「ねえ、クラウド…… 私の家にも入ったの？」
クラウド「ああ…… ティファ、いるかなと思って。」
ティファ「クラウド…… 私の部屋にも入ったの？」
クラウド「ああ……」
クラウドは誰もいないのをいい事に、ティファの部屋へと足を踏み入れた
そして、ふとタンスを覗くと何やら目を引くモノがある
クラウドはおもむろにそれを手にした
それはティファの『ちょっと背伸びパンツ』であった
ティファ「クラウド…… それ、本当なの？」
クラウド「ああ……」
ティファ「……クラウド。今は凄く真面目な話をしているんでしょ？」
クラウドは思わず頭をかく
さて、クラウドは部屋にあったピアノに目を付けた
ティファ「私のピアノを弾いたの？」
クラウド「ちょっとだけ。」
クラウドは楽譜を見つけ、弾こうとする
クラウド『俺だって、楽譜くらい読め…… えっと……
ド… レ… ミ… シー… ラー…
ド… レ… ミ… ソ… ファ… ド… レ… ド…
いいや、もう。』
また、クラウドは机の上に置いてあった手紙を見つけた
クラウド『手紙だ……』
ティファ「もしかして読んだの？ 私宛の手紙。」
クラウド「ああ……」
ティファ「内容も覚えているとか……」
クラウド「はっきりと。俺は読んでしまった……
万屋の息子がティファに書いた手紙だった……」
『ティファ、元気か？ 僕は８日前ミッドガルに着いた。
昨日はニブルヘイム出身の仲間達が集まってくれたんだ。
あ、クラウドだけは連絡先がわからなくて呼べなかったけど。
でも、あいつは元々みんなと仲が良かった訳でもないし、
きっと呼んでもつまらないから、まあ、いいんじゃないかって
みんなと話してた。うーん。クラウドの話をしてもしょうが
ない。ミッドガルは凄いところだ。僕ははっきり言って
遅れていて、ダサダサのナントカって感じだった。
スラムの人達でさえ部屋の中はとても綺麗なんだ。
今はお金が無いからスラムに住んでいるけど、
いつかは本で見たようなお洒落な部屋に住んでやるつもりだ。
……などと書いてみたがそのためにはまず仕事を
見つけなくちゃいけない。そうなんだ。まだ、仕事、
見つからないんだ。両親には神羅カンパニーで働き口が
見つかったって嘘の手紙を出してしまった。もう後戻りは
出来ないからな。実家の万屋を継げば良かったなと思う。』
ティファ「ねえ、クラウド…… それ全部覚えてるの？」
クラウド「何故か最後まで覚えている。
俺の事が書いてあったからかな……」
クラウドは手紙の続きを思い出す
『ミッドガルに着いたばかりなのに考えるのはニブルヘイムの事
ばかりなんだ。ねえ、ティファ。あのオンボロ給水塔は
ちゃんと動いているか？ 宿屋のじいさんは元気か？ 僕の
両親は毎日店を開けてるか？ モンスターは襲ってこないか？
何よりティファ、どうしてる？ もう何年も会っていないような
気分だよ。昨日もみんなでティファの話で盛り上がった。
みんなティファが好きなんだ。でも、ティファはみんなの
アイドルだったから仲間を裏切る事が出来なかった。
なーんてカッコつけてたけど本当は告白してフラれるのが
怖かっただけなんだよ。あ、これ以上書くとラブレターに
なってしまう！ だから今回はこの辺で。じゃあ、元気で。
また、手紙書くよ。
Ｐ・Ｓ 返事凄く欲しい。』
こうしてティファの部屋を徹底的に漁ったクラウドは宿屋に向かった
宿屋 宿屋に行くと、顔馴染みの主人が出迎えてくれた
主人 『なんだい？ クラウドちゃん。』
クラウド『村の様子を聞かせてくれ。』
主人 『村の事ねえ…… モンスターが増えたのはここ１年くらいか
ねぇ。それ以外はあんまり変わんないよ。こんなちっこい
村なんて変わりようないさぁ。あの魔晄炉造ってる頃が一番
華やかだったよ。……造ってる頃はねぇ。完成してからは
ダメさぁ。何年もしないうちにお山の木、枯れちゃった
もんねぇ。魔晄炉なんてねぇ、良かったのかねぇ、
悪かったのかねぇ…… 悪かったちゅうは簡単さぁ。
でも、今更ねぇ…… 取りあえず、モンスターがいなくなれば
ねぇ。そうすりゃ、ちょこっとは良くなるさぁ。』
その話を側にいた老人が聞いており
『……ふむふむ。
モンスター退治にやって来た神羅の人間だな？』
クラウド『あんたは？』
ザンガン『私はザンガン。世界中の子供達に武術を教える旅をしている。
弟子は世界中に１２８人！
この村ではティファという女の子が私の弟子になった。』
クラウド『ティファだって？』
ザンガン『ティファはセンスがいいな。彼女は強くなるぞ。』
ザンガン－世界中の子供に武術を教えて回っている旅の格闘家。
ティファの師匠でもある。
２階にはセフィロスが窓の外を眺めていた
クラウド『何を見ている？』
セフィロス『……この風景、オレは知ってるような気がする。…………
……明日は早いぞ。そろそろ眠った方がいいな。』
クラウド『ああ、そうしよう。』
セフィロス『魔晄炉へのガイドは手配しておいた。
若い娘らしいが頼りにしていいものか……』
翌朝、クラウドが目を覚ますと既にセフィロス達の姿はなかった
慌てたクラウドが外に出ると、外でセフィロスが待っていた
セフィロス『ガイドが来たら出発だ。』
その時、そこに居合わせたガイドの父親らしい人が心配そうに
『セフィロス、聞いてくれ。もしもの事があったら……』
セフィロス『……安心してくれ。』
ちょうどその時、ガイドが走ってきた
そのガイドとは…… ティファだった！
ティファ『大丈夫だから、パパ！ 強～いソルジャーがふたりもいるのよ。
ティファです。よろしくお願いします！』
クラウド『ティファ！ あんたがガイド！？』
ティファ『そういう事。
この村で一番のガイドといえば私の事でしょうね。』
クラウド『でも、危険すぎる！
そんな事にあんたを巻き込む訳にはいかない！』
セフィロス『お前が守ってやれば問題は無かろう。
……では、行こうか。』
その時、セフィロスの写真を撮りたがっていた村人が近づき
村人 『あの…… セフィロスさん！ 記念に写真を１枚。
ティファちゃんからも頼んでくれないかな……』
ティファとクラウドに促され、渋々セフィロスは承知した
村人 『行きますよ～！ はい、どうも！
写真が出来たらみなさんにあげますからね！』
こうしてティファをガイドに据え、魔晄炉に向かった
クラウド「魔晄炉はニブル山の中に造られていた。
ニブル山の寒々とした空気、変わっていなかったな……」
ニブル山 ティファに連れられ、山道を歩いていくクラウド達
途中、大きな吊り橋が見えてきて
ティファ『さ、ここからが大変よ！ ついて来て！』
と、橋を渡り始める…… その途中！！
ティファ『は、橋が！！』
突然吊り橋が切れ、ティファ達は下に落ちてしまう！！
気が付くとだいぶ下に落とされていた
セフィロス『無事のようだな。元の場所まで戻れるのか？』
ティファ『この辺の洞窟は蟻の巣みたいに入り組んでいるから……
それにセフィロスさん。ひとり、姿が見えないけど……』
セフィロス『冷たいようだが、捜している時間はない。さあ、
戻れないなら、先へ進むぞ。ここからは一緒に行動する。』
こうして魔晄炉目指して近くの洞窟に入っていくと
クラウド『ここは？』
ティファ『不思議な色の洞窟ね……』
セフィロス『魔晄エネルギーだな。この山は特にエネルギーが
豊富なのだ。だから魔晄炉が造られた。』
そして更に奥へ進むと幻想的な泉が現れた……
クラウド『……これは？』
セフィロス『魔晄の泉。自然の驚異というやつだな。』
ティファ『こんなに綺麗なのに…… このまま魔晄炉がエネルギーを
吸い上げ続けたらこの泉も消えてしまうのね。』
と、泉の中央に煌めく塊を見つけた
セフィロス『マテリアだ。魔晄エネルギーが凝縮されるとマテリアが
出来る。天然のマテリアを見るなんて滅多にない機会だ。』
クラウド『そういえば……
どうしてマテリアを使うと魔法を使う事が出来るんだ？』
セフィロス『そんな事も知らずにソルジャーをやってるのか？
……マテリアの中にはいわゆる古代種の知識が封じ込まれて
いる。大地、星の力を自在に操る知識。その知識が星と
我々とを結びつけ魔法を呼び出す…… と言われている。』
クラウド『魔法…… 不思議な力だ……』
セフィロス『ハハハハハ！』
クラウド『何か変な事言ったか？』
セフィロス『ある男がな、不思議な力なんて非科学的な言い方は許さん！
魔法なんて呼び方もダメだ！
そう言って怒っていたのを思い出しただけだ。』
クラウド『誰だ、それ？』
セフィロス『神羅カンパニーの宝条。偉大な科学者の仕事を引き継いだ
未熟な男だ。コンプレックスの塊のような男だな。』
ティファ『魔晄の泉…… この中には古代種の知識が入っているのね。』
そして、先へと進むとようやく
魔晄炉 ティファ『着いたわ。随分遠回りしちゃったけどね。』
クラウド『ティファはここで待っていてくれ。』
ティファ『私も中へ行く！ 見たい！』
セフィロス『この中は一般人立入禁止だ。
神羅の企業秘密でいっぱいだからな。』
ティファ『でも！』
セフィロス『お嬢さんを守ってやりな。』
セフィロスは兵士にそう伝え、クラウドを引き連れ中に入っていく
ティファは兵士に遮られ
ティファ『ん、もう！ しっかり守ってね！』
さて、中に入ったふたりだが
魔晄炉の奥では何やら大量の大きなカプセルと奥へと続く扉が控えていた
セフィロス『ＪＥＮＯＶＡ…… 何だろう。ロックは…… 開かないか……
動作異常の原因はこれだな。この部分が壊れているんだ。
クラウド、パルプを閉じてくれ。』
クラウドは言われたようにカプセルのパルプを閉じた
セフィロス『何故壊れた……？』
そう言ってセフィロスはカプセルの中を眺めると
セフィロス『……わかったよ、宝条。でもな、こんな事したって
あんたはガスト博士にはかなわないのさ。
これは魔晄エネルギーを凝縮して更に冷やすシステムだ……
本来はな。さて……
更に凝縮すると魔晄エネルギーはどうなる？』
クラウド『え、ええと…… そうだった！ マテリアが出来るんだな。』
セフィロス『そう、普通ならな。でも宝条はこの中にある物を入れた。
……見ろ。窓から中を覗いて見ろ。』
その中には異形の化け物が魔晄に浸かっていた
クラウド『こ、これは！？』
セフィロス『お前達普通のソルジャーは魔晄を浴びた人間だ。
一般人とは違うがそれでも人間なんだ。
しかし、こいつらは何だ？ お前達とは比べ物にならないほど
高密度の魔晄に浸されている。』
クラウド『……これがモンスター？』
セフィロス『そうだ。モンスターを生み出したのは神羅カンパニーの
宝条だ。魔晄エネルギーが創り出す異形の生物。
それがモンスターの正体。』
クラウド『普通のソルジャーって？ あんたは違うのか？
お、おい、セフィロス！』
突然、セフィロスが頭を抱えだした
セフィロス『ま、まさか…… ……俺も？
……オレはこうして生み出されたのか？
オレはモンスターと同じだというのか……』
セフィロスは狂ったようにカプセルを斬りつける
クラウド『……セフィロス。』
セフィロス『お前も見ただろう！ こいつらの中にいるのは……
まさしく人間だ……』
クラウド『人間！？ まさか！』
セフィロス『……子供の頃からオレは感じていた。オレは他の奴らとは
違う。オレは特別な存在なんだと思っていた。
しかし、それは…… それはこんな意味じゃない。』
と、その時カプセルの一つが大きく揺れたかと思うと
中からモンスターが苦しそうに出てきた
その様子を見ていたセフィロスが漏らした言葉をクラウドは聞き逃さなかった
セフィロス『オレは…… 人間なのか？』
カーム クラウド「セフィロスが何を言っているのかその時の俺には良く
わからなかった。俺は何よりも神羅カンパニーがモンスターを
創っていたという事にショックを受けていた。」
バレット「くっ…… 神羅めっ！ ますます許せねえ！」
ティファ「……あの魔晄炉にはそんな秘密があったのね。」
レッドXIII「ここ数年来のモンスターの増加にはそういった理由が
あったのか。これからのクラウドの話はじっくりと聞く必要が
あるな。そうではないか、バレット？」
バレット「（な、何でオレに話をふるんだ！？）
このまま話を続けてくれ。」
エアリス「ねぇ、ティファ。あなたはずっと外で待ってたの？」
ティファ「………ええ。」
クラウド「俺達はニブルヘイムへ戻った。
セフィロスは宿屋に篭もり誰とも言葉を交わそうとしない。」
ティファ「そしていなくなったのよね。」
クラウド「セフィロスが見つかったのはニブルヘイムで一番大きな
建物。」
ティファ「村の人達は神羅屋敷と呼んでいたわ。
私達が生まれた頃にはもう空き家になっていて……」
クラウド「昔、その屋敷は神羅カンパニーの人間が使っていた……」
再び５年前のニブルヘイムへ……
クラウドは知らせを受けて神羅屋敷へと向かった
が、しかし……
神羅屋敷 神羅兵 『セフィロスさんの姿が見えないんだ。
確かに、この部屋に入っていったのを見たんだけど……』
クラウドは部屋に入ってみると確かにセフィロスの姿はない
が、壁が少し不自然になっているのを見つけ
それが隠し扉になっているのを発見した
扉の奥は螺旋階段が地下へと続いていた……
地下は書庫になっており、そこにセフィロスはいた
セフィロスはそこにある書物を一心不乱に読んでいるところだった
セフィロス『……２０００年前の地層から見つかった仮死状態の生物。
その生物をガスト博士はジェノバと命名した……
×年×月×日。ジェノバを古代種と確認……
×年×月×日。ジェノバ・プロジェクト承認。
魔晄炉第１号使用許可……』
セフィロスは本から目を離すと
セフィロス『オレの母の名はジェノバ…… ジェノバ・プロジェクト……
これは偶然なのか？
ガスト博士…… どうして何も教えてくれなかった？
……どうして死んだ？』
クラウドが話しかけようとすると
セフィロス『ひとりにしてくれ。』
クラウド「それ以降セフィロスは神羅屋敷に篭もりきりになった……
まるで何かに取り憑かれたかのように書物を読みあさり、
地下室の明かりは決して消える事はなかった……」
それからしばらくして、クラウドは夜中、ふと目が覚めた
嫌な胸騒ぎがして、セフィロスの元へと行くと……
セフィロス『クックックッ……』
地下室に行くとセフィロスの妖しげな声が聞こえてきた
セフィロスはクラウドを見ると
セフィロス『誰だ！！ フッ…… 裏切り者め。』
クラウド『裏切り者？』
セフィロス『何も知らぬ裏切り者よ。教えてやろう。
この星は元々セトラの物だった。セトラは旅をする民族。
旅をして、星を開き、そしてまた旅…… 辛く、厳しい旅の
果てに約束の地を知り、至上の幸福を見つける。
だが、旅を嫌う者達が現れた。その者は旅する事をやめ、
家を持ち、安楽な生活を選んだ。セトラと星が生み出した物を
奪い、何も返そうとしない。それがお前達の祖先だ。』
クラウド『セフィロス……』
セフィロス『昔、この星を災害が襲った。お前達の祖先は逃げ回り……
隠れたお陰で生き延びた。星の危機はセトラの犠牲で
回避された。その後でのうのうと数を増やしたのがお前達だ。
セトラはこうしてレポートの中に残るだけの
種族になってしまった。』
クラウド『それがあんたとどういう関係があるんだ？』
セフィロス『わからないか？ ２０００年前の地層から発見され
ジェノバと名付けられた古代種。そしてジェノバ・
プロジェクト。ジェノバ・プロジェクトとは古代種……
つまりセトラの能力を持った人間を創り出す事だ。
……創り出されたのはオレだ。』
クラウド『つ、創り出された！？』
セフィロス『そう。ジェノバ・プロジェクトの責任者、
天才的科学者ガスト博士が俺を創り出した。』
クラウド『そんな事…… どうやって……』
セフィロスは静かに歩き始める
クラウド『セ、セフィロス？』
セフィロス『邪魔するな。オレは母に会いに行く。』
セフィロスは屋敷から出ていった
クラウドも慌てて外に出るが、そこは……
そこは炎に包まれた地獄と化したニブルヘイムの街であった
至るところで人が倒れている
ただひとり、必死で助けている人－宿屋にいたザンガンを除いて……
ニブルヘイム
ザンガン『おっ、あんたか！ あんたは正気なんだろうな？
それならこっちに来て手伝ってくれ！
俺はこの家を見てくる。あんたはそっちの家を！』
クラウドは自宅に入ろうとしたが、炎が邪魔をする……
クラウド『酷い…… セフィロス…… 酷すぎる……』
と、炎の向こうでクラウドの瞳に映ったのは
村人を残虐に斬り倒すセフィロスの姿であった
その瞳は既に正気ではなく、薄笑いを浮かべると炎の中に消えていった……
クラウドはセフィロスを追ってニブル山の魔晄炉へと向かった
そして、魔晄炉の中で見たのは
セフィロスによって無惨にも斬り殺された男性と
その遺体に寄りすがる少女－ティファの姿であった……
魔晄炉 ティファ『パパ…… セフィロスね！ セフィロスが殺ったのね！
セフィロス…… ソルジャー…… 魔晄炉…… 神羅……
全部！ 全部大キライ！』
そうしてティファは側に落ちていたセフィロスの刀を拾って
奥へと走り出した！！
クラウドも慌ててその後を追いかける
奥のカプセルのある部屋の扉にセフィロスはいた
セフィロス『母さん、会いに来たよ。この扉を開けておくれ。』
ティファ『よくもパパを！ よくも村のみんなを！』
ティファはセフィロスに斬りかかるが
逆に翻ったセフィロスに刀を奪われて斬られてしまう！！
ティファの体は大きく反り返って宙を舞い、階段に叩きつけられた
クラウドが着いたのはちょうどその時であった
ティファ『……ピンチの ……時には
……来てくれるって約束したのに……』
クラウドはティファを脇へと運んで寝かすと
ティファの仇とばかりにセフィロスの元へと行く！！
セフィロスは更に奥の部屋でそこに置かれている
チューブが付けられている人形らしき物に向かって何やら語りかけている
セフィロス『母さん、一緒にこの星を取り戻そうよ。
オレ、いい事を考えたんだよ。約束の地へ行こう。』
クラウド『セフィロス…… 俺の家族を！ 俺の故郷を！
よくも殺ってくれたな！』
セフィロス『クックックッ…… 母さん、また奴らが来たよ。
母さんは優れた能力と知識、そして魔法で
この星の支配者になる筈だった。けど、アイツラが……
何の取り柄もないアイツラが母さん達から
この星を奪ったんだよね。でも、もう悲しまないで。』
そう言うとセフィロスは人形を引き剥がし、チューブをちぎった！！
人形から赤い体液が流れ出し、火花が飛び散る
そして人形の裏には『ＪＥＮＯＶＡ』と銘打たれた
人か化け物かわからない物が出てきた
クラウド『俺の悲しみはどうしてくれる！ 家族…… 友達……
故郷を奪われた俺の悲しみは！！
あんたの悲しみと同じだ！』
セフィロス『クックックッ…… オレの悲しみ？ 何を悲しむ？
オレは選ばれし者。この星の支配者として選ばれし存在だ。
この星を、愚かなお前達からセトラの手に取り戻すために
生を受けた。何を悲しめと言うのだ？』
クラウド『セフィロス…… 信頼していたのに……
いや、お前は、もう俺の知っているセフィロスじゃない！』
クラウドは剣を構え、セフィロスと対峙する……
と、ここでまたもや白い光が覆う
カーム クラウド「……この話はここで終わりなんだ。」
バレット「ちょっと待てよ！ 続きはどうなったんだ？」
クラウド「……覚えていない。」
エアリス「セフィロスはどうなったの？」
クラウド「実力から言って、
俺がセフィロスを倒せたとは思えないんだ。」
ティファ「公式記録ではセフィロスは死んだ事になっていたわ。
新聞で見たもの。」
エアリス「新聞は神羅が出しているのよ。信用出来ない。」
クラウド「……俺は確かめたい。あの時、何があったのかを。
セフィロスに戦いを挑んだ俺はまだ生きている。
セフィロスは、何故俺を殺さなかったのか？」
ティファ「……私も生きているわ。」
エアリス「何だか、いろいろ、変。ねえ、ジェノバは？
神羅ビルにいたのはジェノバ、よね？」
クラウド「神羅がニブルヘイムからミッドガルへ運んだのは確実だな。」
ティファ「その後、また誰かが持ち出した？
神羅ビルからも無くなってたわよ。セフィロス……？」
バレット「が～～～っ！ 訳がわかんねえ！
オレは行くぜ。オレは行くぜ！ オレは行くぜ！！
考えるのはお前達に任せた！
おい、クラウド！ 出発の準備を整えろ！」
クラウド「ちょっと待て。」
バレット「クラウド、何を躊躇う！ セフィロスが約束の地に向かうのを
黙って見ているのか？ セフィロスも神羅も約束の地には
行かせねえ。行かせちまったら取り返しのつかねえ事になる。
オレにわかるのはそれだけだぜ！」
クラウド「それだけか？ やれやれ……」
バレット「いいじゃねえかよ！ それで、充分だぜ！」
バレットは勇んで部屋から飛び出していった
クラウド「やれやれ……」
ティファ「……… ……ねぇクラウド。
セフィロスに斬られた私はどんな風だった？」
クラウド「もうダメだと思ったよ。……悲しかったよ。」
ティファ「………」
ティファは何か伏し目がちになっていた……
エアリスも自分の境地に戸惑っているようで
エアリス「私…… 古代種…… セトラ…… ジェノバ……
セフィロス…… 私……」
ティファ「行きましょう。バレットが待ってるわ。」
レッドXIII「実に興味深い話だ……」
宿屋の１階ではバレットが待っていた
バレット「おい、クラウド。これを渡しておくぜ。」
バレットからＰＨＳを受け取った
バレット「『ＰＨＳ』があれば互いの連絡が取りやすくなる。
じゃあな、オレ達は行くぜ。」
ところで街の人の話によると
刀を持った黒マントの男が東の草原に歩いていったとの事であった
きっとセフィロスに違いない
クラウド達は街を出、東に進み、途中の沼地を越えると
洞窟へと着いた
そこで目にしたものは
巨大な大蛇が無惨にも木に串刺しにされている姿であった……
ミスリルマイン
クラウド「セフィロスが…… 殺ったのか……」
エアリス「こんな事やっちゃう人が私達の相手……」
ティファ「凄い……」
バレット「とんでもねえ強さだな。セフィロスって奴は。」
レッドXIII「怖るべき力…… だな。」
セフィロスの力に凌駕されたが
セフィロスを追うため洞窟へと足を運ぶのであった
洞窟を歩いていると、突然
ルード 「ちょっと待った！」
神羅ビルで出会ったタークスの男が待ち受けていた
エアリス「あなた、もしかして？」
ルード 「俺が、誰だかわかるか？」
クラウド「タークスだろ？」
ルード 「知っているのなら話は早い……
俺達タークスの仕事を説明するのは難しい……」
クラウド「人さらいだろ？」
ルード 「悪意に満ちた言い方をするとそうなる…… ……しかし今は
それだけではない。…………………… ……………………」
ルードがどう言っていいのか言葉に詰まっていると
「先輩！」
そこに、金髪の女性の姿が現れた
イリーナ「ルード先輩！ 喋るの苦手なんだから無理しないで下さい。」
ルード 「……イリーナ、頼む。」
イリーナ「私、タークスの新人のイリーナ。
レノがあんた達にやられてタークスは人手不足。
……お陰で私、タークスになれたんだけどね……
ま、それはともかく私達の任務はセフィロスの行方を
突き止める事。それから、あんた達の邪魔をする事。
あ、逆だったか。私達の邪魔してるのはあんた達だもんね。」
ツォン 「……イリーナ。喋りすぎだぞ。」
イリーナ「ツォンさん！？」
ツォン 「我々の任務、彼らに教えてやる必要はない。」
イリーナ「すいません…… ツォンさん。」
ツォン 「お前達には、別の任務を与えてあった筈だ。
行け。定時連絡を欠かすなよ。」
イリーナ「あっ！ そうでした！
それでは、私とルード先輩はジュノンの港へ向かった
セフィロスを追いかけます！」
ツォン 「……イリーナ。私の言葉の意味がわからなかったようだな。」
イリーナ「あっ！」
ツォン 「……行け。セフィロスを逃がすなよ。」
ルード 「はっ！」
イリーナ「はっ！」
ルード 「……レノが言ってた。君達に負わされたケガが治ったら
挨拶したいと。親愛なる君達のために新しい武器を
見せたいそうだ。」
こうしてルードとイリーナは出ていった
ルード－Rude 寡黙な性格のタークスの一員。普段は無口で、更にスキンヘッドに
サングラス、無精髭と人を寄せ付けない雰囲気ではあるが、
実際は仲間思いで生真面目である。
特にレノとは親しく、彼とは良く酒を飲み交わす仲である。
狙撃テクニックは神業的で、スナイパーとしての活躍が多い。
イリーナ－Yrena レノの負傷により補填されたタークスの紅一点。
リーダーであるツォンを慕っている。仕事に対しては人一倍責任感が強く、
タークスに対しての誇りも相当なものである。
ただ、それが逆に強すぎるのが彼女の欠点ではあるが……
ツォン 「さて…… エアリス…… 久しぶりだな。しばらくの間、
君は神羅からは自由だ。セフィロスが現れたからな。」
エアリス「……何、言いたいの？ セフィロスに感謝しろって？」
ツォン 「いや…… あまり会えなくなるが元気でな。」
エアリス「……あなたに、そんな事言われるなんて、不思議。」
ツォン 「では、諸君。
出来れば神羅の邪魔はしないでもらいたいものだな。」
こうしてタークスは洞窟を出ていった
クラウドも洞窟を出て、次なる地へと森を歩いていると
突然、女の子が襲ってきた！！
思わず驚いたが、体勢を立て直して何とか倒すと
エアリス「だ～れ？ あの娘……」
ティファ「クラウド、あの娘知ってるの？」
「チクショ～…… このアタシが負けるなんて……
やい、このツンツン頭！ もう１回、もう１回勝負だ！」
クラウド「興味ないね。」
「ム、逃げる気？ ちゃんと勝負しろ！ しろったらしろ！
シュッシュッ…… どうしたどうした！
アタシの強さにビビッてんだろ！！」
クラウド「……まあな。」
「へへ、やっぱりそうか。ま、アタシの実力から言えばそれも
当然だネ。アンタらも頑張れよ。
また気が向いたら相手してやるからさ、んじゃね！
ホントに行っちゃうからね！ ホントのホントだよ！」
クラウド「ちょっと待った。」
「何だよ、アタシにまだ何か用？ ……ハハーン。
さてはアレかな？ アタシがあんまり強いんで是非助けて
欲しいと！ このアタシに一緒に来てくれと！ そう言う事？」
クラウド「……そう言う事。」
「へへへ、やっぱりねえ。いや、参ったなあ。ウーン、
どうしようかなあ。でも、そこまで言われちゃこのアタシも
断れないし…… よし、わかった！
アンタらについてってやるよ！」
クラウド「……先を急ごう。」
「あれ、ちょ、ちょっと…… ちょっと！ アタシまだ名前……
アタシ、ユフィ！ ひとつヨロシク！
へへへ…… 上手くいったよ。後はアレをナニして……
クックック……
オ～イ、待ってよ！ 待ってってば～！！」
こうして何やら裏がありそうなユフィが仲間になった
ユフィ－Yuffie Kisaragi 東国ウータイ出身のくのいち。自称マテリアハンター。
１０数年前の戦争で負けてすっかり観光地になってしまった故郷を
盛り返すべく各地で健気にもマテリアを集めて
強いウータイを復活させようと企んでいる。
目的のためには手段を選ばず平気で嘘を言い並べようとするが、
まだ１６歳と幼さが残るため、よくボロを出す。
それがばれると動揺を隠せないという一面も持つためなかなか憎めない。
乗り物には弱く、酔いには悩まされているところもなかなか愛敬がある。
Transcript from: http://members2.jcom.home.ne.jp/ffstory/ff/index.html
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