そして、とある1軒屋に着くと、そこで意外な情報を得る事が出来たのだ
武器職人の小屋
男 「ん? また客か。こんな、へんぴなところによくもまあ。けど、
一足遅かったな。『キーストーン』ならもう、ねぇよ。」
クラウド「キーストーン?」
男 「なんだ、お前らあれ目当てで来たんじゃないのか?
『キーストーン』ってのはこの世界の何処かにある古~い、
神殿の扉を開ける鍵よ。
聞いて驚け、その神殿とは何と古代種の神殿だ!!」
クラウド「古代種の神殿……」
男 「ゲラゲラゲラゲラ。気にすんなよ。
ただの言い伝えなんだからよ。ん? 何だ?」
クラウド「キーストーンは何処だ?」
男 「売っちまったよ。いや~よ、オレも売る気は無かったんだけど
ど~も、あの人の有無も言わさぬ迫力に負けちまってツイ…」
クラウド「何処の誰に?」
男 「ゴールドソーサーで園長をやっている『ディオ』だよ。
何か展示室に飾るって言ってたから行ってみな。」
クラウド「神殿は何処だ?」
男 「だから、言い伝えだって。まぁ、けど本当にあったら
おもしれぇな。そういやぁ、こんな話聞いた事あるぜ。
古代種の神殿には『究極の破壊魔法』が隠されてるとか
なんとかな…」
クラウド「究極の破壊魔法……」
男 「だ・か・ら! 本気にするなって言うの。」
キーストーンを求めて再びゴールドソーサーへと向かうクラウド
ディオの部屋に行くとキーストーンは飾られていた
ゴールドソーサー
クラウド「キーストーンだ……」
ディオ 「はっはははははは、久しぶりだな少年よ。ん?
それが、気に入ったのかね?」
クラウド「これを貸してもらえないか?」
ディオ 「はっはははは、残念だが、貸し出しは禁止だよ。ふ~む。
しかし、話によっては譲らない事もない。
君達には、借りもあるしねぇ。」
クラウド「条件は?」
ディオ 「はっははははは! 私を楽しませてくれたまえ!」
クラウド「何をすればいい?」
ディオ 「そう来なくては! はっはははは、そう難しい事ではないよ。
ここは、闘技場だ。少年のその力、私に見せてくれたまえ。
少年ひとりでな。期待しているぞ!」
こうしてクラウドは闘技場にてバトルをする事になった
クラウドは必死に戦うと……
ディオ 「ふ~む、こんなものか。まぁ、良かろう約束だ。持って
いきたまえ。では、また会おう少年! はっはははは。」
何とかキーストーンを手に入れ
ゴールドソーサーを出ようとロープウェイに向かったが……
係員 「あっ、お客さん。申し訳ございません。
ロープウェイが故障してしまいまして。」
クラウド「……と言う事は?」
係員 「申し訳ございません!
修理が終わるまでここから出られないのです。」
その時ケット・シーがやってきて
ケット・シー「どないしたんですか? じゃあないな~
時々あるんですわ。せや! ここのホテルに泊りましょ!
ちょっと、顔きくんですわ。話つけてきます~」
係員 「修理が終わり次第連絡させていただきます。」
こうしてホテル(ゴーストホテル)に泊まる事になった……
ゴーストホテル
ケット・シー「そういや、全員揃うのは滅多にありませんな。
クラウドさん、どうやろう。
この辺でここまでのまとめ、やってもらえませんか?
ボクは途中参加やからよぉわからんとこあるんです。」
シド「おっ! 賛成だぜ!」
ヴィンセント「それはいい考えだ。」
バレット「オレは最初からいるけど良くわからなくなっちまった。
クラウド、何がどうなってんだ? まとめてくれ!」
クラウド「やってみよう。ふう……
俺達はセフィロスを追いかけている。
セフィロスは約束の地を目指している筈だ。」
シド「約束の地だぁ?」
クラウド「魔晄エネルギーに満ち溢れた豊かな土地。
……これは神羅の考え方だ。実際にはどんなところなのか
何処にあるのかすらわからない。」
エアリス「セトラの民は約束の地へ帰る。
至上の幸福が約束された運命の土地。」
バレット「セトラノタミ? 何だ、それ?」
エアリス「古代種は自分達の事をそう呼んでいたの。ねえ、
コスモキャニオンで長老達の話、聞かなかったの?
……古代種も約束の地、何処にあるか知ってるわけじゃ
ないって事。求めて、旅をして、感じるの。
ああ、ここが約束の地だ、ってね。」
クラウド「エアリスも…… わかるのか?」
エアリス「多分、ね。」
ティファ「セフィロスが世界のあちこちを歩き回ってるのは
約束の地を捜してるのね。」
エアリス「それだけじゃない、きっと。他にも捜してる物がある。」
クラウド「黒マテリア…… だな。」
ケット・シー「ディオさんから、聞きましたで。
黒マントの男が黒マテリア捜してるって。」
ティファ「その黒マントもわからないわ。
数字の入れ墨がある黒マントの人達。何人いるのかしら?」
レッドXIII「……あのさ。オイラの入れ墨は13なんだけど。」
クラウド「その入れ墨は…… どうしたんだ?」
レッドXIII「……宝条にやられたんだ。
他のは戦士の魔除けだけど数字だけは宝条がやったんだよ。」
ティファ「最低でも13人!?」
エアリス「……あのね。黒いマントの人達は宝条に何かをされた人達だと
思うのね。セフィロスとの関係……
それ、良くわからないけど。だから、
セフィロス本人だけ追いかければいいんじゃないかな?」
バレット「それ、賛成だぜ! ややこしくてしょうがないからな。」
エアリス「それにね…… ゴメン、何でもない!
私、疲れちゃった。部屋、行くね。」
ケット・シー「何やねん、急に!」
ユフィ「おっ! 終わり? アタシも寝るよ!」
ケット・シー「もう、おしまいですか?
黒マテリアの話は、どうなったんです?」
クラウド「話したって何もわからないさ。」
バレット「行動あるのみ、だぜ! 明日だ、明日!」
レッドXIII「クラウド…… オイラ、ナンバー13だ。
オイラもおかしくなっちゃうのかな?」
ティファ「宝条が何をしたのかわからないけど
今まで、大丈夫だったんでしょ?」
レッドXIII「でも……」
ティファ「弱気にならないで。」
レッドXIII「でも、オイラ……」
ティファ「しつこいわよ、レッドXIII! ウジウジしないで!」
クラウド「ティファ?」
ティファ「不安なのはあなただけじゃないのよ!」
ケット・シー「何や知らんけど変な事になってしまいましたな~」
ヴィンセント「おい、シド。部屋に戻るぞ。」
シド「グー…… グー……」
こうして解散となり、各自部屋に戻った
クラウドはこれからの事を考え、なかなか寝付けなかった
その時、ふと誰かがドアをノックしている
そして入ってきたのは、エアリスであった……
エアリス「エヘヘ!」
クラウド「どうしたんだ?」
エアリス「デート、しない?」
クラウド「はぁ?」
エアリス「デ・ー・ト! した事ないの?」
クラウド「バカにするな。」
エアリス「あ、ムキになるの、怪しい。
まぁ、いいわ。さ、行きましょ。」
クラウド「お、おい。」
エアリスは強引にクラウドを誘った
ゴールドソーサーの入り口に行くと係員がこちらを見かけ
「さあ、今夜はマジカルナイト!
すべてのアトラクションは無料になっているよ。
あっ、どうです、そこのおふたりさん。
今から、こちらのイベントスクェアで楽しいショーが
始まりますよ!」
エアリス「ねぇ、行ってみよ。」
そうしてエアリスに半ば強引に連れられると
「おめでとうございます!!
あなた方が本日100組目のカップルです!!!
あなた方がこれから始まるショーの主人公です!!!!」
クラウド「はぁ?」
「難しい事はありません。あなたは好きにしてくだされば
ショーのプロが話をまとめますので。ささ、こちらへ。」
クラウド「お、おい。」
エアリス「わぁ、面白そう。早く行きましょ、クラウド。」
そうして何故かショーに出る事になってしまった
舞台では既に準備が出来ておりナレーションが鳴り響く
ナレーション「平和なガルディア王国に突如として襲いかかる、
邪悪な影… ああ、悪竜王ヴァルヴァドスにさらわれた
姫君ルーザの運命はどうなってしまうのでありましょうか…
しかし、その時! 伝説の勇者アルフリードがガルディア王国に
現れたのであります!!」
そこに現れたのが勇者アルフリードに扮するクラウド!!
更に兵士が現れ
兵士 「おお~、あな~たこそ~ 伝説の勇者~、アルフリ~ド!」
クラウドは何が何だかわからずにキョロキョロしていると
兵士 「ちょっと、アンタだよ。」
クラウドは「俺か?」と自分を指さすと
兵士 「そう、アンタ。オホン!
おお~、あな~たこそ~、伝説の勇者~、アルフリ~ド!
何故かわかりま~す、わかるので~す。
どうか~、どうか、ルーザ姫をお救い、くださ~~~い。
さあ~、王様に~、おはな~しを~~!!」
王様も現れ
王様 「おお~、勇者アルフリ~ド。私の愛しいル~ザを救うために~
やってきた~ 悪竜王ヴァルヴァドスの住処は~ 遥か険しい
山の上~。哀れル~ザは捕らわれの身~
しか~し今のお前では悪竜王には勝て~ん!
お前の力とな~る者に語りかけよ~」
クラウドはその時現れた魔法使いに話しかけると
魔法使い「わた~しは大魔法使いボーマン~
お前~は何を知りたいの~?」
アルフリード「悪竜王~の~弱点。」
魔法使い「ああ~悪竜王の弱点。それは~、それは~
そう! それは真実の~愛!
愛し合~うふたりの力こそが~、
悪竜王の邪悪な~る牙に打ち勝つただ一つの武器~!」
ナレーション「何と言う事で~ありましょう~!
おお! 勇者よ~、あれを見よ~!」
そこに現れたのはエアリスを抱えた悪竜王の姿である
悪竜王 「ガハハハハ~! 我こそは~、悪竜王ヴァルヴァドス~!
さらった姫に~、何もしないで待っていたぞ~!」
姫 「お助け~下さい~、勇者様~!
……こんな感じ?」
悪竜王 「ガハハハハ~! 行くぞ勇者アルフリ~ド~!
何で~、名前を知っているかは気にするな~!」
魔法使い「さあ~勇者よ~! 今こそ汝の~愛する者に~、口づけを~!
真実の愛の~力を~!!」
クラウドはエアリスの前に跪き、その手に口づけをした
姫 「クラウド…… じゃなかった、アルフリ~ド~」
悪竜王 「ウギャアア~、俺は~愛の力に弱~いんだあ~!!」
そういうと姿を消し去った
王様 「おお見よ~! ふたりの愛の~勝利だ~!
さあ皆の者~、戻って~祝いの宴を~」
「そうしよ~、そうしよ~」
ナレーション「ああ、何と強い愛の力でありましょう……
伝説の勇者アルフリードの物語はこうしてめでたく
幕を閉じるのであります。」
見ていた観客も拍手大喝采!!
ショーは大団円で幕を閉じた……
エアリス「あ~、面白かった。ね、次はゴンドラ乗ろう。」
次はゴンドラ乗り場へと連れられていった
エアリス「ふたりお願いしま~す。」
「はい、おふたり様ですね。では、ゴールドソーサーの景色を
ごゆるりとお楽しみ下さい。」
ふたりがゴンドラに入るとゆっくりと動き出し
ゴールドソーサーの景色を窓に映し出した……
エアリス「わあ、凄~い。あっ! クラウド見て。」
ちょうどそこではチョコボレースが行われており
ゴンドラのすぐ脇をチョコボ達が駆け抜けていく……
エアリス「わあ、きれ~」
エアリスの言葉にクラウドも外を見ると
たくさんの花火がゴンドラ周辺で花開いている……
エアリス「……綺麗だね。」
そうしてエアリスは視線を窓から離し、クラウドを見て……
エアリス「……初めはね、そっくりだったから気になった。
全然別人なんだけど、そっくり。歩き方、手の動かし方……
あなたの中に彼を見ていた…… でも、違うの。今は、違う……
ね、クラウド。私、あなたを捜してる。」
クラウド「………………?」
エアリス「あなたに会いたい。」
クラウド「俺はここにいる。」
エアリス「(うんうん、わかってる…… でも。)
あなたに…… 会いたい。」
こうしてゴンドラでの一時は終わった……
エアリス「今日は楽しかった。また、一緒に来ようね。私とじゃイヤ?」
クラウド「そんな事ない。」
クラウドは首を思いっきり強く振る
エアリス「良かった。次に来た時はもっとゆっくりといろ~んな物に
乗ろうね。あっ、もうこんな時間、そろそろ戻りましょ。」
クラウド達がゴンドラ乗り場から出てくると
エアリス「あれっ? ケット・シー、何してるのかな?」
クラウド「!! あいつが持ってるのはキーストーンじゃないのか?
おい! ケット・シー!」
クラウドの声に驚いたケット・シーは逃げ出した
慌てて追いかけていくと
ケット・シーはヘリコプターで来た者にキーストーンを投げた!
ケット・シー「ほら! これや! キーストーンや!」
ツォン 「ご苦労様です。」
何とタークスのツォンに渡してしまったのだ!!
ヘリコプターはすぐに飛び立ってしまった
クラウド「おい!」
ケット・シー「ちょちょ、ちょっと待って~や。逃げも隠れも
しませんから。確かにボクは、スパイしてました。
神羅のまわしモンです。」
エアリス「……信じてたのに、がっかり!」
ケット・シー「しゃあないんです。済んでしもた事はどないしょうも
あらへん。なぁ~んもなかったようにしませんか?」
クラウド「図々しいぞ、ケット・シー!
スパイだとわかってて一緒にいられるわけないだろ!」
ケット・シー「ほな、どないするんですか? ボクを壊すんですか?
そんなんしても、無駄ですよ。この身体、元々玩具やから。
本体はミッドガルの神羅本社におるんですわ。
そっから、この猫の玩具操っとるわけなんです。」
エアリス「正体は神羅の人、ね? だ~れ? あなた! 言いなさい!」
ケット・シー「おっと、名前は教えられへん。」
クラウド「話にならないな。」
ケット・シー「な? そうやろ?
話なんてどうでもええからこのまま旅、続けませんか?」
クラウド「ふざけるな!!」
ケット・シー「……確かにボクは、神羅の社員や。それでも、完全に
みなさんの敵っちゅう訳でもないんですよ。……ど~も、
気になるんや。みなさんのその、生き方っちゅうか?
誰か給料はろてくれる訳やないし、だぁれも、褒めて
くれへん。そやのに、命賭けて旅しとる。そんなん
見とるとなぁ…… 自分の人生、考えてまうんや。何や、
このまま終わってしもたらアカンのとちゃうかってな。」
エアリス「~とか何とか言ってぇ。」
クラウド「正体は明かさない。スパイは辞めない。そんな奴と一緒に
旅なんて出来ないからな。冗談はやめてくれ。」
ケット・シー「……まぁそうやろなぁ。話し合いにもならんわな。
ま、こうなんのとちゃうかと思て準備だけは
しといたんですわ。これ、聞いてもらいましょか。」
ケット・シーはPHSを取り出してある人の声を聞かせた
『父ちゃん! ティファ!』
エアリス「あっ! マリンの声!」
マリン 『あ! お花のお姉ちゃん! お姉ちゃん…』
ケット・シー「……と言う訳です、
みなさんはボクの言う通りにするしかあらへんのですわ。」
クラウド「……最低だ。」
ケット・シー「そりゃ、ボクかってこんな事やりたない。人質とか卑劣な
やり方は…… まぁ、こう言う訳なんですわ。話し合いの余地は
ないですな。今まで通り、仲ようして下さい。明日は古代種の
神殿でしたな? 場所知ってますから後で、教えますわ。
神羅の後になりますけど、まぁ、そんくらいは
我慢して下さいな。」
クラウド「……仕方ないな。言う通りにしよう。」
エアリス「マリン、大丈夫かな…… お母さん、どうしたのかな。」
ケット・シーがスパイという衝撃を受けたクラウド……
翌朝も浮かばない顔をしてみんなの前に出てきた
ケット・シー「えらいゆっくりですな、クラウドさん!
せや、古代種の 神殿の場所やけど、ここから、
タイニーブロンコで海に出て東に進んでいけばありますわ。
ほな、そろそろ行きましょか。誰が、行くんですか?」
エアリス「私、行きたい! 絶対、行くから!」
ケット・シー「ほな、また後で。」
いろいろあった一夜であったがいよいよ古代種の神殿に向かう時が来た
ケット・シーの言葉通り進むと石造りの神殿が見えてきた
孤島のジャングルに囲まれた謎多き神殿-古代種の神殿
誰がそう名付けたかはわからないが、伝説のみ語られていた存在
その伝説が今、明らかになろうとしている
果たしてこの神殿に隠された秘密とは……
そして古代種とは……
古代種の神殿 突然エアリスが倒れ込んだ
エアリス「ここ…… 古代種の神殿…… 私、わかる…… 感じるの……
漂う…… 古代種の意識。死んで、星と一つになれるのに
意志の力で留まってる…… 未来のため? 私達のため?」
クラウド「何て言ってる? わかるのか?」
エアリス「不安…… でも、喜んでる? 私、来たから? ごめんね……
わからない。早く、ねえ、中に入りたい!」
神殿の入り口には黒マントの男が倒れている
黒マント「黒…… マテリア……」
エアリス「見て……」
ティファ「ナンバー9。ここにも入れ墨の男ね。」
そして神殿の中では
エアリス「あっ! ツォン!」
ツォンが何故か深手を負ってうずくまっていた
クラウド「タークスのツォンか!?」
ツォン 「くっ…… やられたな。セフィロスが…… 捜しているのは……
約束の地じゃない……」
クラウド「セフィロス? 中にいるのか!?」
ツォン 「自分で…… 確かめるんだな…… くそっ…… エアリスを…
手放したのがケチ… の…… つき初め… だ… 社長は……
判断をあや…… まった……」
エアリス「あなた達、勘違いしてる。約束の地、あなた達が考えてるのと
違うもの。それに、私、協力なんてしないから。
どっちにしても、神羅には勝ち目はなかったのよ。」
ツォン 「ハハ…… 厳しいな。エアリス…… らしい…… 言葉だ。
キーストーン…… 祭壇に…… 置いて…… み…… ろ。」
そう言ってツォンは倒れ込んだ……
クラウド「泣いてるのか?」
エアリス「……ツォンはタークスで敵だけど子供の頃から知ってる。
私、そういう人、少ないから。
世界中、ほんの少ししかいない、私の事、知ってる人……」
エアリスはツォンが死んでしまったと思っていたのだが……
ツォン 「私は…… まだ、生きている……」
どうやらまだ大丈夫のようだ
クラウド「ここにキーストーンを使えば……」
キーストーンを祭壇に置くと祭壇がゆっくりと光りだし
クラウド達は神殿の中に吸い込まれていった……
そこは見渡す限りの大迷宮であった……
エアリス「言葉が… 思いが… たくさん、ここにある。」
シド「クソッ! クソッ! クソッ! 何だってんだ、ここは!」
バレット「ひゅ~! これが古代種の神殿かよ! ウッ~ 冗談じゃねえ。
目眩がするぜ! おう! クラウド! 迷うんじゃねえぞ!」
ユフィ「うひゃ~! こりゃ、大変だよ。目回ってきたよ… あたし。」
ケット・シー「へ~、ごっつう広いなぁ。何や、気い遠なりそうやわ。」
ティファ「不思議な場所ね。私達、歓迎されてるのかしら?」
レッドXIII「クンクン…… ここいい匂いするよ。
コスモキャニオンと同じ星の匂いするよ。」
ヴィンセント「出口なしか… もう戻れないぞ。」
エアリス「……クラウド! ここ、いろいろ大変だと思うけど…
投げ出さないで! 頑張ろう、ね!」
途中、人らしき者がいた
エアリスはその者を見ると
エアリス「うん! やっと、会えたね。ごめんね。待っててくれたんだ。
彼らは古代種の精神体。ず~っと長い間、星に還らず
この神殿を守り続けてる。長い年月は彼らから言葉を
失わせた。ううん、最初から言葉は要らなかった。
神殿に留まった者達の目的は一つだったから。
ねえ、教えて! だめ、後はわからない。脅えているの……?
セフィロスが神殿にいるから? それとも、他の事?」
更に進むと侵入者を防ぐためなのか岩が転がり落ちてくる回廊に着いた
ここ以外は進む道もないため危険を冒して岩を避けつつ進んだ
エアリス「ふぅ~~、やったね!」
クラウド「大丈夫か? さすがに、堪えたな。」
エアリス「あっ…… クラウド。大変!! 早く、こっち!」
エアリスは泉らしきところにクラウドを連れてきた
そこは、古代種の知識の溢れる泉であった
エアリス「古代種の知識がいっぱい。ううん、知識なんかじゃない。
そう…… 意識…… 生きてる心……
何か、言いたがってる。ごめんね、わからないの。
えっ? な~に? ……危険? 邪悪な…… 意識?
えっ? 見せる? 見せてくれるの?」
不意に泉が光り、クラウド達に映像を映し出した
クラウド「……どうなってる?」
エアリス「待って! ほら、見て… 始まるよ。」
それは神殿に描かれている壁画の前にいるツォンとイリーナの姿であった
恐らく数刻前の出来事を映しているのであろう
イリーナ『ツォンさん、これは? これで約束の地がわかるんですか?』
ツォン 『……どうかな? とにかく社長に報告だ。』
イリーナ『気を付けて下さいね。ツォンさん。』
ツォン 『ああ…… イリーナ、この仕事が終わったら飯でもどうだ?』
イリーナ『あ、ありがとうございます。それじゃ、お先に失礼します。』
イリーナは報告に出ていった
ひとり残ったツォンは壁画を見て
ツォン 『これが約束の地? いや、まさかな……』
と、背後から何者かの気配を感じた!
セフィロス『セフィロス!! お前が扉を開いたのか。ご苦労だった。』
ツォン 『ここは…… 何だ?』
セフィロス『失われた知の宝庫。古代種の知恵…… 知識。
私は星と一つになるのだ。』
ツォン 『星と一つに?』
セフィロス『愚かなる者ども。考えた事もあるまい。この星のすべての
精神エネルギー。この星のすべての知恵…… 知識……
私はすべてと同化する。私がすべて…… すべては私となる。』
ツォン 『……そんな事が出来るというのか?』
セフィロス『その方法が…… ここに。』
突然、セフィロスはツォンの身体に刀を突き通した!!
セフィロス『お前達には死あるのみ。しかし、悲しむ事はない。
死によって生まれる新たな精神エネルギー。
やがて私の一部として生きる事が出来る。』
セフィロスは高笑いし、そこで映像は消えた
エアリス「見えた?」
ティファ「……見えたわ。」
クラウド「……壁画の部屋は何処だ?」
エアリス「もうすぐ、ね。」
クラウド「セフィロスがいるんだな?
あいつが何を考えようとここで終わりだ。俺が倒す!」
ティファ「私達だっているわ。」
そして、先程見た壁画の間に着くと
エアリス「ここが壁画の間……」
クラウド「何処だ!? セフィロス!!」
クラウドの問いに答えるかのように不意に目の前にセフィロスが現れた
セフィロス「冷たいな。私はいつでもお前の側にいる。来るがいい。
全く、素晴らしい。知の宝庫……」
クラウド「お前の言ってる事は意味不明なんだよ!」
セフィロス「良く見ておくがいい。」
クラウド「何を!!」
セフィロス「古代種の知の与える物。私は星と一つになるのだ。
……母さん… …もうすぐだよ。もうすぐ……
一つになれる。」
エアリス「星と一つになるってどうするつもり?」
セフィロス「簡単な事だ。星は傷が出来ると治療のために傷口に精神
エネルギーを集める。傷の大きさに比例して集まる
エネルギーの大きさが決まる。……星が破壊されるほどの傷が
出来たらどうなる? ……どれほどのエネルギーが集まる?
フッフッフッ。その傷の中心にいるのが私だ。エネルギーは
すべて私の物だ。星のすべてのエネルギーと一つになり
私は新たな生命、新たな存在となる。星と交わり……
私は…… 今は失われ、かつて人の心を支配した存在……
『神』として生まれ変わるのだ。」
エアリス「星が破壊されるほどの傷? 傷つける? 星を?」
セフィロス「壁画を見るがいい。最高の破壊魔法…… メテオ。」
クラウド「そうはいかない!」
セフィロス「目を覚ませ!!」
不意に眩しくなり、セフィロスの姿は消えた……
クラウド「何処だ! セフィロス!」
エアリス「待って、クラウド!」
セフィロスを追いかけようと飛び出したクラウドがふと立ち止まった
そこは大きな隕石が落ちて来ようとしている壁画であった
そして…… クラウドの様子が何か変である……
エアリス「クラウド!!」
ティファ「ねえ、クラウド!」
クラウド「クックックッ…… 黒マテリア。クックックッ……
メテオ呼ぶ。」
エアリス「クラウド!! しっかりしなさい!」
クラウド「クラウド…… 俺…… クラウド…… どうやるんだ…
……思い出した! 俺のやり方。」
エアリス「……クラウド。」
クラウド「ん? どうした。何か変か?」
エアリス「……何でもないから気にしないで。ね、ティファ!
何でもないよね。逃げちゃったね、セフィロス。」
クラウド「……気にするな。あいつの言ってる事はわかった。
これがメテオだな?」
ティファ「空から何か降ってくるの?」
エアリス「……魔法ね、これは。セフィロスの言ってた通り究極の
破壊魔法メテオ。宇宙を漂っている小さな星を魔法の力で
呼び寄せるの。そして……
衝突。この星、完全に壊れちゃうかも……」
その時神殿が揺れだした!!
クラウド「セフィロスか!!」
セフィロス「クックックッ…… 私ではない。」
何処からかセフィロスの声が聞こえ、そして魔物が姿を現した
何とか倒すが……
クラウド「セフィロスの気配は?」
エアリス「消えちゃったね。」
そして壁画の間の奥に行くと何かが置いてある
クラウド「これは何だ?」
エアリス「……何か書いてある。……ク・ロ・マ…… テ・リ・ア。」
クラウド「黒マテリア!!」
エアリス「あっ! ……黒マテリア。どうするの、クラウド?」
クラウドはどうしていいかわからないでいると
エアリス「ちょっと待って。私、聞いてみる! わからない…… えっ?
そうなの!?」
エアリスは神殿に留まっている古代種の知識に問うてみた……
エアリス「この神殿その物が黒マテリアだって。」
クラウド「どういう事だ?」
エアリス「だから、この大きな建物自体が黒マテリア、なんだって。」
クラウド「この、でかい神殿が? これが黒マテリア!?
それじゃあ、誰にも持ち出せないな。」
エアリス「う~ん、難しいところね。ここにあるのは神殿の模型なの。
この模型には、仕掛けがあってパズルを解いていくと、
どんどん模型が小さくなるんだって。模型、小さくなると、
神殿自体も小さくなる。どんどん、折り畳まれていって、
最後には手のひらにのるくらいにまで小さくなるの。」
クラウド「つまり、この模型のパズルを解けば黒マテリアは小さくなって
持ち出せるようになるわけだな?」
エアリス「そう、でもね…… パズルを解くのは、この場所でしか
出来ないの。だから、パズルを解くと、その人はこの神殿、
いいえ、黒マテリア自体に押し潰されちゃうの。」
クラウド「なるほど……
危険な魔法を簡単に持ち出せないための古代種の知恵か……」
ティファ「そっとしておこうよ、ね?」
クラウド「ダメだ。持ち出す方法を考えよう。だって、そうだろ?
セフィロスにはたくさんの分身がいるじゃないか。あいつら、
命を投げ出して黒マテリアを手に入れるくらい何でもない。
この場所はもう安全じゃないんだ。」
エアリス「でも、どうするの?」
その時、PHSが鳴り響いた
ケット・シー『もしもし~ クラウドさん。ボクです。ケット・シーです~
話、聞かせてもらいましたよ! ボクの事忘れんといて
ほしいなぁ。クラウドさんの言うてる事はよぉ、わかります。
この造りモンの身体、
星の未来のために使わせてもらいましょ。』
クラウド「セフィロスに黒マテリアは渡せない。
でも、神羅にも渡せない。」
ケット・シー『でもなぁ、クラウドさん。
どないしょうもないんとちゃうか? まぁ、信じてみいな。』
クラウド「わかった…… 仕方ない。」
ケット・シー『よっしゃ! ほんな、任せてもらいましょか!
ほんな、みなさん、はよう脱出して下さい!
出口のとこで待ってますから!』
クラウドはいつの間にか出来ていた出口へと急いだ
そして扉を開けようとすると
クラウド「生暖かい…… やばいな……」
エアリス「クラウド…… ……後ろ。」
壁から扉を守る魔物が現れた
魔物を倒すと扉が開き、外にいたケット・シーが入ってきた
ケット・シー「お待ちどうさん!! ケット・シーです~! 後の事は
任せてもらいましょ! ほんな、みなさん、お元気で。」
エアリス「ケット・シー…… ほら、クラウド…
何か言ってあげなきゃ。」
クラウド「……苦手なんだ。」
ケット・シー「ん~、ようわかりますわ~
ボクも同じ様な気持ちですわ。」
エアリス「そうだ! ねえ、占ってよ。」
ケット・シー「そうやな~ それも、久しぶりですねぇ。
わくわくしますなぁ~ 当たるも~ ケット・シー。
当たらぬも~ ケット・シー。ほんな、何占いましょ?」
エアリス「そうねえ…… クラウドと私の相性!」
思わず憤慨するティファ
それには構わず
ケット・シー「そりゃ、たこうつくで。デート1回やね!
ほんな、やりまっせ!」
ケット・シーは占うが
ケット・シー「こりゃあかんわ。ちょっと、言えませんわ。
ティファさんに悪いわ。」
エアリス「ダメ! 教えて! ぜ~ったい驚かないから。」
ケット・シー「そうですか? ほんな、言いますよ。ええ感じですよ。
おふたりの相性、ぴったりですわ! エアリスさんの星と
クラウドさんの星! 素敵な未来が約束されてます!
クラウドさん、ボク、司会でも仲人でもスパイでも何でも
しますわ~ そんときにはきっと、呼んで下さいね。
スパイのボクの事信じてくれて、おおきに!
ほんまに、ほんまに…… 行ってきます!」
エアリス「頑張って、ケット・シー!!」
こうしてケット・シーは単身神殿の中へ……
ケット・シー「頑張って、やって。何や、嬉しいなぁ~」
ケット・シーは頑張って進むが、つい転んでしまう
ケット・シー「いててて…… どないなったんやろ?
まだ動けるようやな。」
こうして再び立ち上がる……
ケット・シー「これやな! 古代種さん達、こんな仕掛けよう
作りはったなぁ~ ボクも、この星を守るんや。何や、
照れるなぁ…… この同じボディのんがようさんおるんやけど、
このボクは、ボクだけなんや。新しいケット・シーが仲間に
なっても忘れんといてな。ほんな、行きますわ!
しっかり、この星救うんやで~!!」
神殿の外で見守っているクラウド達の目の前で
神殿が徐々に小さく、そして黒い塊になっていくのが見えた
そして…… あのケット・シーの姿が潰されていく事も……
更に…… 神殿にいる筈のツォンも……
クラウド「あれが、黒マテリア……」
ティファ「私、ここで待ってるね。」
クラウド「これを俺達が持ってる限りセフィロスはメテオを使えないって
訳だ。ん? 俺達は使えるのか?」
エアリス「ダメ、今は使えない。とっても大きな精神の力が必要なの。」
クラウド「たくさんの精神エネルギーって事か?」
エアリス「そう、ね。ひとりの人間が持ってるような精神エネルギーじゃ
ダメ。何処か特別な場所。星のエネルギーが豊富で……
あっ! 約束の地!!」
クラウド「約束の地だな!! いや、しかし……」
エアリス「セフィロスは、違う。古代種じゃない。」
クラウド「約束の地は見つけられない筈だ。」
その時!!
セフィロス「……が、私は見つけたのだ。私は古代種以上の存在なのだ。
ライフストリームの旅人となり古代の知識と知恵を
手に入れた。古代種滅びし後の時代の知恵と知識も
手に入れた。そして間もなく未来を創り出す。」
エアリス「そんな事、させない! 未来はあなただけの物じゃない!」
セフィロス「クックックッ…… どうかな? さあ、目を覚ませ!」
クラウド「だ、黙れ! う…… うるさ…… い……」
セフィロス「さあ、クラウド…… 良い子だ。」
クラウド「う…… あ…… ぁ……」
セフィロスは静かにクラウドの前に来た
クラウドは頭を抱え、そして徐々にセフィロスに向かっていこうとする
その時、エアリスにはクラウドと、もうひとり小さい男の子の姿が目に映った
そしてその男の子は必死にクラウドを引き止める
『だ~めだよぅ!』
その男の子は何処かクラウドに見える
しかしその子の引き止めも空しく
クラウドはセフィロスに黒マテリアを渡してしまう!!
セフィロス「……ご苦労。」
そしてセフィロスは何処へと消えていった……
エアリス「クラウド、大丈夫?」
クラウド「……俺はセフィロスに黒マテリアを……?
お、俺は何をしたんだ…… エアリス、教えてくれ。」
エアリス「クラウド…… しっかり、ね?」
クラウド「ウヘヘヘヘ…… 俺は何をした!」
エアリス「クラウド…… あなた、何もしていない。
あなたのせいじゃない。」
クラウド「俺は! 俺はーーーっ!」
クラウドは突然エアリスを突き飛ばし、殴り始めた!!
ティファ「クラウドー!!」
その時、あの白い縫いぐるみが現れた
ケット・シー「こりゃあかん! えらい時に来てしもた!
ボク、ケット・シー2号機です~ よろしゅう頼んます~!」
ティファはクラウドを引き止めようと近づき
ティファ「クラウド、何してるの!?」
クラウド「真っ白だ…… 俺は何をした? 覚えていない… 記憶…
いつからなのか…? すべてが夢なら覚めないでくれ。」
こうしてクラウドは気を失った……
そして…… 何処か森が映っていた……
クラウドは見た事もない、しかし何故か懐かしい森である
そこにエアリスの姿が映し出される
エアリス『クラウド、わかる?』
クラウド『ああ、わかるよ。さっきは済まなかったな。』
エアリス『気にしない方がいいよ。』
クラウド『……そんなの無理だ。』
エアリス『そっか…… じゃ、思いっきり気にしちゃえば?
セフィロスの事、私に任せて。そして、クラウドは自分の事
考えて。自分が壊れてしまわないように、ね?』
クラウド『ここは…… 何処だ?』
エアリス『この森は古代種の都へと続く…… 眠りの森と呼ばれている。
セフィロスがメテオを使うのは時間の問題。だから、それを
防ぐの。それはセトラの生き残りの私にしか出来ない。
その秘密、この先にあるの。ううん…… ある筈。
そう、感じるの。何かに導かれている感じ、するの。
じゃ、私、行くね。全部終わったらまた、ね?』
クラウド『エアリス?』
クラウドは追いかけようとするが、足が先に進まない
そうしている間にエアリスの姿は見えなくなった
そして……
セフィロス『おやおや…… 私達の邪魔をする気のようだ。困った娘だと
思わないか? そろそろあの娘にも…』
セフィロスが姿を見せ、そして白い光が覆い、再び気を失った……
気がつくとクラウドはベッドに寝かされていた
いつの間にかゴンガガに連れてこられたようであった
ゴンガガ バレット「うなされてたみたいだな。調子はどうだ?」
クラウド「良くわからない。」
バレット「そんなとこだろうな。ま、あんまり悩まねえこった。」
ティファ「あのね、クラウド。エアリスがいなくなっちゃったの。」
バレット「みんなはエアリスを捜しに行ってる。」
クラウド「……古代種の都。エアリスはそこに向かっている。
メテオを防ぐ手段があるらしいんだ。」
バレット「エアリスがひとりで!? 何だってひとりで行っちまうんだよ!
おい、オレ達も行くぞ。」
クラウド「メテオを防ぐ事が出来るのは古代種…… エアリスだけだ。」
エアリス「それならなおさらよ。エアリスにもしもの事があったら
どうするの? セフィロスが気付いたら大変よ。」
クラウド「セフィロスは…… もう、知っている。」
バレット「おい! お前、何だってチンタラしてるんだ?」
ティファ「行きましょ、クラウド。」
クラウド「嫌だ。俺、またおかしくなるかもしれない。
セフィロスが側に来ると俺はまた……」
バレット「ああ、そうだよ。お前のせいでセフィロスは黒マテリアを
手に入れたんだ。責任を取れ!」
クラウド「責任?」
バレット「お前はよ、なるほどいろんな問題を抱えてるんだろうさ。
自分の事良くわかんねえんだもんな。でもよ、クラウド。
オレ達が乗っちまったこの列車はよ、途中下車はナシだぜ。」
ティファ「クラウド、ここまで来たのよ……
セフィロスと決着をつけるんでしょ?」
クラウド「嫌だ…… 俺は怖いんだ。このままじゃ、俺は俺で
なくなってしまうかもしれない。怖いんだ……」
バレット「しょうがねえ奴だぜ…… あのな、考えてみろよ。自分の事、
全部わかってる奴なんて世の中に何人いると思ってんだ?
誰だって、訳わかんねえからあ~だこ~だ、悩むんだろ?
それでもみんな何とか生きてる。逃げ出したりしないでよう。
そういうもんじゃねえのか?」
ティファ「クラウド…… 来てくれるよね。私、信じてるから。」
クラウド「俺は…… どうしたらいい? ここから引き返す? 引き返す?
……何処へ?」
ティファ「クラウド……」
バレット「待ちな、ティファ。しばらく時間をやろうぜ。これは、
あいつが自分自身で決着をつけなきゃならねえ事だ。
信じてるんだろ、クラウドを。」
クラウド「……俺は、真実を、知るのが、怖い……? でも……
それは…… 何故だ?」
クラウドはようやく重い腰を上げ、外に出た
ティファ「クラウド……」
バレット「よう、どうだ? ちょっと、聞きたいんだけどよ。お前は
どっちなんだ? 自分の事、もっと知りたいのか? それとも、
知るのが怖いのか? ま、どっちにしても、ここにいたって
悩んで頭抱えてるしかねえぞ。もし、セフィロスと会ってよ、
また、お前がおかしくなっちまったらそん時はそん時だぜ。
オレがぶん殴って正気に戻してやるからよ!」
ティファ「クラウド、大丈夫よ。みんながついてるじゃない。」
クラウド「……でも。」
バレット「ま、なるようにしかならねえぜ。ウジウジ悩むな。」
クラウド「……そう…… だな。……そう…… だよな?」
ティファ「さあ、エアリスを捜しに行きましょう?」
クラウドはエアリスが向かった古代種の都
そして眠りの森を求めて世界中を賭け巡る……
やがてそれらしき森を見つけて入っていくと
突然森の雰囲気が変わった……
眠りの森が目覚めた
そして森を抜けると眼下に不思議な谷を目にする
そこは珊瑚で創られた廃虚であった
古代種の住んでいたという珊瑚の都-古代種の都
偏狭の谷に位置し、魔物の姿も見せない神秘的な都である
そこは昔は海底だったのか、珊瑚の枯れ姿が至るところに姿を現し
それを利用して住処にしていたのであろう……
しかし今では誰ひとりとして姿を見せない廃虚となっている
果たしてここに古代種達は何を残しているのであろうか……
クラウドはそこで光る石を見つけたが
古代種の都 クラウド「……ウッ。……古代種の言葉? ……ダメだ。俺には、
わからない。……ウッ、またか。意識に流れ込んでくる……
……古代種の言葉なのか?」
頭に直接何かが伝わってくるのだが、クラウドには理解出来なかった
クラウドは廃虚の中を捜してはみるが、エアリスの姿はなかった
仕方がないのである家で一旦休む事にした
ユフィ「ラッキ~、こんなところにベッドがあるなんて~」
ティファ「一休み、していきましょうか?」
そしてその夜……
クラウド「感じる……」
ユフィ「あれ~、クラウド。どしたの?」
クラウド「ここに、エアリスがいる。……そしてセフィロスも。」
ユフィ「うっそ~! セフィロスなんてお呼びじゃないのに~」
ティファ「でも、どうしてそんな事がわかるの?」
クラウド「……理屈じゃない。感じるんだ、俺の心が。」
ユフィ「それって、ちょーマズいんじゃない?」
クラウド「……ああ。早くエアリスを捜そう。」
家を出ると
クラウド「エアリスの声の聞こえた方向…… あっちか?」
クラウドはエアリスのいそうな方に行くと
いつの間にか地下への道が開いていた
そして長い階段を降ると
泉に浮かぶ祭壇でエアリスが祈っている姿があった……
クラウド「エアリス?」
クラウドは仲間を制し、ひとりでエアリスの側に行く
しかし……
クラウドはエアリスの近くに来ると突然意識が遠くなるのを感じた……
それを何とか抑えてエアリスに近づくが
クラウドは突然剣を取り、そして誰かに操られるかのように
それをエアリスに振り下ろそうとしてしまう!!
ティファ「クラウド!」
ユフィ「ストーーップ!」
仲間達の声がクラウドを止めた!!
クラウド「クッ…… 俺に何をさせる気だ。」
クラウドは正気を取り戻すとエアリスを見つめ直す……
エアリスは今までの事が気付かなかったかのようにようやく顔を上げる
その姿を静かに見つめるクラウド
エアリスはクラウドの姿を確認すると静かに微笑んだ
ふたりの間に和やかな空気が漂う……
と、その時上空から黒い影が降ってきた!!
それはクラウドを優しく見つめるエアリスに突然牙を剥き
その背中に長い刃を突き立てた!!
……セフィロス……
エアリスはそれでもなお目を開き、何かを伝えようとする
セフィロスはクラウドに静かに微笑むと
エアリスに突き立てている剣を抜く
エアリスはのけぞり返り、そして倒れる……
エアリスの髪に括られていた白い玉-マテリアが静かに離れ
乾いた音を立てながら泉に沈んでいく……
クラウド「……エアリス。」
クラウドは倒れかけたエアリスをその腕で抱きしめ
そして何度もその身体を揺する
クラウド「……嘘だろ?」
セフィロス「気にする事はない。間もなくこの娘も星を巡るエネルギーと
なる。私の寄り道はもう終わった。後は北を目指すのみ。
雪原の向こうに待っている『約束の地』。私はそこで新たな
存在として星と一体化する。その時はその娘も…」
クラウド「……黙れ。自然のサイクルもお前のバカげた計画も関係ない。
エアリスがいなくなってしまう。エアリスは、もう喋らない。
もう…… 笑わない。泣かない…… 怒らない……
俺達は…… どうしたらいい? この痛みはどうしたらいい?
指先がチリチリする。口の中はカラカラだ。
目の奥が熱いんだ!」
セフィロス「何を言っているのだ? お前に感情があるとでもいうのか?」
クラウド「当たり前だ! 俺が何だというんだ!」
セフィロス「クックックッ…… 悲しむふりはやめろ。怒りに震える演技も
必要ない。何故なら、クラウド。お前は……」
セフィロスは浮かび上がると飛び立ち
そしてセフィロスと入れ替えに何かが落ちてきた
ジェノバだ!!
駆けつけた仲間達と悲しみの中ジェノバに挑み
そして打ち倒す
その時クラウドは何処からか声がするのに気付く……
ジェノバ「何故なら、お前は…… 人形だ。」
クラウド「俺が…… 人形?」
クラウドは一瞬その言葉に驚くが、
すぐに目の前に横たわるエアリスの変わり果てた姿に愕然とする……
ユフィは涙を堪えきれずにクラウドの胸に顔をうずめ
ティファはエアリスの顔をなで、そして走り去る……
クラウドはエアリスを静かに抱えると
泉に向かい、その顔を見つめながら手をゆっくりと離す……
エアリスはゆっくりと静かに沈み始め
舞うような感じで泉の底へとその身体を委ねるのであった……
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